百寿者人口が5万人を突破した日本だが、100歳を元気な状態で迎えるのは難しい。そんな中、ついに健康長寿の命運を握る「鍵」が解明された。
『百寿者研究チーム』の慶應義塾大学医学部老年内科学教室新井康通医師の研究だ。
100歳ともなると持病を持つ人の割合は高く、病歴調査の結果、97%が何らかの慢性疾患を抱えていた。その内訳は高血圧62%、骨折46%、白内障46%、心臓疾患29%、呼吸器疾患21%、脳血管障害16%、がん10%。しかし、新井医師らはここである異変に気付く。なぜか、糖尿病の罹患率だけは6%と極めて少なかったのだ。日本は、成人の4人に一人が糖尿病予備軍といわれる。70歳代の糖尿病罹患率は20~30%だから、いかに6%という数字が少ないかは一目瞭然だ。さらに、110歳以上の超高齢者20人にいたっては、糖尿病はわずか一人しかいなかった。
長寿には「万病の元」、糖尿病と無縁だったことが、大きくかかわっているのではないか。では、彼らが糖尿病にならない理由は一体どこにあるのだろうか。そう考えた研究チームが着目したのが、「アディポネクチン」というホルモン物質だった。新井医師が続ける。「アディポネクチンには、インスリンの働きを良くし、糖代謝を活発にすることで糖尿病を予防したり、動脈硬化を防ぐ作用があることが、これまでの多くの実験で明らかになっていました。そしてやはり、私たちが調査した百寿者の9割が、アディポネクチンの血中濃度が平均より高いという結果が出たのです。人体のアディポネクチンの血中濃度は通常5~10μg(マイクログラム)/mlですが、百寿者は、その倍以上の20μg/mlもありました。大量のアディポネクチンが分泌されていたから、彼らは糖尿病を免れ、結果的に大病にも罹らなかったのだという考えに至ったのです。」
100歳まで生きられるかどうか、その命運を握る重要な物質であると分かったアディポネクチン。正確には血液検査でなくてはわからないが、アディポネクチン値が平均より高いか低いかということは、自己チェックでも知ることができる。「男性は20歳、女性は18歳までに、骨格、筋肉、その他、体のすべての機能が完成します。その後、普通の生活をしていて体重が増えた分は、ほとんどが脂肪の重さです。この増えた脂肪が、男性は10kg、女性は8kg以上になったら、アディポネクチンの分泌量は半分以下になってしまっていると考えてください。」
もう一つの目安は、ウエストのサイズだ。「ウエストと身長の比率と、アディポネクチン値との関係を調べてみたところ、ウエストが身長の半分以上の値になると、アディポネクチンの分泌が少なくなる。1400人のアディポネクチン量を測定した結果によれば、75歳以上から、アディポネクチン値が高い人の割合が増えるということも分かってきた。」
ただ、現時点で平均より低かったとしても、そこで長寿の夢を諦める必要はない。今からでも、アディポネクチンを増やすことはできると、岡部医師は語る。「アディポネクチンは、脂肪細胞から分泌されるホルモン物質です。脂肪から出るのならば、太った方がたくさん分泌されるのではないか、と思われがちですが、それは逆です。内臓脂肪が増えれば増えるほど、アディポネクチンの分泌は減ってしまうのです。だから、もっとも大切なのは、太らないよう、特に内臓脂肪を燃やす運動を心がけることです。」
また、運動だけでなく、食品でもアディポネクチンは増やせる。
「大豆に含まれるβ‐コングリシニンはアディポネクチンを増やす作用があるので、豆腐や納豆を積極的に摂取するといいでしょう。ただし、豆乳はβ-コングリシニンが含まれるおからの部分が除かれているため、あまり効果はありません。また、魚、特に青魚の脂肪に多く含まれるEPAも効果があります。代表的なものは、ウルメイワシ、アジ、サンマ、サバなどですね。ただし、高温で調理すると脂肪が溶け出してしまうため、揚げ物はEPAの摂取には向きません。」
慶大医学部の百寿者研究チームは、長寿者たちの性格についても調査し、男女ごとの性格に幾つか共通点があることを発見した。調査結果によれば、「男性は飄々としたマイペースタイプで、凝り性でコレクションなどを好む」。女性は「一家の中心的な人物で、家族の世話を一生懸命することに生き甲斐を感じるタイプ」。また、男女ともに「依存心が少なく」「自分の人生を肯定的にとらえている」という点が共通していたという。
「百寿者の方たちは、皆さんとにかくポジティブ。寝たきりの人も、驚くほど気持ちが前向きで明るい。たとえば、食事のとき以外はずっと布団で寝ているお爺さんがいました。『ずっと布団の中にいて、つまらなくないですか?』と質問したら、『自分が若い頃に作った歌を歌ったり、昔のことを思い返したり、いろんなことを考えたりしている。だから少しも退屈じゃないよ』という返事が返ってきました。」心穏やかで、ポジティブ。これが百寿者の共通点である。
