アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

あなた、コニシキじゃないでしょ - こまい花19

2020-08-26 11:17:04 | みんなの花図鑑
前回の<こまい花>で コニシキソウを取り上げましたが、今日はその仲間を話題にします。見出し画像が 今日のニシキソウの仲間 のアップです。


でもその前に コニシキソウのおさらいをしておきましょう。上の画像は農道のアスファルト脇から出ていたコニシキソウです。緑の葉の株と赤っぽい葉の株とありますが、時期が違うだけで両方とも(この場合は)コニシキソウです。
このあたり(岡崎平野)では 農道の舗装の割れ目からニシキソウの仲間が生えていたら、ほとんどコニシキソウです。2時間かけて自転車で観察してきましたので間違いないです (´∀`)




コニシキソウは オオニシキソウと違ってほとんど地べたを這(は)って伸びています。でもたまに例外もあります。上の株は 草むらの縁で他の雑草と競り合うように 半分立ち上がっていました。だから、這っているか、立ち上がっているかでは コニシキソウを判別できません。ではどこでコニシキと 判別するのでしょうか?




まず オオニシキソウとの大きな違いは 毛深いことです。特に果実の表面をみて つるつるのヒメリンゴみたいならオオニシキソウ。この画像のように 毛がまとわりついていれば、(そして立ち上がっていれば)コニシキソウです。
では、這っていて 果実が毛むくじゃらだったら?
そこが問題です。這っているニシキソウの仲間には、コニシキソウ以外にも アレチニシキソウとか ハイニシキソウ なんてあるんですよ




でも、這っていても、花を見れば、コニシキくんか、そうでないかは 一目瞭然です!(キッパリ (^^)/)
上の画像に 白い花びらのようなのが咲いていますが、これは 4つの腺体(白い花びらの中にあるコメツブみたいなの)の付属体といって、ニシキソウの仲間の杯状花序には必ずついているんですが、この付属体の格好が コニシキソウは大きくて独特なんです。




コメツブのような腺体は 三角コーンを逆さにしたような杯(カップ)の口に付いています。横に果実がついていますが、このカップから生まれてすぐ大きくなって 後から生まれてくる雄花(雄しべ) のために カップの入り口をふさがないために 横に飛び出して果柄でぶら下がっているのです。




いろいろありますが、裏から見た コニシキ君のイメージです。


さて、これからが 本題 です。


上の画像も 先に出したような コニシキ君の色違いなのでしょうか?
近づいてみないと分からないですよね




赤いほうは あきらかにコニシキ君ですが、右側は・・・
あなた、コニシキ君、じゃないでしょ ?!




左のコニシキソウでは 茎が赤く果実が毛むくじゃらで、そしてなにより 腺体の付属体(白い花びらのように見える)が目立ちました。
右のニシキソウ(の仲間)は 腺体は赤い丸い4つの点で、周囲の付属体も コニシキくんほど大きくありません。




果実は?、というと、確かに毛がありますが、アデランスのCMが気になる !(^^)! そんな毛の生え方です(笑)




斜め上から見た絵ですが、腺体とその付属体の中から出た子房(果実)がやはり横に花柄を曲げてぶら下がっていますが、果実を吊る萼の部分が、ナスの萼のようにはっきり色違いで見えますね (私自身も こんなにはっきり見えたのは 今回がはじめてでした)。




ということで、 この子はコニシキ君ではないことは ハッキリしてるんですが、では何かというと・・・候補が2つあるんですよ。
(画像は 果実がカップの横に退いた後に、雄花(おしべ)が顔を出したところです。)




2つの候補は アレチニシキソウハイニシキソウ。アレチは「荒地」、ハイは「這い」です、ハイ (^^♪

アレチニシキソウ と ハイニシキソウはよく似ている、という記事はたくさんあるんですが、 「ここで区別する」という記事は 皆無に等しいんですよ。
両方とも 腺体と付属体が 車の4連テールランプみたいな恰好をしていて、若干毛の付き方が薄い果実を実らせます。

とりあえず・・・
葉が緑っぽいのと、葉裏の毛が若干多いことから、 2つのうち、「アレチニシキソウ」ということにしておきます。

アレチニシキソウ
学名はEuphorbia chamaesyce subsp. massiliensisとされていたことがあるが、腺体の付属体が大きいもので、一致しない。現在は学名不詳とされている。
 茎は地を這って広がり、裏面を除いて側面まで又は全周に曲った白色の毛がある。葉は対生し、鋸歯縁、長さ4~7㎜の惰円形、斑紋がなく、表面には毛がほとんどないが、裏面には曲った白色の伏毛が密生する。花は杯状花序であり、4個の赤色の腺体の周りに狭い4個の淡紅色の小さな付属体がある。花柱は3個、基部近くまで2裂する。果実は3綾形、稜付近に曲った毛が生え、果実の基部付近では側面にも毛がある。
(三河植物観察「アレチニシキソウ」太字は引用者)


2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (なつみかん)
2020-08-26 19:44:44
こんばんは!
これだけ詳しく観察されても、アレチとハイの区別は難しいんですね‥、前に見たnot コニシキが、どちらか悩んでいます‥

ニシキソウに、最近出会ってラッキーな気分です。
返信する
Re: なつみかんさん^^ (アブリル)
2020-08-26 20:03:22
こんばんは~~
はい、今日も私、もうひとつの「not コニシキ」探してもしかしたら、って場所に行ってみましたが、コニシキ君とアレチ君にしか出会えませんでした。つまり「葉の裏に毛がない」ハイニシキ君になかなか出会えないのです(ToT)
でもまぁ、コニシキ君と「not コニシキ」くんの観察はだいぶ進んだので、今回はこれくらいにしておこうかなと (^^♪
返信する

コメントを投稿