アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

いずれがボタンか、シャクヤクか

2023-04-29 08:55:29 | みんなの花図鑑
ボタンとシャクヤク、花だけ見てると区別がつきません。両方ともボタン科ボタン属なのですから。



ボタン(左)とシャクヤク(右)を見分けるには葉を見るのが一番分かりやすいです。
ボタンの葉には切れ込みがあります。シャクヤクの葉には切れ込みがありません。



ボタン

於大公園(東浦町)の薬草薬木園のボタンです。
えっ、ボタンが薬草?薬木?




「ボタンは中国原産の栽培種。(中略)日本には8世紀頃、薬用植物として渡来したといわれている。」(三河の植物観察「ボタン」)
で、ボタンは薬草?それとも薬木?




実は ボタンは落葉低木なのです。ですから「薬木として入ってきた」が正解です。




冬になって落葉しても枝は残り、年々、幹が太く大きくなります。




それから、あまり書かれてないのですが、ボタンのシベはこんな風で、つぎのシャクナゲのシベとは大いに異なります。
私は花が咲いていてもしシベが観察出来たら、シベでもボタンとシャクヤクの区別ができるのでは?とひそかにデータを蓄積しています(´∀`)





シャクヤク

「立てば芍薬、座れば牡丹」の前者のほうです。
ボタンが落葉低木だったのに対し、シャクヤクは多年草の位置づけです。




ボタンのつぼみは先端がとがっていますが、シャクヤクのほうはこのように丸くころんとした形。少しずつほどけながら、開花へと向かいます。





「江戸時代には観賞用に栽培が盛んになり、多くの園芸品種が作られた。日本のシャクヤクは和芍薬と呼ばれ、一重咲きが中心で、黄色の仮雄しべが発達した「金しべ咲き」(Japanese type)や仮雄しべが細い花弁状となった「翁咲き」(anemone type) などがある。」(三河植物観察「シャクヤク」)




「雌しべの形などはキンポウゲ科と非常に共通性が高い。同じ科とする意見があるのも納得である。」(植物雑学事典「シャクヤク」)




めしべは3~5独立してあります。
金しべ咲き:一重咲きですが、おしべは太くやや花弁化し、黄金色になっています。




まとめ

葉の形が違う
 ボタン   ギザギザの切れ込みが入る
 シャクヤク 切れ込みはなく、やや丸みを帯びている。

つぼみの形
 ボタン   やや先端がとがっている
 シャクヤク 丸くきれいな球形。

枝分かれの有無
 ボタン   木本(落葉性低木)なので冬になっても枝があり、幹は年々太くなっていく
 シャクヤク 宿根草なので、冬は地上部は枯れてなくなります。まっすぐに茎を伸ばし、茎の先に花を咲かせます。

雌しべの形が違う
 ボタン   雌しべは3~5本、柱頭が曲がり、子房の基部は花托に囲まれている
 シャクヤク 雌しべは3~5個、柱頭は側面が扁平、反曲、とさかがある。




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2 コメント

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4つの視点 (ninbu)
2023-04-29 20:23:20
アブリルさん、こんばんは。ninbuです。
ボタンとシャクヤクの違い、分かり易い解説でとてもよくわかりました。
葉の形、つぼみの形、枝分かれの有無、雌しべの形などに分けて見ると
きっと違いがわかりそうです。
今度、ボタンやシャクヤクを見た時に、この4つの視点で眺めてみよう
と思います。ありがとうございました。
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Re: ninbuさん^^ (アブリル)
2023-04-29 22:33:44
ninbuさん、こんばんは~(返事が遅くなりましたm(_ _)m)
その4つの視点、同じ重要度ではありません。上から順に重要度が下がっていきますので、よろしくお願いします!(^^)!
あすは
「いずれがアヤメか、アイリスか」
の予定です(^^♪
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