goo blog サービス終了のお知らせ 

オータムリーフの部屋

残された人生で一番若い今日を生きる。

カロリーゼロ飲料は、肥満とウツを誘発する

2013-10-29 | 健康

人工甘味料は、当初、『糖分摂取制限の必要な人のみ使用』とされていた。ところが、人工甘味料は急速に普及し、多数の食品に使用されている。
いくつかの疫学研究で、ダイエットソーダに含まれている人工甘味料が、カロリーがないのに逆に肥満や糖尿病の原因になることがわかってきた。
テキサス大学は、2009年に、大規模疫学調査により、ダイエットソーダを毎日飲んでいる人は飲んでいない人に比べて、メタボリック症候群や2型糖尿病を発症する可能性が高いことを報告した。
・人工甘味料はカロリーがないから、たくさん食べてもいいと思う
・人工甘味料は天然甘味料より数百倍も甘みをもっているため、人工甘味料を摂取し続けると、さらに甘い食べ物を食べたくなる
・正常な状態では、食後、カロリーは熱すなわちエネルギーに変換されるが、人工甘味料は熱に変換されず、自然に体がエネルギーを要求し、食欲を増進させる。
・糖分摂取後、3~5分で糖分は胃壁から血液中に移動し、膵臓からのインスリン分泌により血糖は正常に維持される。人工甘味料摂取後は、実際血液中の糖の上昇はないので、インスリンの作用で、一時的に血糖が低下する。低血糖は生命に危険なので、体はすぐに空腹という信号を送る。
・膵臓は、人工甘味料を摂取し続けると、徐々に嘘になれて、本物の砂糖を摂取しても、インスリンの分泌をしなくなる。
・甘みは、短期間、気分を向上させることが知られている。インスリンの作用で、糖分は脳のセロトニンの分泌を増加させる。セロトニンは幸せの神経伝達物質。もし、インスリンの分泌が低下すると、幸せ感も低下する。これがひどくなると、うつ症状となる。この状況を克服する手段は、砂糖をとって、インスリンを再分泌させるしかない。たくさん人工甘味料を摂取している人で、抑うつ状態をよく見かけるのは、インスリン分泌の低下のためかもしれない。(JBプレス大西)


 いまや日本でもコンビニエンスストアやスーパーにカロリーゼロ食品や低脂肪食品、飲料が並んでいる。カロリーゼロが肥満だけでなく糖尿病やうつ病の原因にもなりかねないとしたら、これはゆゆしき問題だ。さらに大西さんは、日本人ならではの問題もあると言う。
 日本人は欧米人に比べてインシュリンの分泌量がかなり低いという。このため、太っていなくても糖尿病になりやすい。カロリーゼロに安心してそうした食品を多く取ると、知らぬ間に糖尿病の危険が迫ってくるというのだ。
 大西さんは、こうした最先端の研究をもとにした『カロリーゼロにだまされるな』(ダイヤモンド社、税抜き1600円)を出版した。
 本の約半分の分量を「市販の飲み物、食べ物の選び方」として、日本で売られている飲料や食べ物の選び方を示唆してくれる。
 「『たらみのゼロカロリー、ライチ&グレープフルーツ味は、せっかくヘルシーなこんにゃくを原料としていても、甘味料として『アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロース』を使用し、さらに酸味料や香料を添加しています」
 「カロリーゼロ、カロリーフリーをウリにした発泡酒や第3のビールの一部には、甘味料のアセスルファムカリウムなどのほか、カラメル色素が添加されているものがありますので、よく表示を見て選ぶようお薦めします」
 例えば、アサヒビールの「アサヒ ブルーラベル」、キリンビールの「濃い味」、サッポロビールの「極ZERO」にはアセスルファムカリウムが添加されている。
 アセスルファムカリウムに関しては缶コーヒーにも添加されている商品が多い。日本コカ・コーラでは「ジョージア エメラルドマウンテンブレンド キレの微糖」、「ジョージア ヨーロピアン コクの微糖」。
 キリンビバレッジの「FIRE 挽きたて 微糖」、サントリー食品インターナショナルの「ボス 贅沢微糖 芳醇のコク」、アサヒ飲料の「ワンダ 金の微糖」、花王の「ヘルシアコーヒー 微糖ミルク」などがある。
 このように具体的な商品名を挙げて問題を指摘している。

 昔、サッカリンがいろいろなものに添加されていて、ずいぶん摂食した。それが発がん物質だと言うことで一時使用禁止になって、代わりのもっと毒性がありそうな人工甘味料が使われているようだ。
 発ガントクホのキリンメッツコーラはカリフォルニア州で販売するなら「発ガン物質入り」という警告表示が必要だという。 コーラの着色料として使われるカラメル色素の副産物として発生する「4-MI」という物質で、規制が厳しい米カリフォルニア州の1日あたり許容限度の4~5倍にもなる量が1本に含まれているという。
 調理油のエコナでは発がん性物質が普通の油の100倍混入しているとして、販売中止になった、いわゆるエコナ騒動が記憶に新しい。
 飲料のヘルシアシリーズでは、カナダで肝臓移植まで必要とした高濃度茶カテキンの被害が報告され、フランス・スペインでは発売中止にさえなっている。一般食品は食べ過ぎても、病気になることは無い。一方、特定成分を濃縮した健康食品は、一歩間違うと病気になってしまう。カテキンは、もともと普通のお茶にも含まれている成分だ。ヘルシアの場合、通常の緑茶飲料の5倍にまで増やしている。体脂肪を減らせるという効能のため、まじめな消費者は普通の生活では摂取できない量を摂ってしまうことになる。発ガン促進の疑惑もあるのだが、審議会では安全性を主張する文献が提出されていたため、議論もされなかったようだ。

 まあ、人口添加物を気にしていたら、殆どの加工食品は食べられなくなる。基本的には毒であり、添加量を規制して、この程度までなら安全だから許可すると言うに過ぎない。体に良いからと毒を覚悟して飲んで、真逆の効能があると言うのでは救われない。笑止千万だ。
人工甘味料で言えば、アスパルテームの場合、許容量は40mg/kg/日、アセスルファムカリウムで15mg/kg/日、スクラロースも15mg/kg/日でアスパルテームより3倍ぐらい毒性が高いらしい。

 「特保」と認定されて売り上げを伸ばしている健康食品もきちんと情報を精査して選択すべきだ。消費者が自ら情報収集して危険と思われるものは避けるようにしなければならない時代である。