岡部医師によれば「今、世界の医薬品会社の間で、アディポネクチンを増やす新薬の研究開発競争が激化している」という。「その薬を投与すればアディポネクチンが増えるのだから、ダイエットや運動などで無理してやせる必要はなくなる。また、アディポネクチンは最近、抗がん作用も期待されているので、肥満と関連する大腸がん、乳がん、腎臓がんなどの予防効果も期待できる。もし新薬が出来れば、そのインパクトはバイアグラが登場した時以上になると思いますよ。なにしろ、長生きを約束してくれる夢の薬なのですから」(岡部医師)
日本は世界一の長寿国だ。だがその反面、世界一寝たきり人口の多い国でもある。長寿ホルモン・アディポネクチンが、日本を本当の健康長寿国に導く未来は近いかもしれない。「週刊現代」2013年5月11・18日号より
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ここの所、近藤誠の本がすごい勢いで売れているようだ。アマゾンのベストセラーランキング等を見ると、『がん治療で殺されない七つの秘訣』(文春新書)、『医者に殺されない47の心得』(アスコム)、『「余命3カ月」のウソ』(ベスト新書)、中村仁一との共著『どうせ死ぬなら「がん」がいい』(宝島社新書)、『がん放置療法のすすめ』(文春新書)等々、最近出版された本は軒並みベストセラーである。
近藤の主張は、血液のがんなどの特殊ながんを除き胃がん、肺がん、大腸がんなどのいわゆる固形がんは、治療をしても延命効果は期待できないというものだ。がんは基本的に放置しておくのが一番というのだから、医学界から蛇蝎のように嫌われるのは当然だ。近藤が一般書を積極的に書きはじめた1990年代の半ばから、私は近藤の主張を私なりに検討した結果、データの豊富さ、推論の正しさなどから、近藤説はほぼ正しいと確信するに至った。
『がんは切ればなおるのか』(新潮社)が1998年に文庫になった際には、この本の解説まで書いたくらいだ。それで、ここ20年くらい、がん検診は受けていないし、健康診断も9年ほど受けていないし、受ける気もない。
私は滅多に人を尊敬しないが、近藤誠はすごい人だとしみじみ思う。慶応の医学部を最優秀の成績で卒業した近藤は、アメリカに留学して放射線医学を学び、母校に帰って講師になり、同期で一番早く教授になるだろうと思われていたという。それが、当時医学界の主流であった乳がんの全摘手術に異を説え、乳房温存療法を公に主張して、出世コースから外れることとなった。近藤も万年講師で終わるであろうと覚悟したと述懐している。長い間医学界の主流から無視されていた温存療法は、しかし今や、乳がん治療のスタンダードになった。自らの出世と引き換えに乳がん治療のパラダイムを変えたのである。温存療法の優秀さが患者どうしの口コミで拡がったという事情もあったろう。
本の売れ行きを見る限り、今また近藤の主張は多くの人に支持されて拡がりつつあるようだ。医学界は必死の抵抗を試みるだろう。がんは放置しておくのが一番いいということになれば、がんの手術に携わる外科医と抗がん剤を製造している製薬会社はおまんまの食い上げになるからだ。しかし、患者は医学界の金儲けのために存在するわけではない。がん患者が手術や抗がん剤で殺されることはあっても、外科医がおまんまの食い上げになって死ぬことはない。どちらがいいかは自明であろう。
※週刊朝日 2013年5月17日号
人工呼吸器と点滴につながれて、胃瘻で栄養を無理やり摂らされて生かされている人は、いったいいつ死ぬのかよくわからない。生物学的にはともかく、人としてはすでに死んでいるのだ。死ぬべき時に死なせてもらえないのは、肉体的にも苦痛なのである。点滴を続けさせられると体の中に処理しきれない水分があふれ、痰がひっきりなしに出て、肺や腹腔に水がたまり、大げさに言えば溺れているような状態になるのだ。点滴をしなければ、体中の水分を使い切って、尿も出なくなり、枯木のようになっておだやかに死ねるはずだ。わざわざ苦しむために医療費を使うのはバカげている。80歳を過ぎたらがんの治療も極力しない方がいい。このコラムで何度も紹介した近藤誠によれば、がんは手術したり抗がん剤を投与したりするから、末期に疼痛で苦しむので、無治療で放置すれば、痛みはないか、あってもわずかだという。あげく、無治療でも治療しても余命に大した差はないというのだから、多大な医療費を使って治療するのは本当に愚かだ。昔は老衰で亡くなる人が多かったが、そのかなりの部分は実はがんだったのではないかと近藤は言う。がん検診を20年以上、健診も8年以上受けていないという早大の池田清彦教授。健診を受けても受けなくても、がんの手術はしてもしなくても、余命にはさして違いがない、と持論を展開する。
テレビに出ているせいか、ここの所講演に行く機会が増えた。会場にお年寄りの方が多い時は、「健康診断は体に悪い」とか「どうせ死ぬならがんがいい」とか「がん放置療法のすすめ」とかいった話をすることが多い。後二者は近藤誠の受け売りである。池田清彦は人を笑わせるためだけに過激なインチキ話をしていると思っている人も中にはいるようだけれども、民主党と違って私はウソはつきません。昔、私と同じ姓の池田勇人首相は「私はウソは申しません」と言って総選挙を戦ったが、今日びの政治家はウソつきは政治家のはじまりとでも思っているのでしょうね。
“世界一の医者好き国民”に送る
