オータムリーフの部屋

残された人生で一番若い今日を生きる。

白人至上主義に立ち向かうアメリカ

2017-08-18 | 国際
アメリカ南部のバージニア州で、白人至上主義を掲げるグループが集会を開こうとしていたところ、これに抗議するグループとの間で激しい衝突が起き、集まった人たちの中に車が突っ込んで、1人が死亡、30人余りがけがをした。この事態を受けて、トランプ大統領は、、「いますぐに憎しみ合うことをやめ、ともに集うべきだ。わがの国の傷を癒やさなければならない」と演説し、アメリカ社会の結束を呼びかけたつもりだったが、自らの支持母体である白人至上主義者を擁護する発言と受け取られ、さらに分断を加速することになった。 すぐさまバ-ジニア州の知事が名指しで白人至上主義を批判したため、トランプの煮え切らない姿は人々の反感をかった。
 
各方面からトランプ批判、人種差別を批判する声が上がっている。こういうアメリカの底流に流れる健全さは日本には見られないものである。
 
亡くなった市内在住の法律事務職ヘザー・ハイヤーさんの追悼式が 16日行われ、母であるスーザン・ブロさんの力強い言葉は全世界に共感の輪を拡げた。
「ヘザ-は人を気遣う思いやりのある子でしたが、皆さんの多くもそうですよ。皆さんもああやって求められている以上に頑張ります。ヘザ-に起きたことが大勢の胸に響くのはあの子にできることは自分にもできると知っているからです。みんな死ぬ必要はありません。自分の命を犠牲にする必要はありません。連中は私の娘を黙らせるために殺しました。そうしたらどうなったかって?あの子の声をもっと大きくしただけ。心にとめて覚えていてください。激怒していないとしたらぼんやりしているからです。注目して間違っていることを見つけて欲しい。無視しないで、目を背けないでください。しっかりと見て自分に言い聞かせてください。有意義なことをするには自分はどうすればいいか。みなさんがそうすれば、あの子の死は意味あるものになる。自分の子がいてくれた方がいいけれど、あの子を諦めなくちゃいけないなら、あの子の死を無駄にはしませんよ。」
 
デモのなかにネオナチが混ざっていたことで、反対派がデモ参加者の個人特定運動をSNSで展開している。集団に車で突っ込み、女性を死亡させたドライバーがネオナチであったことから怒りが増大した。
 
ジョン・レジェンド「ホワイトハウスにナチシンパや白人国粋主義者がいる。彼らも有罪だ。僕たち納税者の金を使わせてはいけない」
ファレル・ウィリアムス「これに怒らないのなら、無関心と同じ」
アーノルド・シュワルツェネッガー「シャーロッツビルで行進したナチと白人至上主義者の写真に震えあがったよ。」
 
市民たちが始めたのは、インターネットを利用したデモ参加者の個人特定。共和党一家に生まれたジェニファー・ローレンスは、ネオナチの写真をアップ、強く非難しこの運動をサポートしている。
「これがヘイトの顔。よく見て知ってる人がいたら投稿して。あんたたち、インターネットがある時代に逃げ隠れできると思ったら大間違いよ、この卑怯者!」
 
現在、次々にデモ参加者の個人特定がなされ、すでに企業を解雇された参加者もいるという。
 
たちの悪い今回のデモに少しでも関係したとあっては企業にとっても大打撃。 ネオナチの集団が民泊サイトAirbnbを利用してデモの打ち合わせをしていたことから、同社は参加者を特定しアカウントを削除した。
グーグルもすぐに反応し犠牲者を罵ったネオナチサイト「Daily Stormer」へのドメイン契約を解除している。
 
米大手企業の経営トップなどもトランプ米大統領の助言機関の委員を相次いで辞任した。
米国の製造業者や鉄鋼業者などが参加する米製造業連盟のスコット・ポール会長、米国労働総同盟産別会議のリチャード・トラムカ会長。トラムカ氏は「偏見や国内テロを容認する大統領の会議には出られない」とする声明を発表。ポール氏もツイッターに、「辞めることが正しい判断だ」と書き込んだ。15日までに5人が辞任。16日も食品大手キャンベルスープのモリソン最高経営責任者(CEO)や化学・事務用品スリーエムのチューリンCEOらが辞意を表明した。 一方、ウォール・ストリート・ジャーナル紙(電子版)によると戦略・政策フォーラムの委員ら十数人は同日午前、電話協議を開催。大統領と「価値観を共有しない」としてフォーラムの解散を決め、代表者がトランプ氏に電話で伝えた。(辞めた委員の)代わりはいくらでもいる」と強気の姿勢を見せていたトランプ氏だが、大量離反が出る可能性があるとみて、先手を打って自ら解散に踏み切った。
解散に追い込まれた二つの諮問機関は、米製造業協議会と戦略・政策フォーラム。製造業を中心とした国内産業の再興を最重要政策とするトランプ政権下で設立され、主要企業経営者らがメンバーに名を連ねていた。トランプ氏は同日、ツイッターに「経営者に圧力をかける代わりに、両機関を終わりにする」と投稿した。
 
 
 共和党からも批判が相次ぐ。同党上院トップのマコネル院内総務も16日、「よきネオナチなどはいない」との声明を発表。ネオナチ側の参加者にも「非常に良い人々もいた」と述べたトランプ氏発言を念頭に批判したものだ。 大統領を務めたブッシュ父子も連名で声明を発表し「米国は常に人種偏見、反ユダヤ主義、そしてあらゆる形態の憎悪を拒み続けなければならない」と呼びかけた。
 
オバマ氏は13日に、自身が黒人や白人の子供たちにほほえみかける写真とともに、人種差別と闘った南アフリカのマンデラ元大統領の言葉を引用して「誰も生まれながらに、肌の色や生い立ち、宗教によって他人を憎まない」と投稿した。また次の投稿で、「人は憎むことを学ばなければならない。憎しみを学べるのなら、愛を教えられる」とマンデラ氏の言葉を続けた。
 3日後の16日時点で、最初の投稿に約370万、次の投稿に約130万の「いいね」が付いた。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