NHKスペシャルーうつ病

2013-10-21 | 健康

人類が苦しむ病気を、進化の観点から追求する「病の起源」。シリーズ第3集は、働き盛りを襲い自殺に追い込むなど、深刻な社会問題になっている「うつ病」。世界の患者数は3億5千万人に達し、日本でもこの10年あまりで2倍に急増している。なぜ、私たちはうつ病になるのか?その秘密は、意外にも5億2千万年前に誕生した魚の研究から明らかになってきた。魚でもある条件を作ると、天敵から身を守るために備わった脳の「扁桃体」が暴走し、うつ状態になることが分かってきたのだ。さらに2億2千万年前に誕生した哺乳類は、扁桃体を暴走させる新たな要因を生みだしていた。群れを作り外敵から身を守る社会性を発達させたことが、孤独には弱くなり、うつ病になりやすくなっていたのだ。そして700万年前に人類が誕生。脳を進化させたことで高度な知性が生まれ、文明社会への道を切り開いてきた。しかしこの繁栄は、皮肉にも人類がうつ病になる引き金を引いていた。文明社会によって社会が複雑化し、人間関係が一変したことが、扁桃体を暴走させ始めたのだ。
番組では、研究の最前線で明らかにされてきたうつ病の秘密に迫り、そして進化を手掛かりにして生まれた新たな治療法を紹介。人類の進化がもたらした光と影を浮き彫りにしていく。
 

うつ病を脳の病気であることがここまでわかってきたのか、と驚きをもって視聴した。
 古くは天敵からの防衛反応として生物を守ってきた扁桃体だが、魚の実験でわかったことは、長期間天敵にさらされると、ストレスホルモンが出続けるようになり、うつ病のように動けなくなる。
 社会生活を営む猿を群れから隔離すると、やはりうつ病になる。社会生活を営む動物にとって孤独はストレスになり、扁桃体が激しく活動してしまうのだ。
 人類が登場し、恐怖の記憶も身を守るために有効なのだが、その記憶が恐怖の追体験になり、扁桃体を刺激する。扁桃体と海馬が連動することで恐怖は強い記憶として蓄えられ、繰り返し扁桃体を刺激するのだ。そして言語が発達することにより、他者の体験も恐怖として記憶され、自分の体験と同じように扁桃体を刺激する。生き延びるための記憶が私たちを苦しめる皮肉な結果になっている。
 

 人類は進化するたびにうつ病のタネを抱え込んできたと言える。しかし、人類はうつ病を防ぐ仕組みも持っていたのだ。 
 アフリカで狩猟生活を営む種族にうつ病はないと言う。将来への希望・仲間との人間関係・生活の満足度を調査すると、文明社会にはない高い満足度があった。少ない収穫物を平等に分け、部族の活動に参加し、仲間として守り守られる安心感がある。平等なので自分だけが疎外されていると言う悩みはない。狩猟生活を中心とする厳しい生活には結束感が欠かせない。その結束を生むのは強い平等感だった。ところが農耕を始めた人類は富の偏在と言う不公平感が顕在化することになり、平等感を失っていく。
不平等と言う感覚が扁桃体を刺激する実験結果には正直驚いた。自分が損をするのはもちろんだが、得をしても扁桃体を刺激するのだ。平等だけが扁桃体を活動させないと言う。公平な行為で形成される平等感はうつ病の原因をおさえ、孤独にもならず、嫌な記憶を癒す。わけ隔てのないつながりがうつ病を防いでいたというのだ。


 うつ病と職業の関係の分析も示唆に富んでいた。医者や弁護士のような専門的職業、自分の判断で行動する職業人はうつ病の発症が少ない。立場の低い人、自分の裁量で行動できない人ほどうつ病を発症しやすいと言う。


 扁桃体の活動が原因でうつ病の発症が起こることが明らかになってきたことで治療にも変化が見えてきた。頭に電極を埋め込み脳の深部刺激を行う、つまり扁桃体を刺激し、働きを抑えこむことで症状の改善がみられると言う。劇的に回復した患者もいる。手術によらない生活改善による治療も効果を上げ始めている。平等な仲間との結びつき、地域活動に参加すること。運動が委縮した脳を再生することもわかっている。早起きして朝日を浴び、よく眠る規則正しい人間本来の暮らしを取り戻すことがうつ病の症状を改善している。
 長期間ストレスにさらされると、扁桃体が過剰に働き、ストレスホルモンが長期間分泌され、脳に及ぶ。神経細胞に必要な栄養が滞り、この状態が長く続くと、脳の委縮が始まる。進化の過程、そして文明社会の発展でうつ病になる要因はますます増え続ける。日本でも100万人いると言われるうつ病、社会全体で取り組まなければならない病であることが解明されてきた。


1万円で遺伝子解析

2013-10-01 | 健康

1人の人間の全遺伝情報を解読するためのコストは、米国立ヒトゲノム研究所によると2001年9月に9530万ドル(約95億3000万円)だった。これが2012年10月には6618ドル(約66万1800円)へと、実に1万4400分の1にまで下がった。
 「たった99ドル(約9900円)で、あなたの遺伝子を解析します」
 8月から全米でこんなテレビコマーシャル(CM)が始まった。提供するのは遺伝子解析を手がける米シリコンバレーのベンチャー23andMe。同社のCEOで、創業者でもあるアン・ウォジツキ氏は、米グーグルの創業者、セルゲイ・ブリン氏の妻としても知られている。23アンド・ミーは、すべての遺伝情報ではなく、病気や薬の反応などとの関係が深い一部の遺伝情報だけを解析する仕組みを採用。さらに利用者を増やすことで規模のメリットを追求し、一層のコストダウンを進めている。低価格を武器に、現在30万人強のユーザー数を、2013年中に100万人にまで拡大する計画だ。23アンド・ミーの遺伝子検査は自宅から手軽に利用できる。同社のホームページで申し込みをすると、箱に入った遺伝子検査キットが送られてくる。唾液を採取して容器に入れて送り返すと、到着から4~6週間で解析が完了し、自分専用のホームページで、結果を閲覧できる。安価でも遺伝子解析から得られる情報は驚くほど多岐にわたる。肺ガン、アルツハイマー病、パーキンソン病、糖尿病、統合失調症など「病気のリスク」や、C型肝炎治療薬、てんかん薬、経口避妊薬といった「薬などへの反応」ほか、得られる情報は200項目以上ある。利用者は様々な健康リスクを知ることで、生活習慣を改善することができる。今年5月、米女優のアンジェリーナ・ジョリー氏が、遺伝子検査で乳ガンにかかるリスクが極めて高いことが判明したため、乳房の予防的な切除を決断したことが大きく報じられた。
 もちろん遺伝子解析の結果はあくまで参考情報であり、医療機関での治療を前提にしたものではない。それでも健康管理の様々な場面で役立つ可能性があるため、「遺伝子解析を健康管理に不可欠な存在にすべきだ。(低価格化で)誰もが生活の一部として利用できるようにしたい」(23アンド・ミーのウォジツキCEO)。
 23アンド・ミーの遺伝子解析サービスで、とりわけ興味深いのが、祖先に関連する項目だ。自分の遺伝子にネアンデルタール人の遺伝子がどれくらい含まれているかという項目がある。
 ネアンデルタール人に限らず、先祖の人種などに関連する項目もある。英国やアイルランド、ドイツの出身者と共通する遺伝子が多いといった情報だ。20%が東アジア系、25%は欧州系、40%近くがアフリカ系といった比率も分かる。米国では歴史的に海外からの移民も多いため、先祖の人種に関心を持つ人は多い。
 さらに米国ではキリスト教思想などの影響もあり、人工中絶に反対する声が強く、意図せざる妊娠で生まれた子供を里子に出す養子縁組が多い。このため実の親を知らない人も少なからずいる。23アンド・ミーのユーザーになって情報を公開することで、生き別れになっていた実の兄弟や姉妹が見つかるケースもあるという。
 23アンド・ミーは、様々な個人に遺伝情報を提供してもらって、難病の治療に役立てるプロジェクトにも取り組んでいる。それが「23andWe(23アンド・ウィー)」。手足の震えやこわばりが生じ、転びやすくなるなどの症状で知られる「パーキンソン病」や、「骨髄増殖性腫瘍」などの研究コミュニティーに参加することができる。
 23アンド・ミーは「法律や配送の問題があるため、現時点では日本向けにサービスを提供していない」(広報担当のケンドラ・ブログデン氏)。輸入代行をうたう業者もあるが、非公認である。米国では遺伝子分析の“自動販売機”を提供するベンチャーまで登場した。米国のスタンフォード大学とカリフォルニア大学バークレー校出身の研究者らが始めたビーナ・テクノロジーズ。遺伝情報を短時間で分析できる装置を開発している。
 23アンド・ミーのような簡易分析の場合、唾液を装置にセットしてから、実に30分程度で結果が分かるという。完全な遺伝情報の分析も、4時間以内に可能だ。大学のキャンパスなどへの装置の設置も進めており、研究者はまさに自動販売機を利用するように、遺伝子分析サービスを必要な時に、安価に利用できる。 
 「膨大なデータを低コストで分析できるようになり、遺伝子分析サービスで巨大なビジネスチャンスが生まれている」
 遺伝子解析サービスの大衆化は、個人の健康管理に役立つと期待されているのと同時に、議論を呼びそうな側面もある。子供などの遺伝子を分析すれば病気のリスクに対処しやすくなる半面、周囲に知られれば「差別につながらないか」と不安を覚える人もいるかもしれない。結婚前に遺伝子解析の結果を求められるようなケースが生じてくるのではないかとの意見も出た。(日経ビジネス)


