アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

キキョウにもステージがあります

2021-06-09 17:42:01 | みんなの花図鑑
コロナ感染状況にステージがあるように、キキョウの花にもステージがあります。
まず雄しべが活動する時期があり、それが終わってから 雌しべ活動期となります。


ステージ 0

キキョウの花が開いた最初は 中心の めしべの花柱を象牙色をした雄しべが囲んでいます。
この状態は 雄性期ではなく、雄性期の前段階といったほうが良いと思います。
なぜなら花粉が出ていませんので。




雄しべは雌しべの外面に向かって花粉を放出し続けます。
めしべはまだ未熟で柱頭を閉じたまま上に向かって伸長します。
そうすると、どういうことが起こるかというと・・・



ステージ1

伸長する雌しべ棒の頭部(将来柱頭になる部分)に微細な毛(集粉毛)があって、雄しべから出た花粉がまとわりつくのです。
この状態が 「雄性期」の状態です。雄性期といっても、めしべ棒の頭部に花粉が付着していて虫が運んでくれるのを待っている状態ですから、「雄しべ活動期」という状態ではないのです。



雄性期(花粉を運んでもらう時期)に 活動するのは雄しべではなく、めしべ棒なのです。
雄しべのほうは すでにその役割を終わって花弁のほうに横たわっています。



ステージ2

雄性期(花粉送粉期)のあとは 雌性期に入ります。閉じていた雌しべの頭部が開いて 柱頭が顔を出します。柱頭は 内側に向いていて開くと反り返り上と外を向くようになります。
めしべ棒にはまだ花粉が付いていますが、花粉の寿命はそう長くはないし、柱頭はその面とは反対側にあるので 自家受粉することはありません。
私たちがよく見るのは このステージ2 (雌性期)の花のことが多いと思います。



「ただし、同じ個体で複数の花をつけ、成熟のタイミングはずれているから、同一個体内での自家受粉は避けられないと思われる。 」(続・樹の散歩道「身近な「雌雄異熟」の事例 (1)キキョウ」)



コメントを投稿