医者として40年のキャリアをもつ近藤は、慶應義塾大学医学部放射線科の講師でありながら、「がんは切らずに放置したほうがいい」とか「抗がん剤は効かない」といった文章を発表しつづけてきた。多くの同業者を敵にまわした論争も何度となく起きたが、具体的なデータをもって反論する近藤の主張は、じわじわと患者たちの信頼を集めていった。たとえば、近藤の話を聞いた乳がん患者が選択することで広まった「乳房温存療法」は、その代表的な成果だ。
自分が身を置く業界内から嫌われ煙たがられても、あくまでも患者の立場で発言してきた近藤であれば、「医者に殺されない」といった過激なアプローチも説得力をもつのだろう。そもそも日本人は、年間で先進国平均の2倍以上も病院へ行く〈世界一の医者好き国民〉なのだから、このタイトルは誰しも他人事でない。しかも、超高齢社会の影響もあって医療費が増加の一途とくれば、サブタイトルにある「医療と薬を遠ざけて、元気に、長生きする方法」は、無視できない魅力を放つ。 著者のこれまでの活動実績をフル活用したタイトルワークに応えるよう、内容も具体的なアドバイスで構成されている。その一部、〈【心得8】「早期発見」は、実はラッキーではない〉〈【心得12】一度に3種類以上の薬を出す医者を信用するな〉は帯でも紹介され、多くの日本人が思いあたる体験の盲点を突いてみせる。その上で、タイトルと同じ大きさで印刷されたコピーがたたみこむ。〈病院に行く前に、かならず読んでください。〉
近藤がこれまで訴えてきた主張がコンパクトに、手際のいい編集でわかりやすくまとめられたこの本。ミリオンセラーもそう遠くはないと、私は予測する。
2013年最も農薬に汚染されている野菜・果物トップ12
1位 りんご
2位 いちご
3位 ぶどう
4位 セロリ
5位 桃
6位 ほうれん草
7位 パプリカ
8位 ネクタリン
9位 きゅうり
10位 じゃがいも
11位 チェリートマト
12位 トウガラシ
不名誉な1位に輝いてしまったのは、食物繊維が豊富でダイエットにも最適な健康フルーツのイメージがあるりんご。なんと実験では、99%の確率で少なくとも1つ以上の農薬検査が陽性という結果になったそう。ただし、皮を剥いて食べるのが主流の日本では、そこまで心配する必要はないかも!?
この検査では、250種類の農薬について、それぞれの検査数に対して残留農薬が発見された数が提示されている。フレンチフライドポテトおいて検出された残留農薬はクロロプロファムとジクロランであり、クロロプロファムは検査数45に対して検出数が28(62.2%)であり、ジクロランでは検査数30に対して検出数が1(3.3%)である。つまり、クロロプロファムは、検査したもののうち実に半分以上から検出されるのである。別々の農薬に対する検査数を足し合わせて、さらにビールの検査数まで加えて、全体の0.2%でしか検出されなかったというのは、まるで詐欺のような説明である。そもそも異なる農薬を検査するための検体数を足して検出率の分母にすることは全く何の意味もない。
厚生省の代わりに本誌(Potato Journal Japan)がこの検査結果を正しく総括すると、「フレンチフライドポテトからはクロロプロファムという農薬が全体の62.2%という非常に高い比率で検出された」というものになる。このフレンチフライドポテトの残留農薬検査結果の公表においてさらにいただけないのは、検体が国産であるか輸入品であるかを明記していないことであり、仮に両方が含まれているとしたら、検査結果はさらに正当性を欠くものとなる。つまり、国産品にはクロロプロファムは基本的に使われていないので、国産品をサンプルに加えていたとしたら、それは検出分母をいたずらに大きくしているだけに過ぎない。 国産のジャガイモと欧米、特に米国で生産されたジャガイモとでは、残留農薬、特にクロロプロファムという点では天文学的な違いがある。
1980年代から1990年代半ばまでに続いたフレンチフライドポテトの残留農薬、特にクロロプロファムについての問題では明らかに厚生省の対応が異常であった。その当時、日本のジャガイモにおけるクロロプロファムの残留基準値は0.05ppmに過ぎなかった。ところが、輸入のフレンチフライドポテトからは今よりもさらに多い二桁のオーダーのクロロプロファムが検出された。日本の残留基準値に対する比率は数百倍にも達し、日本の基準での残留農薬違反の農産物が使用されたフレンチフライドポテトが米国など海外で製造されて輸入されていることは明らかであった。しかし、とうとう厚生省は何もしないで、1995年に日本のクロロプロファムの残留基準値を1000倍に引き上げるという暴挙に出た。米国の政治的な圧力に屈したのである。そもそも、厚生省が言うように「食品衛生法に基づく残留農薬基準値は、原則として生の農産物に設定されているものであり、加工食品は対象とされていない」というものであるのならば、加工品の残留農薬との関係で原料農産物の残留農薬基準値を変える必要など全くない。厚生省の行ったことは言っていることとつじつまが合わないのである。