 シリコンバレー在住の企業家が実際に遺伝子解析を行ってみた。(読売新聞)
 解析結果情報はかなり膨大。これまでに発表された様々な研究で「Aという遺伝子の人は、Bになりやすい」という傾向がわかっているものについて、私の遺伝子がどのタイプかを綿々と列記してある。解説情報まで含めるとたいへん長大で、分厚い専門書1冊分は優にあるはず。 さまざまな病気のなりやすさ、薬の効き具合、特徴(アルコールを飲んで赤くなるか、など)、先祖の発祥地などに加え、50を超す遺伝病の素因があるかどうかもわかる。
 ただし、現在の科学では「A→B」の因果関係についてまだ決定的にわかっていないものも多く、そうしたものも「信頼度低」という但(ただ)し書きで結果が表記されている。「信頼度低~中」という結果が多数。「平均的に0.3%の確率でかかる病気に0.9%の確率でかかる」といったものが多く、「だからどうした」という感じ。 しかも、ほとんどの結果が「ヨーロッパ系の人種に限る。アジア人の傾向は不明」となっている。
 とはいえ、中にはかなり重大な情報もちらほら。たとえば、 アルツハイマーの最強遺伝リスクとして知られるApoEと呼ばれる遺伝子の配列も見ることができます。(こうした「因子があったらそれなりに衝撃、しかも予防法も治療法も無い」というような一部の遺伝情報に関しては、その重要性情報を読んだ上で「本当に知りたい」というボタンをクリックしないと開かないようになっている)。遺伝病を含め、このあたりは実際に因子があったら悩ましいところ。独身だったら、将来結婚する時に相手に伝えるべきか。 自分の子供の結果だったら、果たしてそれを本人に伝えるべきか。

 私の結果の一部・・・・
o 99.9%アジア人(残りの0.1%は不明)
o アルコールを飲んでも赤くならない
o 耳垢(あか)は乾いている
o 目は茶色
o 髪の毛はちょっとカーリー
o カフェインの代謝が遅い

 ……「知ってます」という結果ばかり。変わったところでは、

o アスパラガスの代謝後物質の臭いがかげる

 という結果もある。なぜかアメリカ人は「アスパラガスを食べた後は尿が独特な臭いになる」ということにこだわりがあり、「臭う」「臭わない」で論争がある。遺伝的にその臭いに敏感な人とそうでない人がいるという。「だからどうした」ですが。

 もうちょっとシビアなところでは、こんな結果もあった。
o アルツハイマーになる確率が平均値の1.98倍
o 1型糖尿病になる確率が平均値の3.71倍
o しかし2型糖尿病になる確率は平均値の62%
o 加齢黄斑変性(老人の失明の原因になる病気)になる確率が平均値の14%
o ヘロイン中毒になりやすい

 総合しますと、現在のところ、23andMeで検査をする意味があるのは、
o かなり遺伝に興味がある
o 特定の遺伝病の因子の有無を知りたい
o ヨーロッパ系人種
 
 しかし、23andMeの狙いは「検査」ではなく「発見」にあるようだ。彼ら自身がユーザーを使ったリサーチを進めており、「23andMeのリサーチに検査結果を使ってよい」という承認を与えると、様々なアンケート調査に回答するよう促される。病気の履歴、 飲酒、喫煙、泣き上戸、兄弟姉妹…と、それはもう無限に質問がある。23andMeのユーザーが大量になれば、このアンケートと遺伝子の相関を調べることで新しい「遺伝的関連性」がわかるというもの。さらに、この発見をベースとした遺伝子治療が見いだされれば、この情報の価値は非常に大きなものになる。

 見つかった?「5番目のいとこ」
 とりあえず現段階での23andMeユーザである私の直面する問題は、「私とあなたは5番目のいとこ)らしい」と23andMe内で連絡をくれたシンガポールの人に返答するか否か。ちなみに、first cousinは普通のいとこ、second cousinは、はとこ(いとこの子供同士)。fifth cousinはコンタクトを取って何か新しい発見のある相手なのかどうなのか。悩ましいところです。
 
