アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

「馬酔木」「木五倍子」何と読む?

2023-03-20 13:00:00 | みんなの花図鑑
アセビ(アシビ)

「馬酔木」と書いて「アシビ」または「アセビ」と読みます。




アセビはツツジ科の常緑低木で、日本固有種です。




なので学名も 学名: Pieris japonica subsp. japonica です。
(subsp. は subspecies の略で 「亜種」の意)




「馬酔木」は 「ウマが葉を食べれば毒に当たって苦しみ、酔うが如くにふらつくようになる木というところからついたと」されています。(Wikipedia「アセビ」)






アケボノアセビ

アセビの紅花株です。




学名:Pieris japonica f. rosea
(学名の f. は「form」の省略形で「品種」の意)




「 アセビ 類の壺型の花は寒い時期に咲くため、霜や雪を防ぐため下向きで入り口が小さい。」(四季の山野草「アケボノアセビ」)




ブルーベリーの花もツツジ科で同じように下を向きます。上を向いていると、霜や雪だけでなく ふつうに雨でも濡れて困るでしょうから、花が下を向くのは自然です。ブルーベリーのばあいは花の受粉が完了すると萼が上を向きます。
アセビのばあいはどうなんでしょう?
アセビもやはり花は下垂しますが、熟すと上を向き、5つに割れて種を散らします(^_-)-☆

白花、紅花ともに 於大公園(東浦町)の薬草薬木園で 3月5日撮影。






キブシ

「馬酔木」が「あしび」は知ってしまえば違和感ないですけど、
「木五倍子」が「キブシ」だなんて、まったく関連性が分かりません。




キブシはキブシ科キブシ属の雌雄異株の落葉低木です。
「葉が芽吹く前に淡黄色の総状花序につける。」(Wikipedia「キブシ」)




「木五倍子」についてwikiにはこうあります:
「和名は果実をヌルデの虫えいでつくる五倍子(ふし)の代用品として、黒色の染料(お歯黒)に用いたことから名付けられている。」





というわけで、「木五倍子」のうち読みが難しいのは「木」のほうではなくて「五倍子」のほうです。
「五倍子」はどういう訳で「ふし」なんでしょう?





面白いことに 「五倍子とは」で検索すると

ごばいし
 【五倍子】ヌルデの葉に一種のアブラムシが寄生したためにできる、こぶ状の部分。この組織中に含まれているタンニンが染色・インク製造等に利用される。
 「付子(ふし)」とも言う。
と解説があります。(Oxford Languagesの定義)
(五倍子とは、ヌルデの若葉に寄生したヌルデシロアブラムシの刺激によって、植物体の 保護成分 であるタンニン酸が集中しその部分が膨らんだもので、いわゆる虫こぶの 一種です。それがなぜ【五倍子(ごばいし)】と言われるのかというと「虫こぶの部分が五倍の大きさになるから」だったのです!)
そういうわけで、【木・付子】と書けば「き・ぶし」としか読めないのに、わざわざ【木・五倍子】と書いて「き・ごばいし」でなく「き・ぶし」と読ませています。悪意があって作られたとしか思えないチョー難読漢字なのです。






キブシも日本固有種で、雌雄異株です。
wikiには「雄花は淡黄色、雌花はやや緑色を帯びる。雌花、雄花とも雄蕊は8個、雌蕊は1個あるが、雌花の雄蕊は小さく退化している。」とありますから、これは雌株の雌花のようです。
3月16日撮影





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