現在、クロロプロファムは欧米において非常に大きな問題になっている。それは、ジャガイモを食べる機会の多い欧米人にとって、クロロプロファムは日常の食生活において最もたくさん食べている農薬の一つであるからだ。クロロプロファムという薬品は、ジャガイモに直接吹き付けるという野蛮な使用方法であるが故にこんなにも高い濃度で残留するのである。
この話を農薬会社のある社員にしたところ、その社員は非常に驚いていた。というのも、農薬会社においても数ppmなどという残留量は決して尋常ではないのである。
消費者の皆さん、ここが肝心かなめのところです。経済優先できた欧米のジャガイモと消費者優先できた日本のジャガイモの違いをしっかりと頭に入れて、購入時の参考にして下さい。くれぐれもお願いいたします。
TPP以前でもアメリカに譲歩して、上記のようなザマなのである。TPPによって日本の農作物も危険になるのは肝に銘じておいた方がよいだろう。アメリカ合衆国などでは、収穫後にクロロプロファムという薬品を散布して発芽を抑制する方法をとっている。日本では除草剤として登録されている農薬で、ジャガイモの発芽防止目的に使用することは許可されていない。
運動は、ストレス発散などメンタルヘルスにも効果があると言われているが、本人の意志に背いて無理強いされた場合でも、スッキリ爽やかな気分になれることがわかった。
米コロラド大学ボルダー校のBenjamin Greenwood氏がおこなった調査で、マウスを自分の好きなときに運動ができるグループと、決まった時間に強引に運動をさせるグループ、そして全く運動をしないグループの3つに分け、6週間様子を見た。その後、故意的にストレスを与え、そのときの不安レベルを検査したところ、運動していなかったマウスほど感じるストレスが多大であることがわかった。しかし、運動を自主的にしていたグループと強制されていたグループの不安レベルには、歴然とした違いは見られなかったという。
Greenwood氏によれば、「自ら進んでエクササイズをした方が、不安やうつを取り除く効果は高いかもしれない。しかし、暗い気持ちから心を守るという面では、無理強いされてでも体を動かした方が、動かないよりはマシだ」とのことだ。
これは私自身の実感と一致する。嫌々ながら体を動かしにいく場合でも気分は爽快、精神的ストレスも軽くなる。
健康的な食事とともに、毎日1万歩のウォーキングは励行したいものだ。
栄養士が毎日食べている健康的な食べ物が載っていた。幸い私が好きな食べ物ばかりだ。毎日食べても飽きないのが良い。
1.アボカド
LDLコレステロールを下げるリノレン酸などの一価不飽和脂肪酸が豊富。20種類近くものビタミンとミネラルが含まれており、抗酸化作用やアンチエイジング効果も期待できる。食物繊維も豊富で、カロリーは高いがダイエット効果もある。
2.豆類
食物繊維、たんぱく質、ビタミン、ミネラルがバランスよく含まれていて、抗酸化作用はベリーに匹敵する。豆を良く食べる人は、食べない人に比べて20%も肥満リスクが低い。
3.しょうが
しょうがはそれ自体に栄養素が多く含まれているわけではないが、辛み成分や香りに、血行を促進する作用があり、からだを温める働きがある。代謝があがり、食欲増進、解毒、抗炎症作用もある。
4.アーモンド
食物繊維とたんぱく質が豊富で、少量でも満腹感が得られる。しかもその効果が持続するため身体が飢餓状態になりにくく、脂肪燃焼ビタミンとも言われるビタミンB1も豊富。抗酸化作用やアンチエイジング効果もあるそうだ。
5.柑橘類
柑橘類に含まれるフラボノイドの一種には抗酸化作用があり、体重増加、メタボリックシンドローム、2型糖尿病、心臓病などを予防する効果があるほか、脂肪燃焼作用もあることがわかってきたという。
6.ダークチョコレート
カカオ70%以上のダークチョコレートには、抗酸化作用にすぐれているフラボノイドの一種が豊富に含まれているほか、セロトニン、ドーパミン、などの脳内物質を生成するために必要な栄養素も含まれているのでうつ予防にも効果的。
ストレス食いはよく女性が陥りやすい悪癖だが、スナック菓子や甘いものでなく、アボガドや豆類、しょうがなどを摂取すると良いかもしれない。しかし、一般的にストレス食いは、余計に気分を落ち込ませると言うことが最近の研究で明らかになった。やけ酒と違って、食べても罪悪感ばかりが募って気分は高揚しない。軽い運動と太陽と自然の息吹が最高の処方箋だろう。
山歩き後、酒を飲むのは血行が良くなって入浴と同じく疲労物質の代謝が早まると言う珍説を聞いた。脱水症状が助長されるから、体に良いとは思えないが、深酒でなければ悪くもなかろう。
それとは別に最近、ブログを書くと血圧が異常に高まるのが気になってきた。本気で怒るとストレスがたまる。傍観者的立場のオチャラケ時事放談に切り替えなければ、体が持たない・・・・
幸せになるための条件は何か。この答えに、“教育”を加えたことで話題となったのは、アメリカの経済学者・リチャード・イースターリン氏である。これまで高等教育は高収入を得る手段としての見方が大きかった。しかし、イースターリン氏によると、高卒以上の学歴の持ち主は、最初から幸福感を持ち、生涯にわたり安定して続く傾向があるという。