 
日本の遺伝子解析ビジネスは?
ヤフーは2012年12月、利用者から直接、遺伝子の解析を受け付ける仲介サービスを始めた。自社のホームページ「Yahoo!ヘルスケア」に、遺伝子解析サービス大手、ジェネシスヘルスケア(東京・渋谷)が開発した検査キットを販売するサイトを設け、毎月300件まで受け付ける。
 検査の対象は、信頼度の高い68の遺伝子を選び出し、アレルギー、動脈硬化や脳梗塞、糖尿病など生活習慣病にかかる危険性など37項目を調べる。
 利用者は、届いた検査キットに唾液を入れてジェネシスヘルスケアに返送するだけ。約2カ月後に解析が終了したメールが届き、ジェネシスヘルスケアのホームページに設けられた個人専用サイトで内容を閲覧できる。価格は2万9800円。
 大阪大学発のベンチャー企業、サインポスト(大阪市)は全国の100を超える医療機関を通じて生活習慣病にかかわる遺伝子の解析を手掛ける。62の遺伝子を選び出し、各遺伝子のタイプ別に最適な運動と栄養摂取を提案するプログラムを08年から始めた。利用者は検査同意書に署名後、採血。2~3週間後に解析結果が医療機関に届く。料金はサービス内容と機関により3万~5万円と幅がある。
 これに対し遺伝関連学会などは、科学的な根拠が確定していないにもかかわらず「発症を確実に予想でき有用であるかのように誤解を与えている」と、サービスの拡大に神経をとがらせている。
 このためヤフーは、第三者を含む倫理委員会を設置してヘルスケア事業の中身を監査する体制を敷いている。サインポストも同様に倫理委員会を設けた。
 経済産業省が12年度にまとめた「遺伝子検査ビジネスに関する調査」では、病気のかかりやすさや体質を知りたいという要望は確実にあった。一方で、否定的な結果に対する精神的な負担やリスクを知って生活に負の影響を与えないか、などの不安があることも分かった。こうした懸念に対し、どのような制度で対応していくのか、まだ十分に議論されておらず「産業として育成していくうえでの課題」(生物化学産業課)という。
 
1万円で膨大な解析結果が得られるなら、ぜひやってみたい。深刻な結果が出たら・・・・・もう残りの時間が少ないなら、それほど悩むこともないが、若い人には、影響が大きいかもしれない。当たるも八卦当たらぬも八卦くらいな気持ちで受けると面白そうだ。ネアンデルタール人の遺伝子の割合?5番目のいとこ?アスパラガス摂取後の尿の匂いに対する感度?遊び心もふんだんにある・・・・・

40歳過ぎのランニングは「元気の浪費」

2013-09-15 | 健康

漫然と大病院に行き、漫然と薬を常用する「自立できないおいしい患者」は「ダメ医者」を太らせ、病気とも縁が切れないという。医療の受け手向けに情報発信に取り組む岡本裕医師に、健康長寿のために備えるべきリテラシーについて聞いた。 (聞き手は、秋山知子 日経ビジネス)

近著の『医者が教える 本当に病気を治す医者の選び方』(アスコム)では、「ダメな医者」の見極め方をかなり赤裸々に解説している。
 
 病気が治るというのは、医者が治すんじゃない。患者自身が、何が正しく何が必要かを見極めていく力をつけることが一番大事だ。 医者というのは本来、活用するための存在で、患者がある程度対等にならないと活用できない。コンピューターと一緒で、いくら素晴らしくても使い方が分からないと使えない。
 高血圧とか高脂血症、糖尿病など、いわゆる生活習慣病は本来は医者がいなくても自分で治せる。なのに、ずっと通院してくれて、薬だの検査だのを続けてくれるから医者にとって実においしい患者だ。薬というのは一時の症状を抑え込むだけで病気が治ってるわけではない。日本の場合、患者が自立していないのをいいことに、医者が儲け続ける…。
 
 基本的に、極端なところに真実はない。生物の体というのは曖昧にできているので、不自然な極端なことをして健康になれるはずがない。自然から離れすぎると体に悪いんじゃないかと考えるのがリテラシーでしょう。薬も同じで、一時しのぎに使うのはよいけど、常用すると寿命を縮める。薬そのものの副作用もよくないが、常用していると、体の自律的な能力をスポイルしてしまう。 誰も言わないけど、患者が自立できない原因の根本には、国民皆保険制度がある。誰もがイージーアクセスで使えて、いつでも医者にかかれる。これが根本的な間違い。
かといって、アメリカでは個人で入る健康保険が高いため歯医者にも気軽に行けないという。そんなのも困る。
だから僕は、自分で治せる病気、生活習慣病の範囲は自費にしたらいいと提案している。高血圧とか、メタボ、糖尿病、不眠。風邪もね。
 がんなど難病は保険が利くようにすべき。先天的に心臓に穴が開いているなど、不可抗力的な病気は全額補助でもいい。
 高血圧になったら薬飲めばいい、どうせ安いしとか思ってしまう。もし、高血圧になったら薬代に毎月5万円かかりますと言われたら、ならないようにしようと思う。スポーツジムに通ったり、食生活を工夫しようと考える。 メタボになると毎月10万円かかるとなったら、太らないようにしようと思う。どこかの国に「肥満税」がありますよね。
 予防にお金をかける方が、病気になってしまってから治すのに比べて数分の1から10分の1の金額で済むと言われている。だから予防医療に力を入れようという傾向が海外でも増えている。そうすれば医療費増大による財政危機も回避できる。ただ、医療費はどう考えても減るはずはない。 高齢者が年々増えるからということもあるが、医療が発達するということは医療手段が増えるということだ。そこに保険の点数をつけなくてはいけない。既存の医療手段もなくならないから、増える一方だ。もっと言うと、今の医療の問題点は無駄が多い。CTとかMRIの検査をすぐする。なぜかというと、もちろん患者のためではあるけど、基本的に機械の稼働率を上げないといけないから。機械を一定年数で償却するために1日あたり5人とか、10人とかのノルマが決まる。だからCTだのMRIだのをやたら撮りたい。患者の方も、保険がきくからちょっと撮っておこうかということになる。もし自費で何万円もかかりますと言われたら…。

 日本の医療の大きな問題点の1つだが、今の医者は専門医ばかりだ。守備範囲が狭くて、患者を浅く広く診ることができない。 風邪とか生活習慣病とかメタボは、大きな病院に行かなくても本当は開業医レベルで対処できる。現在、欧州などで医療費削減のために進めているのが、大きな病院と、その周囲の多数の小さい診療所や医院が連携して、8割から9割の病気は医院が対処するというシステム。大きな病院は難しい病気の治療や特殊な検査を行う。一方、診療所や医院では開業医が広く浅く、いろいろな病気を診る。例えば内科からちょっとした外科、整形外科、小児科、産科、眼科、耳鼻科まで広く浅く診られる総合医と、狭いけど深い専門知識とスキルを持つ専門医のすみ分けをしようという。
 でも日本の場合は、「専門医くずれ」が開業医をしているケースが多い。内科でも消化器しか診ませんとか、心臓しか診ませんとか。だから患者さんはどこへ行っていいか分からない。しょうがないから皆、大きい病院へ行こうかとなって、大病院が混みあって3時間待ちの3分診療になってしまう。今の日本の医学部が、専門医を作る教育しかしていない。日本の医者は、専門性が高いほどピラミッドの上の方にいると見なされる。何でも広くいろいろ診られる医者というのはちょっとランク下に見られるところがある。 患者からしたら、取りあえず何でも診るから相談に来なさいと言ってくれる総合医が近くにいるのが一番いいはずなのだが。

