オータムリーフの部屋

残された人生で一番若い今日を生きる。

偽装社会

2013-11-08 | 社会
 
最近、全国のホテルやデパートで「食品偽装」が話題になっている。
 のべ47品目ものメニューが実際の食材と異なったものを使用していたことを「誤表示」だと言い張って、社長が辞任に追いやられた阪急阪神ホテルズを皮切りに、ザ・リッツ・カールトン大阪、名鉄グランドホテル、JR系ホテルクレメントなどの名が連日のようにあがり、帝国ホテルまで飛び火。問題の広がりはとどまることをしらない。高価なものばかりが誤表示となっているようだ。
吉兆の女将がスターダムにのしあがって偽装が山ほど発覚してから、たった6年である。あれだけひどい目にあったのにまたまた偽装。今度はずうずうしくも誤表示だと言い張る。しかしこれだけ産地偽装や食材偽装がはびこって当たり前になっていたのでは、何も怖くない。早く記者会見開いて謝っておこうという魂胆か。
 ロブスターを伊勢エビ、搾りたてじゃないのにフレッシュジュース、車エビはブラックタイガー、芝エビはバナエイエビ、非常に分かりやすいインチキだ。今考えると吉兆の時は産地を偽装しただけでそれほど悪質ではなかった。今回は偽装の範囲は広範囲で低レベルだ。

 鮮魚と言いながら、冷凍食材だったというのもある。瞬間冷凍して鮮度を保っていたのだから、解凍したって「鮮魚」であることに変わりはないと言う見方もある。遠洋で取れるマグロなどは冷凍されるのが当たり前だ。和牛と言ったって輸入穀物によって飼育されているのだから、厳密に考えると国産とは言えないという考え方もある。
 確かに鮮魚か冷凍かも消費者に開示せよということになれば、「刺身盛り合わせ」の多くが、「解凍した刺身の盛り合わせ」に変える必要に迫られるだろう。「メニューの表示」と言うものをどう考えるかという問題であり、偽装とは異なる問題だと思うが、この辺も一緒くたに論じられている感がある。
 冷凍の刺身、加工肉などとメニューにいちいち表示されると興ざめだから、わざわざ表示しなくてもよいと思う。メニュー表示のルールを決める必要がありそうだ。

 いまや隠蔽と偽装が社会に蔓延している。相変わらず経営者に罪の意識はなさそうだが、国家自体が隠蔽と偽装が当たり前だから、企業の経営者が罪の意識など感じるわけがない。
隠蔽や偽装が広がり、日常化した理由の一つは、責任の所在がうやむやにされ、記者会見をして土下座すればすべてが許されるからである。辞職して別の企業に移籍すれば責任は問われないからである。頭脳明晰な官僚の背信や偽装は日常茶飯事だ。
 秘密保護法は隠ぺいにお墨付きを与える法律だし、TPPも隠蔽と偽装で覆われている。原発事故や原発再稼動に関する動きも、隠蔽と偽装が幾重にも重なっていて、何が何だかわからない。原発が安全というのも、環境にやさしいというのも、偽装である。消費増税を社会保障に使うと言うのも偽装である。
 国民への背信行為や嘘が明るみに出た時、殆どの当事者は別の部署に栄転、天下りになっており、責任すら追及されない。国家機密を洩らすのが懲役10年に当たるなら、彼らの罪は財産没収、100年の刑が妥当だ。この辺は死刑や無期懲役が当たり前の中国を見習った方がよさそうだ。


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