アメーバのような原生生物でさえ、繰り返される単調な刺激には、退屈で不幸せであることを表すという。昔からよく言われてきた「多少バカなほうが幸せ」という考えは、もはや当てはまらないらしい。
少し過激な意見も出てきている。才能ある人間は大学在学中、あるいは入学前からビジネスを始めることで、生涯にわたる幸せを手にするという。
アメリカの調査によると、大学を卒業し学士号をもっている人と、高校を中退した人では、平均寿命に大きな差があるそうだ。これは、高学歴の人の方が健康的なライフスタイルを送っているためだと考えられており、実際2010年の時点では、25歳~64歳の高卒者の喫煙率は31%だったのに対し、大卒者はたった9%だったという。この調査結果について研究者は、「高学歴の人は健康的な生活習慣が身についているだけでなく、経済的にも豊かなので、必要になときは病院にも容易にかかれる。これらが寿命を長くしている要因」とコメントしている。
多くの人は、1日に9時間以上座って過ごす。特にデスクワーク中心の仕事をしている人は、出勤して自分のデスクについてから帰宅するまで、ほぼ座ったままで1日を終えることがザラにある。Katzmarzyk氏は、これらの人々は早死にする危険性が非常に高いとして、歩きながらミーティングを開いたり、社内での伝言事項はEメールではなく直接伝えにいったりなど、1時間に1回は椅子から立ち上がって体を動かすことが必要だと言う。
そこで開発されたのが、マイクロコントローラー内蔵の座布団。これをお尻に敷けば、「座りすぎ」を防げるという。
ユーザーが椅子に座った時間を記憶し、あまり長い時間座り続けているとアラームを鳴らして警告する。
椅子をなくし、立って仕事ができる高さのデスクに切り換えることを薦めている研究者もいる。
過去には、1日に11時間以上座っている成人は、1日に座っている時間が4時間以下の人と比べて3年以内に死ぬ確率が40%も高いと言う恐怖の調査結果も報告されている。
あくびは気持ちよい。深い呼吸と、口を思いっきり開ける動作、腕や脚を伸ばす動作などが連動して起きる。あくびの生理に詳しい脳生理学者、東邦大学教授の有田秀穂さんによると・・・・
あくびの機能は、いまだに謎が多いのです。あくびの中枢は、脳の視床下部の中にある室膀核という場所です。ここは脳の中でも原始的、つまり進化の過程で古い時代から残っている場所なので、かなり遠い祖先にあたる生き物もあくびをしていたと考えられます。脳波を測定すると、β波に代表される覚醒時の脳波が観察されます。あくびが体に与える作用として確実にわかっているのは、覚醒作用です。あくびが出やすいのは、覚醒と睡眠の境界から覚醒に向かうとき。例えば朝のあくびは、体を睡眠から覚醒へ誘導する。夜のあくびは、眠いときに目を覚まそうと頑張っている姿といえます。だから、退屈な講義や会議であくびが出るのは、起きようとする気持ちの表れですから、ほめるべき行動なのです。一方、ストレスなどで過度に緊張したときにも、あくびが出やすい。これは、緊張をゆるめることで覚醒を促す行動と考えられる。もっとも覚醒だけなら、あくびの真似をして手足を伸ばすだけでも、ある程度効果があるのです。ストレッチで筋肉を伸ばせばスッキリするでしょ。室傍核からあくび指令を発するのはオキシトシン神経ですが、このとき同時に男性では勃起を誘導します。つまり、性行動と関連がある神経なのです。あくびの起源は性行動と関連がある、というのが私の推論。サケの産卵で、雄と雌が身を寄せてかーっと口を開けますね。あの姿はあくびに似ていると思いませんか。
なるほど、いわれてみればサケの性行動のアクションはあくびに見えなくもない。ふんふん、性行動に関係しているからストレッチより気持ちがいいのか?体にはいいらしいから、あくびの持つマイナスイメージを払拭して大いに人前であくびをした方が良いのかもしれない。でも、あなたの話は退屈ですと言う意思表示でもあるのだから、やはりかみ殺すべきか・・・・
寝ると太ると言うのも俗説でむしろ、眠らないと太りやすくなるという。睡眠時間が短いほど肥満度が高く、睡眠不足が肥満をもたらすことは、明らかになっている。
「慢性的な睡眠不足に陥ると、食欲を抑制するレプチンというホルモンが減少し、一方、食欲を増進させるグレリンというホルモンは増える。睡眠をつかさどる生物時計は脳の視床下部という所にあるが、この場所は食欲などの摂食にもかかわっている。睡眠が不足することで生体リズムが崩れ、太りやすくなると考えられる」とスタンフォード大学睡眠・生体リズム研究所所長の西野精治教授は話す。また長時間起きていると、つい食べたくなるし、睡眠不足だと日中の活動量も減る。これも太りやすくなる要因だ。
慢性的な睡眠不足は太りやすいだけでなく、もっと深刻だ。高血圧、糖尿病、うつ病、免疫力低下など様々なダメージを及ぼし、死亡率まで高くなる。
さらに女性の方は気づいているだろうが、肌が荒れる。睡眠のリズムが乱れると、肌本来の再生リズムも乱れることが資生堂の研究で明らかになった。深夜5分程度の睡眠中断でも、皮脂量と水分保持量が低下し、1週間後にも乾燥が気になる肌状態になる。また、肌再生に不可欠な成長ホルモンは入眠後にピークに達し、肌の新陳代謝を進める。肌のためにも良質な睡眠は不可欠だ。