精神面まで含めて、人間の病を丸ごと診られる医者が今はいない。じゃあ当面、一般国民はどうしたらいいかというと、やはり賢くなるしかない。医者の限界、守備範囲を知るということと、自分が病気にならないための努力を継続的にしていくことだ。
 
 健康のためにランニングをしているビジネスパーソンが今とても多い。 基本的にリテラシーの問題だと思うが、自然界で自ら好き好んで走る動物は人間以外いない。それは、走るということが有害だからだ。 もちろん敵から逃げるとか、獲物を追う時は走るが、あくまで短時間だ。2時間も走っている動物はいない。 ある程度の負荷をかけるのはいい。骨粗しょう症の予防にもなる。息が切れない程度のジョギングはいいけれど、人間っていうのはエスカレートする。タイムトライアルに夢中になって、4時間を切ったとか3時間を切ったとか熱中してやり過ぎる。若い人は精神力をつけるために多少はいいかもしれないけど、40歳過ぎてやるものじゃない。体が下り坂に向かっている時に自ら痛めつけるというのは愚の骨頂です。走るよりは、自分のペースでの山登りなどを勧めている。そう。リラックスもできるだろうし、景色を見ながらハイキング程度がいい。
 走る人は寿命が短いというデータも実際ある。走ったら元気になるんじゃなくて、元気な人が走ってるだけ。元気を浪費してるだけ。
 何でも極端なことはよくない。例えば、がんの食事療法でも、極端で厳格な菜食主義よりも、もう少し自然な食事にしたほうが治癒率は高い。
 要は、運動も食事も生き方も、極端なことをすると短命になるということだ。

 
 2013年、厚生労働省の発表によると、日本人の平均寿命は、男性79.59歳、女性86.35歳。前回の調査では日本人の平均寿命は、男性78.79歳、女性85.75歳だから平均寿命が延びたことになる。都道府県別では、日本一長生きの県は男女ともに長野県で、男性80.88歳、女性87.18歳。男性の順位は、2位が滋賀県の80.58歳、3位が福井県の80.47歳。女性の順位は2位が島根県の87.07歳、3位が沖縄県の87.02歳。また、平均寿命の短い県は男女ともに青森県で、男性が77.28歳、女性が85.34歳。 2010年、日本の総医療費の対GDP比は9.5%。OECD加盟諸国の中では16位で、安い医療費にもかかわらず世界有数の長寿国になっている。

 健康上の問題がなく日常生活に制限がない期間を示す「健康寿命」と「平均寿命」の差は、男性で約9年。女性で約13年といわれている。当然、この期間に、介護保険を利用する人が多くなるわけだが、今、介護保険の利用者は右肩上がり。これ以上、介護費用や医療費が上がり、保険料が上がっていくと、一般庶民の負担は一層重くなっていく。
 
 厚生労働省は、2010年の統計で日本人の健康寿命は男性で70.42歳、女性で73.62歳であると2012年6月に発表した。健康寿命において、全国1位は男性は愛知県で71.74歳、女性は静岡県で75.32歳。最も短いところは、男性で青森県68.95年、女性で滋賀県 72.37 年であり、1位と最下位の年齢差は、男性 2.79 年、女性 2.95 年であった。

長野県は、昭和55年に脳卒中死亡率が全国ワースト3位だった。翌年の56年から「県民減塩運動」を実施することにより、食塩摂取量を15.9g(全国平均13g)から11gまで減らしたという。そして、昭和40年には男子9位、女子26位だった平均寿命が、男子は平成2年から、女子は平成22年から1位となった。成功した理由は、県全体で取り組んだ30年にも及ぶ減塩運動の成果だった。もちろん減塩は長寿の要因の一つにすぎない。長野県は野菜の摂取量も日本一で、減塩とともに野菜を食べる量を増やす運動も行っている。さらに、食生活や栄養などの各種調査、栄養教室や健康教室、病態教室の栄養改善活動、歩行を中心とした運動の普及推進なども数十年前から実施しており、これらのさまざまな努力が実って長寿日本一の県となれたのだ。特に歩行については、「ややキツい」と感じるぐらいの「早歩き」と、普通の速さのウォーキングを3分ごとに繰り返すインターバル歩行が効果的だと言う。
 
 トレーニングには筋力トレーニング(無酸素運動)や持久力トレーニング(有酸素運動)などのトレーニングがあるが、老化による体力低下を予防することが目的の場合には、インターバル速歩で、下半身の筋肉量低下を抑えることが出来れば、両方の効果を得られることがわかったそうだ。また、こうした高負荷の運動を定期的に続けることで細胞の遺伝子レベルでも変化が生じ、人間の体内で炎症を抑える遺伝子が活発になる「遺伝子のメチル化」も確認されていると言う。インターバル速歩を続ける中高年者の、遺伝子のメチル化の程度を調べると、数値上は10歳程度の若返り効果が見られたというから驚きだ。
 
要するに医者任せで健康長寿は実現できない。日頃の努力が個人差を生むと言うことだ。周りを見ると納得である。健康を謳歌している高齢者は例外なく、高負荷のかかる運動を無理のない程度に日常生活の中に取り入れている。

ラーメンはサンドイッチ? 