お酒も少量なら良いが、量が増えると睡眠の質を悪くする。お酒を飲むと寝つきは良くなるが、体内でアルコールが分解されたころに目が覚める。夜中や早朝に覚醒し、結局、ぐっすり眠れない。また夢が多くなり、悪夢を見る。酒量が増えると睡眠の質は確実に低下すると言うことだ。
この検査の仕組みを、愛知医科大学大学院医学研究科教授の福沢嘉孝医師が説明する。
「がんは、遺伝子の病気です。正常な状態では発がんを抑制している『がん関連遺伝子』に異常が起こると、がん細胞がどんどん作られてしまい、『発症』となるのです。遺伝子検査では、このがん関連遺伝子がどれくらい発現しているか、その量を調べます。つまり、現時点で各人の身体が、どれだけがんを発症しやすい環境かを測るということですね。異常がなければ、その時点でのがん発症リスクは低くなりますし、発現量が多ければ多いほど、高まります。この検査の画期的な点は、画像診断以前の「未病段階」のがんを見つけることが可能だということです。CTやMRIといった従来の画像診断等の検査では、がんは5mm以上の大きさになっていなければなかなか発見できませんからね」
がんには、「がん家系」という言葉があるように遺伝病というイメージが強いが、親から受け継いだ「遺伝」によるがんは患者全体のわずか5%、残り95%は「環境因子」に原因があるということが近年の研究で明らかになった。東海大学医学部教授の久保明医師が説明する。
「親から受け継いでいる遺伝子は生涯変わらない『体質』のようなものです。一方で、それ以外の、自分のオリジナルの遺伝子は日頃の生活習慣などによって変化を起こします。オリジナルの遺伝子が今どんな状態にあるのかを解析し、そこからがん発症リスクを測るのが、この遺伝子検査なのです」検査で調べられるがん関連遺伝子は、男女あわせて10種類。それらを解析し、肺がん・食道がん・胃がん・大腸がん・肝臓がん・すい臓がん・胆道がん、前立腺がん、乳がん・子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がんの12種類のがん発症リスクがわかる。全身の主要ながんリスクをいっぺんに知ることができるが、検査方法は非常にシンプルだ。わずか2・5mlの採血で済み、解析は2週間ほどで終わる。
リスクの高さは「健常・標準(わずかに)・やや注意・注意・警告」の5段階で評価される。
気になるのは、発現してしまったがん関連遺伝子のその後だ。生活改善などの手を打たないと悪化するということはわかったが、発現量を下げることは可能なのだろうか。前出の福沢医師は、自身の体験をもとに、「発現量を減らすこともできる」と断言する。
「僕は中・高時代野球部出身で、健康には非常に自信がありました。ところが検査を受けてみると、4つもがん関連遺伝子が発現していた。特にすい臓がんに関連するMuc-4が『注意』レベルだったんです。そこから必死になって生活習慣を変えました。深夜2時まで研究していたのを、21~22時で仕事をスパッとやめて睡眠時間を延ばし、土日にはウォーキングをしました。また、すい臓は酒に関係しますから、週3回の飲酒を2回に減らし、深酒することも避けました。そして1年後、再検査してみたのです。すると、すべてがリスクゼロになりました。生活習慣の改善で、たとえがんリスクが出ていても下げられるということを、身をもって体験したのです」ひとたび発症したら、壮絶な闘病生活を覚悟しなければならないのががんだ。再発・転移も恐ろしい。特効薬ができるのも、まだ何十年も先だろう。とはいえ未病段階でがん発症のリスクを知り、予防の手を打てる時代がやってきた。体はウソをつかない。がん遺伝子検査で自分の肉体の声を聞き、真摯に向き合えば、本当の健康を手に入れることもできるだろう。
「週刊現代」2012年12月15日号より
そんなクリニックには、遺伝子検査を望むがん患者が後を絶たない。 実はこんなケースもある。
3つの遺伝子が陽性とされたが、良性腫瘍と判定された肺に2・5センチの腫瘍のある患者が、その後短期間で腫瘍が成長した。もちろんこの判定は同クリニックではない。患者はヒラハタクリニックを訪れ、改めて施設内附属の遺伝子検査センターでがん遺伝子検査を実施したところ、陽性を示す遺伝子22個が見つかった。
現在、国内のクリニックでもがん遺伝子検査を導入する所が散見され始めている。しかし、がん遺伝子検査は最先端の繊細な検査といわれ、通常の血液検査などとは明らかにそのプロセスに違いがある。つまり得られた検査結果の判定にも慎重にならざるを得ない分野といえよう。信頼できる検査技術が求められることは言うまでもない。
採取した血液から白血球やフリーDNAなど、必要な検体を取り出しPCRで遺伝子を増幅し、チップに流すという遺伝子検査の操作自体は、マニュアルさえあれば一定の技術をもつ検査の専門家であれば誰でもできる。しかし、実際の臨床で広く使用されていない。 この理由は何か?
本来「医療レベル」でがんの発現を遺伝子的に診るためには、数リットルの血液が必要とされる。なぜなら、がんの遺伝子的な変化は全身で均一に起きるわけではない。体内には異常な遺伝子をもつ細胞と正常な遺伝子をもつ細胞が混在しているためである。しかし、臨床でのがん遺伝子検査は一般に数十ccの血液採取によって行なわれていることが多い。ヒラハタクリニックでも同様だ。なぜ数十ccの血液で検査が可能になるのかというと、採取された血液から検体を採取したり、検査のために前処理を行う段階で「分子生物学レベル」の操作が行なわれているからだ。遺伝子検査は世界最先端の研究分野であり、分子生物学の専門家であっても、これらの処理には高い技術が要求される。その上、特許などによってビジネスと直結しているため、公表された論文や特許情報などを読んでもノウハウの一部が巧妙に秘匿され、最先端の知識がなければその内容を正確に再現することすら難しいのである。さらに導き出される結果についても、がん抑制遺伝子の異常や、がん遺伝子の発現、フリーDNAの長さ、メチル化の状態、RNAの濃度などから、「分子生物学」的な知識と、「医学」的な知識とを組み合わせて判断しなければならない。単純に、陽性が多いからがん、陰性だからがんは発現していない、という判断はできない。海外から遺伝子検査の特許を買って、国内でそのプロトコルどおりに検査をやっても決して簡単にできるものではない。
こうした事情から、ヒラハタクリニックでは、インパクトファクターの高い分子生物学の雑誌に論文掲載できるレベルの専門家が操作にあたっている。その上、彼らは医師の資格ももっている。そうしたスタッフが確保できたからこそ、億単位の設備投資を行い、院内で遺伝子検査・治療を安全に行なうことが可能になったのだ。(JHM93号より)
もっとも、現在のところ、この遺伝子検査は、健康保険が使えない。受診となると、自費扱いとなり、その費用も25万~30万円程度と高額である。費用の制約もあり、本格的な普及にはもうしばらく時間が必要になるだろう。
ネオニコチノイドとミツバチの激減の因果関係を示す本が数冊出ている。ミツバチどころか”子どもの脳が危ない”とある。
ミツバチは、花に潜り込んで蜜を吸い、花粉を集めるのだが、その行為が花粉をめしべに付けるという極めて重要な役目を果たしている。
ところが最近、有機燐系の農薬に変わってネオニコチノイド系の農薬が使われるようになって、状況が一変した。ネオニコチノイド系の農薬は、蜂の神経系を破壊し、そのために多くの蜂が死に、さらに、一旦巣を出た蜂が自分の巣に戻ることが出来ずにのたれ死にする。ヨーロッパやアメリカでもミツバチが大量に死滅する現象が起きている。毎年2~3億匹のミツバチが死亡しているのである。
この原因が、新しい農薬ネオニコチノイドであるらしい。1990年代になって安全を売り物に、ネオニコチノイド系農薬が登場した。昆虫を殺すが、温血動物には無害と説明している。
真っ先に犠牲になったのが、益虫ミツバチである。害虫にだけ効く薬品などない。この薬は、浸透性なので農薬を吸い上げた植物の分泌物でも、昆虫は死ぬ。
日本では安全を理由に濃度が高まり、空中散布の量が極端に増えてきている。その散布で、幼稚園児たちに目まいや頭痛や腹痛それに神経障害が発生していると言う。
「美味しんぼ」の取材を受けた内科小児科のA先生によると、自然の山の水、御不動様の水、何々山のわき水、などと言う物を一切飲むのはやめにした方がよいということだ。ネオニコチノイド系の農薬は地下水に入り込み、見た目には麗しい清水はネオニコチノイド系の農薬で汚染されているという。特に、その周囲数十キロメートルの範囲にゴルフ場があるようなところの湧き水は汚染がひどい。ゴルフ場は農場ではないので、農薬の規制など無いから使い放題である。その農薬が地下水にしみこみ、その数十キロ範囲内の湧き水に溶け出す。湧き水だから、自然で健康によいと思ったら大間違い。湧き水や、自然水と銘打ってあるミネラルウォーターなどお金を払って毒水を飲んでいるようなものらしい。
また、ネオニコチノイド系の農薬の一つアセタミプリドMRLのリンゴに対する使用基準は、EUが0.1pp、アメリカが1.2ppm。それに対して日本は5ppm。イチゴについては、EUは0.01ppm,アメリカは0.6ppm。それに対して日本は、5ppmとなっている。茶の葉に至っては、EUの使用基準が0.1ppmに対して、日本は50ppmである。500倍もの差がある。
健康のために毎日リンゴを食べ、イチゴを食べ、茶を飲むことで返ってネオニコチノイド系の農薬という毒物を体に取り込んでいることになる。
いま、このネオニコチノイドを大量に使っているのは日本と中国。それも単位面積当たりの使用量は日本は中国の100倍だそうだ。
しかも、ネオニコチノイドは有機リン系の農薬と違い、水溶性のため作物の中に大量に吸収される。つまり洗っても取れない。
じわじわと体内に入って来て高度の神経障害を起こしかねない。フランス、イタリア、オランダなどでは数年前から規制や使用禁止となっている。因果関係は立証されなかったが、疑わしいものは使用せずという、いわゆる予防原則が適用された。アメリカでさえ、カルフォルニアを皮切りに使用禁止に動いている。日本は今のところ農水省は、ネオニコチノイド農薬の推進を未だに行っている。その最大のスポンサーは、住友化学である。会長は米倉弘昌、経団連の会長である。
原産地である中国やヨーロッパでは牛蒡は薬であり、食材ではない。
代表的な調理法「きんぴらごぼう」は漢字で書くと「金平牛蒡」。これは、浄瑠璃の主人公で、勇猛果敢な坂田金平から取った料理名だそうだ。牛蒡は精がつく野菜と思われていたため、牛蒡の持つ固さと唐辛子の辛さも相まって、強くなれる料理、という意味でつけられた。金平は他にも、「金平糖」の語源となっている。
ごぼう茶の推奨者で実践者でもある南雲先生の解説ではごぼうの皮の成分『サポニン』が若返りの妙薬だとのこと。
人気の秘密は南雲先生が超若く見えること。実年齢55歳だと言うが、40代ですねえ!