2013-07-26 | 健康

ラーメンが世界中で人気だ。この日本人の国民食は、いかにして世界に広がったのか。英ケンブリッジ大学の歴史学者でラーメン研究家のバラック・クシュナー准教授は、「ラーメンはサンドイッチなどと同じ“プラットフォーム・フード”だからだ」と指摘する。
私が日本と初めて出会ったのは、20代中頃、日本経済が絶好調で、日本が世界一とされた時代です。ほとんどの欧米人にとって、日本食は奇妙な食べ物でした。私は米国の東海岸で敬虔なユダヤ教徒の家庭で育ちましたから、それまで魚をほとんど食べたことがありませんでした。魚は嫌いで、気持ち悪かった。生臭いし、イカやタコには奇妙な足がたくさんあるし、グロテスクに見えました。しかし、ある晩、仕事仲間と夜中まで飲み、家に帰る途中、彼らが「ラーメンを食べに行こう」と言ったのです。全員酔っ払っていましたが、朝3時にラーメンを食べたのです。それは、私が食べ慣れている味、つまり欧米料理の「肉煮込みスープ」に、ちょっと似ていたのです。
 日本食には、「ラーメン」と「伝統的な和食」という極端に違う2つの料理が同時に存在しています。「いったい、どういうことか」と興味を持ったのが、そもそもラーメンを研究し始めたきっかけでした。
日本でラーメンが広がった理由は、2つあると考えています。1つは、1958年にインスタントラーメンが発明されて以来、ラーメンは日本の大衆文化の要素として組み込まれてきたことです。テレビではインスタントラーメンのCMが流れ、通りでは各地方発祥のラーメン店が人気を競い、ラーメンをテーマにしたマンガやテレビ番組、音楽まで登場しています。そして、もう1つは、ラーメンは、戦後の日本が大衆化していく中で生まれた新しい食文化だという点です。若者にとって、伝統的な寿司店の敷居は高いものです。例えば、メニューには古風な漢字が使われていますし、そもそもメニューすらないこともある。ある程度の知識が事前に必要です。一方、ラーメンは労働者階級など庶民の食べ物として発展しました。戦後、インスタントラーメンが発明されると、ラーメンは飢えへの対抗手段にもなりました。つまり、ラーメンは非・伝統的な“万人のための食べ物”だったわけです。ラーメンを食べるためには特別な知識は必要なく、ただ、音を立てて麺をすすり、楽しめばいい。ラーメンは、都市部で急拡大した労働者階級にとって、安くカロリーを補給できる重要な栄養源でもありました。こうした特長は、当初、ラーメンの人気に火が付くきっかけになっただけではなく、将来にわたって人気が継続する原動力にもなりました。
「日本食はヘルシー」というイメージは、1970年代以降のものです。1870~80年代の日本人の多くは飢えていました。戦後初期まで、日本が抱えていた最大の問題の1つは、栄養失調でした。日本人の食生活が豊かで、ヘルシーでバランスが取れているというイメージは、最近になって広がったものといえます。
ラーメンのグローバル化には、インスタントラーメンとラーメン店の2つの側面があります。ラーメン店は日本で1920年頃から登場し始めましたが、そのラーメンを1960年代に世界に最初に広めたのは、インスタントラーメンです。インスタントラーメンは当初、日本ではセロファンの袋から麺を取り出し、どんぶりに入れて熱湯を注ぐというスタイルでした。それを、インスタントラーメンの発明者である安藤百福氏(日清食品の創業者)が、さらに進化させました。安藤氏が米国を訪れた際に、米国にはラーメンに適した底が深いボールがないことに気がつき、カップ入りのインスタントラーメンを開発したのです。これによって、ラーメンは世界に広がり始めました。
 一方、ラーメン店のグローバル化は、1990年代のパリから始まりました。ご存知の通り、パリに住むフランス人は日本文化が大好きです。そのためパリは、世界のどこよりも早く、いくつものラーメン店が1990年代から登場していました。その後、ラーメン店は、米国のニューヨークやロサンゼルスにも出現します。しかし客の多くは、日本人でした。なぜなら、当時の日本食のイメージは、寿司と刺身にかなり限定されていましたから。
 そして過去3~4年の間に、ロンドンにもラーメンブームが到来しました。英国でも、日本食チェーンのワガママが20年ほど前からラーメンを提供しており、非常に人気です。本物のラーメンとは異なる味ですが、ワガママの成功が現在のラーメン人気の下地を作ったとも言えます。また、ここに来てラーメン人気が高まっている背景には、中国人留学生の増加もあると思います。中国にはそもそもスープ麺の文化があるほか、日本食も大好きだからです。ワガママをはじめ、英国で人気の日本食チェーンは非日本人による経営です。東洋と西欧が交わる新たな“フュージョン料理”の誕生とも言えるでしょう。例えば、1980年代には料理にわさびを使うシェフはほとんどいませんでしたが、今では様々な料理に利用されるようになりました。とてもエキサイティングな進化だと思います。
 ラーメンは、グローバル化に適した料理だといえます。なぜなら、ラーメンは、歴史家が言うところの「プラットフォーム・フード」だからです。プラットフォーム・フードとは、例えば、ベーグルやサンドイッチのようなものを指します。食べる人の好みに応じて、どんな食材でも、乗せたり挟んだりできる料理のことです。ラーメンも同じで、スープの味やトッピングなどを工夫することで、日本人だけではなく、海外の異なる味覚を持つ人たちにも柔軟に適応することができます。
 だからこそ、インドネシアや韓国、米国など、世界中に広がっているわけです。今後もこの流れは続くでしょうし、各地のニーズに合わせて、新たなラーメンが続々と開発されていくと思っています。
 
お酒を飲んで酔っぱらうと、なぜかきまって「シメのラーメン」。どうしてお酒の後は無性にラーメンが食べたくなるのか?これにはちゃーんと理由がある。

体内に入ったアルコールは肝臓に運ばれ、アルコール脱水素酵素(ADH)によってアセトアルデヒドに分解される。さらにアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)によって酢酸に変わり、最終的に炭酸ガスと水に分解されて体外に排出される。この一連の作業を行う肝臓のエネルギー源はブドウ糖で、アルコールが入ることで血液中の血糖値が減少する。下がった血糖値を補おうと体が炭水化物を欲する。その上アルコールのせいで軽い脱水症状を起こしている身体は水分も求めている。
さらに肝臓でアルコールを分解してくれるADHとALDHの働きを助けるものにイノシン酸がある。イノシン酸は肉類に含まれる旨味成分で、トンコツや鶏ガラでダシを取るラーメンにはイノシン酸が豊富に含まれている。
そして、ダメ押しの理由としてビールはカリウムがたくさん含まれていて逆にナトリウムが少ないので、体は体内のカリウムとナトリウムのバランスを保とうとするため、ナトリウム、つまり塩分を欲する。
「イギリスではお酒を飲んだあと、カレーを食べる?」と言う。理由は、カレーに含まれるスパイスがアルコールを飲んだ体にいいそうだ。ターメリック=うこん⇒うこんの成分「クルクミン」が、お酒で痛めつけられた肝臓の機能を回復させる働きがあるということだ。日本人には無理だなあ・・・・

ダイエット飲料は逆効果?

2013-07-18 | 健康
人工甘味料を使ったダイエット飲料を日常的に消費すれば、普通の清涼飲料水以上に肥満や生活習慣病のリスクが高まる恐れがあるという調査結果が10日の医学誌に発表された。米パデュー大学の研究チームは、ダイエットソーダの消費と健康状態との関係について調べた過去5年間の論文などを検証した。

その結果、ダイエットソーダに使われている人工甘味料には、体内や脳内の仕組みを混乱させる作用があることが分かった。ダイエットソーダばかり飲んでいる人が本物の糖分を摂取すると、血糖値や血圧を調整するホルモンが分泌されなくなるという。

人工甘味料はさらに、空腹感を感じさせ、甘いものが食べたくなる衝動も起こさせるといい、普通のソーダよりもダイエットソーダを飲んだ方が太りやすい傾向があることも判明した。たとえ太らなかったとしても、糖尿病や心疾患、脳卒中を発症する危険は大幅に高まると研究チームは指摘。パデュー大学のスーザン・スウィザーズ教授は「ダイエットソーダは普通のソーダよりも健康にいいという考え方は誤っている」「完全にやめろとは言わないが、日常的に飲むべきものではない」と語った。

これに対して飲料メーカーの業界団体は、「各国の学術機関や規制当局による長年の調査によれば、低カロリーの甘味料は安全で、減量や体重管理などの効果もある」と反論している。
 
 
 コンビニエンスストアで、ミネラルウォーターやお茶などの定番飲料を常温で販売する動きが出てきたそうだ。大手飲料メーカーのアンケートによると、「常温飲料を飲みたい」という消費者は4割もいたのだとか。常温飲料が好まれる理由は、一番には「身体を冷やさない」という健康上の理由から。実際、実験的に常温販売を始めた店舗では、特に東京で飲料の販売本数が4割も増えたというから、健康への意識が高まっている証とも言えそう。
歳をとると冷たい飲み物はお腹に刺激的だし、薬を飲むときも冷えてる水って言うのは飲みにくい・・・・
冷たいクーラーにさらされて体が冷え冷えの夏こそ常温飲料が恋しくなる。

恐ろしく老けちゃう食品5つ

2013-07-05 | 健康

食べると老化を早めてしまう食べ物AGE(終末糖化産物)とは?
AGEとはAdvanced Glycation End Productsの略で、終末糖化産物と訳される。糖とタンパク質が結合、変異をしてAGEへと姿を変える。このAGEが体内で溜まるほど老化が早まってしまう。
10代と30代の肌断面を比べてみたとき、30代の肌にこのAGEが多く存在していることが分かった。

フランスのマイヤール博士が発見したのが、“メイラード反応式”。すなわち、食べ物と老化の関係だ。
「タンパク質+糖」×「熱」=茶色く美味しいもの
これを人間に当てはめると、「タンパク質+糖」×「時間」=AGE(老化)となる。
AGEの含用量は食品ごとに差があり、揚げ物と煮込み料理では揚げ物の方がAGE値が高くなるなど、調理法でも大きく異なる。加熱してこんがり焼けたキツネ色部分には多くAGEが発生する。
(1)ワッフル・パンケーキ
海外の有名レストランが続々と日本へ上陸し、人気を集めているワッフルやパンケーキ。高温調理法に加え、バターなどの脂質を多く含んでいる。意外なのが、フレンチトースト。AGE値はワッフル・パンケーキの約3分の1。
(2)フライドポテト
ファーストフードのフライドポテトは、悪玉コレステロールを増加させ心臓疾患のリスクを高めるトランス酸脂肪酸が多い油で揚げているため、ただでさえ高いAGE値に加えて体に悪影響を及ぼす可能性がある。
(3)ポテトチップス
高カロリー・高AGE値のポテトチップスは、百害あって一利なし。
(4)とんかつ・から揚げ
フライドポテト同様に高温調理法のとんかつ・から揚げは、AGE値もぐ~んと高くなる。鶏肉を水炊きにした場合のAGE値は957ですが、から揚げにすると9,732と約10倍になってしまう。
(5)ベーコン
朝食やお弁当に多く登場するベーコンのAGE値は、91,577と断トツ。牛ステーキのAGE値は10,058なので、過激に高い数値なのだ。

カロリーだけでなくAGE値を意識してみることで、若々しい肌と体をキープできる。
う~ん、時すでに遅しか・・・・・

カット野菜で野菜不足は補えない

2013-06-12 | 健康
 
フードプロデューサー南清貴さんの著書『じつは体に悪い19の食習慣』

■市販のカット野菜は薬品漬けにされた不自然なもの
店頭で見かけるプラスチック容器などに入ったカット野菜。実はみずみずしく見えるのは、工場で薬品漬けにされた結果で、栄養素などほとんど残っていない。
 カット野菜は、野菜を切った後、次亜塩素酸ナトリウムという消毒液やプールの消毒に使う塩素水に何度も繰り返し漬けて殺菌します。においを嗅いだだけで、食べたら危ないとわかるはずですが、そのにおいを消すために、何度も水で洗浄します。野菜に含まれている栄養素は水溶性のものが多いですから、殺菌剤液に漬けたり洗浄したりする間に流れ出てしまい、ほとんど何も残っていません。あえて言えば食物繊維くらいでしょうか。
 
■食欲がなくても朝食はきちんと食べることは体にいい?
体の自然なリズムに従うと、朝は「排泄」の時間です。食欲がないのに無理して食べる必要はありません。朝食には、両手に乗るくらいの量の新鮮な果物を食べるようにしましょう。排泄がスムーズになり、快調なスタートを切ることができます。
■ダイエットのために油はとらないことは健康にいい?
油は健康の敵ではありません。油は脳や細胞膜を構成する重要な材料です。大事なのは、体に必要な油と不必要な油があるということを理解すること。
■牛乳を飲めば骨が丈夫になる?
牛乳は完全栄養食品というのは間違った認識。しかも、8割の日本人は乳糖を分解できる酵素を持っておらず、体質的に合わないため、おなかがゆるくなったりすることも。カルシウムは、小魚や緑黄食野菜、海藻類からとりましょう。
■焼肉はスタミナがつく?
肉の消化・吸収には、多くのエネルギーや酵素を必要とするため、スタミナをつけるどころか元気を奪われてしまいます。持続可能な活力という意味での本来のスタミナをつけたいときは、良質な植物性タンパク質を含んだ豆類や種実、酵素も補ってくれる緑黄食野菜を食べましょう。


糞便微生物移植―画期的治療法

2013-05-30 | 健康

“糞便微生物移植”というと、とんでもないものをわざと専門的に表現したのかと思ってしまうが、ご想像の通りだ。簡単に言わせてもらうと、ウンコの移植だ。それが手術や薬に頼ることなく、様々な病気に効果があると、医学界では静かな波紋を呼んでいる。
潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群、クロストリジウム・ディフィシル感染症、便秘、自己免疫障害、肥満、メタボリック症候群…などなど。それらの病状で併発した精神病などを含め、今までに他人の“健康な便”の移植だけで回復してしまったケースは数多く、その安全性はお墨付きだ。ただし、糞便移植は何度かやる必要がある人が大半で、一度の移植だけでは完全回復を果たせないほど重症な患者が多いらしい。大抵は家族や友人の便を貰うそうだが、健康な便であれば誰のものでもいいとの事だ。
 ある男性は潰瘍性大腸炎を患い、手術まであと3日を数えていた。そんな時に糞便移植の事を知り、手術をキャンセル。健康な便を持つ親友の一人にお願いして移植を行ったらしい。結果を言うと、手術しか手はないと思われていた潰瘍性大腸炎の彼は、糞便移植で完全回復を果たした。
 忘れないで欲しいのは、コレをやるにあたってドナーの便が安全・有効かどうかを検査する必要があり、HIVや寄生虫などの有無を調べなくてはならないとFDAが定めた事である。アメリカでもあまり例を見ない治療法なので、残念ながら日本での糞便微生物移植は今の所ほぼ不可能だと思われる。しかし、もしこれが主流となれば抗生剤や手術がいらなくなる疾患が沢山あるのは間違いなさそうだ。

 おしっこを飲む健康法があるが、これは他人のウンコですよ。気色ワル―イ。
眉唾物と疑って、「糞便移植」で検索してみると、出るわ出るわ。本当に効き目あるらしいです。薬より安全だろうから、健康ウンコの中にある微生物だけ抽出して移植できるようにしてもらいたいですね。
それにしても、誰がはじめに考えたのか?勇気ある変人ですねえ・・・・・
もう少し調べてみると・・・・・・
 食塩水に混ぜた大便を腸内に送り込む(fecal transplantation。 以下、"糞便移植")には、3つの方法が用いられる。 ①結腸内視鏡を用いて送り込む、②経鼻十二指腸チューブを用いて、鼻の穴から入れたチューブを胃を経由して十二指腸まで通し、そのチューブにより送り込む、③浣腸。

糞便移植の歴史は意外と古く、1958年にまで遡るが、最近まで糞便移植の有効性は確認されていなかった。 米国ではこの治療を行っている病院が50ほどあり、①の方法が最も多く用いられている。ヒトの排泄物を利用する糞便移植は費用がかからなさそうに思うが、そうでもない。ドナーの選出には医師による検査が不可欠だし、結腸内視鏡による糞便移植は平均的な結腸内視鏡術よりも時間も費用もかかる。 研究者によると糞便移植は、「想像しうる限りで最も強力なプロバイオティクス(人体に良い影響を与える微生物や、そのような微生物を含むモノ)」だそうだ。(C. difficile に汚染された)不健全な腸内環境に、健全なフローラ(細菌叢)を導入することなのだそうだ。

  そしてやはり、もっと洗練された技術も開発されていた。腸内細菌を培養して作られた人工の糞便を用いるという技術だ。 「RePOOPulate」と名付けられたこの人工の糞便はカナダの大学が開発中のもので、糞便そのものを使用する糞便移植よりも安全性において優れているうえに、糞便のドナーを探す必要もない。この RePOOPulateを実験で、慢性的な C. difficile 感染症に悩む70代の女性二人に移植したところ、どちらの女性も移植後の三日間で C. difficile 感染症の症状が消え去り、半年後の検査でも、C. difficile は陰性だったと言う。

"RePOOPulate" という名称は健全な腸内細菌を repopulate(再定着)させるというのと、ウンチ(poop)というのをかけているらしい。 日本でも実用化が待たれる。

 クロストリジウムディフィシル感染症とは?

発熱や感染症で抗菌薬を処方されるが、長期にわたり飲み続けると消化管に住んでいる「賢い菌」の住む環境が悪くなり、代わりに毒素を出す「悪い菌」(クロストリジウムディフィシレ)が増え、腸炎や下痢を起こし、その下痢便から排出された病原菌が病院などで拡がる、いわゆる院内感染が問題になっている。「偽膜性大腸炎」を起こし、時には手術が必要となる恐ろしい病気でもある。そして、やっかいな事に症状がないまま、自分の消化管に保有する場合が多く、感染を拡げてしまうリスクも抱えている。 イギリスでは、1990年の発生例は1000例であったのに、2004年には、44,488例もこの病気が増加している事がニュースで取り上げられ、オランダやカナダ、米国でも院内感染が報告されている。 重要な予防策は、不必要な抗菌薬を長期間飲まない事だ。


ソラマメ

2013-05-27 | 健康

退職後、野菜つくりを始めた友人の家はソラマメだけはいつも上手にできる。きのこや貝の研究、時々入る仕事と忙しく、野菜の世話等しておれないのが現実なのだが、ソラマメだけはいつも大収穫だ。栽培が猛烈簡単なのだろうと思うが、それにしては市販品が高い。

 条件の良くない痩せた土地でも実り、成長の早い蚕豆は、飢饉の際の心強い味方だったということで、なるほど、悪条件に強い作物なのだ。
しかし、高温や乾燥に弱く、連作を嫌うとある。さらに「おいしい期間は三日間」と言われるほど、収穫時期が限られているらしい。さやから出すと、あっというまに甘味が抜け、風味が落ちるという。水のないところで健気に育ち、結構長い間収穫しているようだから、不思議なことだ。
 
 世界を飢えから守ってきた「蚕豆《そらまめ》」天に向かって伸びるため、「空豆」「天豆」とも。於多福豆《おたふくまめ》、一寸豆、唐豆、刀豆《たちまめ》、はじき豆、四月豆、大和豆、夏豆、いかり豆……など、そらまめの呼び名は数多くある。「蚕《かいこ》」の字を使うのは、さやの形が蚕に似ているから、あるいは蚕が繭《まゆ》を作る時期に美味しくなるからだと言われている。また、「於多福豆」は豆の形がおたふくの顔に似ているからで、「一寸豆」は豆のサイズが一寸(約3cm)だから、「唐豆」は唐から伝来した豆だから、「刀豆」はさやが刀の形に似ているから……と、それぞれに理由がある。
 地中海、西南アジアが原産地。約2000年前には中国に渡り、四川の方で栽培が始まるが、実は四川の代表的な調味料である「豆板醤」は、蚕豆を主原料に、砂糖、胡麻油、唐辛子などを加えて発酵させたもの。
 蚕豆の主成分は、炭水化物と、タンパク質。さらに、エネルギーの燃焼を助け、疲労回復効果のあるビタミンB1と、血管の老化を防ぐビタミンB2が含まれており、生活習慣病の予防に役立つ。ビタミンB2は、レシチンと結びつくことで悪玉コレステロールを退治してくれる。カリウム、マグネシウム、リン、鉄分といったミネラル分も豊富で、高血圧や心不全を予防する働きがある。また、蚕豆の薄皮には食物繊維がたっぷり入っているので、皮ごと食べるとよい。利尿作用も高く、倦怠感やイライラ、食欲不振にもよいそうだ。
 歯ごたえとフレッシュな香りを楽しみたければ、茹で時間は2分以内に。
 
写真は装飾用に栽培している麦。昔、米と混ぜて炊いた押し麦は大麦なのにまるで平たくない。不思議に思って調べてみると、押し麦とは蒸した大麦を押しつぶして平たくし、乾かしたものだと言うことだ。大麦はそのままだと水を吸いにくくまた消化も悪いとされるため、押し麦として販売された。圧ペンしていない大麦は「丸麦」といい、押し麦と同じく麦飯にしたり雑穀米にブレンドされる。大麦にはビタミンB2、カルシウム、食物繊維が精白米よりも多く含まれている。食後に胃がはる人、口内炎ができやすい人、便秘の人は大麦を主食にするとよいらしい。食物繊維は水溶性繊維が多く、腸内の善玉菌をふやし、腸の働きを活発にする。その結果、体内の老廃物や余分なコレステロールの排泄をうながし、便秘はもちろん、脳梗塞や心筋梗塞の原因となる高脂血症の予防にもつながる。大麦は非常に消化がよく、白米の3分の1の時間で消化される。