サポニンには、石鹸と同じ界面活性剤なので、コレステロールを吸着してくれる。従って若返るだけでなく、『脂肪を分解してダイエット効果』もあると言う。
1.ノーミート(肉を食べない、野菜を食べる)
2.ノースイート(甘い物、間食をしない)
3.ノーカフェイン(コーヒーを飲まない)
4.ノースモーク(タバコを吸わない)
5.ノードライブ(運転をしない、よく歩く)
6.ノーシットアップ(夜更かしせず早く寝る)
牛蒡の下ごしらえと言えば“アク抜き”が常識だが、
① 皮をむかずに泥を洗い落とすか、軽く削ぐ程度に留める。
② 水や酢水にさらさない。
③ 大きめに切る。
せっかくの牛蒡の味や香りや栄養素が水に溶けて流れて行ってしまうのを防ぐ方法だ。品種改良された現在の牛蒡はアクが少なくなっており、そのまま調理に使える。特に煮物の場合は、煮ている時に浮いてくるアクを丁寧にすくってやればよく、肉や魚と一緒に煮る時はむしろ、牛蒡のアクが臭み消しの役目も果たすと言う。
食物繊維には整腸作用があり、水溶性繊維は、有害物質を身体の外に出してくれる働きがあり、不溶性繊維は水分を含んでふくらみ、腸を刺激してくれる。
他にも、ポリフェノール、カリウム、リン、アルギニンなどが含まれており、抗酸化作用があり、ガン予防や美白効果、風邪予防も期待できる。
東北大学教授 川島隆太氏
東北大学加齢医学研究所教授の川島隆太氏は、年をとることを否定的に捉えずに、元気で賢く年をとる「スマート・エイジング」という生き方を提唱。「身体を動かす習慣、バランスの良い栄養をとる習慣、社会とかかわり続ける習慣」に加え、頭を使う習慣を身につけなければいけないという。「脳トレ」ブームの立役者でもある川島氏が勧める頭の鍛え方とは。
「アンチエイジング」という言葉が一般的だが、スマート・エイジングというのは東北大学が使っている言葉で、賢く年をとるという意味。我々は、年をとることにマイナスのイメージを持ち、これがアンチエイジングの考えのもとになっているが、年を重ねるというのは、いろいろなものが自分に積み重なっていくことですから、ポジティブでなければいけない。10歳の子どもが20歳になるのも成長だけれども、70歳の方が80歳になるのも成長だ。10歳年をとったときに、自分が「成長しているんだ」と感じられるようにするために、私たちはどういう努力をしたらいいのかを研究しています。
東北大学加齢医学研究所スマート・エイジング国際共同センターでは二つの事業に取り組んでいる。一つが「スマート・エイジング・カレッジ」で、市民の方々に東北大学の教員が通年型で市民公開講座を提供する。医学だけではなくて、哲学や栄養学なども取り上げる。哲学で力を入れているのが死生学。
もう一つが「スマート・エイジング・スクエア」だ。大学のスペースに高齢者に関する事業を手掛けている民間企業に入居していただく。民間企業は一般市民向けにサービスを提供するわけですが、我々が企業と市民の間に入って、市民の方々がサービスを利用することで、脳の働きや体力がどう変わるか、消費動向がどう変わるかなどを研究する。我々の研究によって、例えば、「サービスを受けると脳の働きもよくなり身体も動くようになって社会参加が増え、おまけに消費活動も高まる」といった結果が見えてくれば、そうした事業を自治体に提案する。
個人がスマート・エイジングを達成するためには4つの習慣が大事です。頭を使う習慣。身体を動かす習慣。バランスの良い栄養を取る習慣。社会とかかわり続ける習慣だ。
私たちは脳の認知機能を研究している。心の働きすべてを認知機能と呼び、話をする機能も、記憶をしたり、学んだりする能力も認知機能だ。このなかで私たちが特に注目しているのが大脳の前頭前野の機能です。この機能が、20歳から直線的に下がり続けることが分かっている。どういう能力が失われていくかというと、記憶をする力、学ぶ力、我慢をする力、他人と円滑にコミュニケーションをする力、やる気、何かをしようという自発的気持ち。こうしたものが、どんどん年とともに低下する。これを何とか落とさないようにできないか。それができれば、知恵や知識は年とともにどんどんたまるから、脳は年をとればとるほど良い脳になる。
脳を鍛える方法が脳トレだ。私たちは、一つの心の働き、「作動記憶」(ワーキングメモリー)と呼ばれるものに注目している。作動記憶というのは、ふだん私たちが使っている記憶力で、例えば人の話を聞き、言葉を理解する際に作動記憶を使っている。人の口から出ている音の連続体が耳に順番に入っていって、記憶にいったん書き留められて、それがある程度たまったところで私たちの作動記憶は私たちの過去の記憶にアクセスする。過去の記憶といま聞いた記憶を照合して、我々は「理解」する。この作動記憶のトレーニングを、「自分自身ができるぎりぎりの難しさで行う」というのがポイントです。易し過ぎることを続けてもだめです。難し過ぎてもだめです、ぎりぎりの難しさでトレーニングをずっと続けると面白いことが起こる。記憶力は当然、よくなるが、面白いのは、記憶力以外のそのほかの能力もそれにつれて上がるということだ。20歳から低下する前頭前野の機能が一緒に上がってきてくれるのです。
これを分かりやすい形で世の中に提案したのが、私たちが認知症の高齢者の方々などに提供している「学習療法」です。学習療法で使うものは、読み書き計算です。
ぎりぎりの難しさをつくり出すために、認知症の高齢者の方には、本人ができるぎりぎりの難しさの教材をきちっと選んで、その教材をやっていただきます。健康な高齢者には易しい教材を用意して、ぎりぎりの難しさをつくり出すために、時間を意識してもらいます。できるだけ早くというプレッシャーをかけます。それで、ぎりぎりの難しさをつくり出すのです。
認知症は医療では治せないと言われていますが、作動記憶トレーニングを学習療法の読み書き計算という形で行うと、よくなる人がたくさん出てくる。
しゃべれなかった方が、まず笑顔が出るようになって、その後にしゃべるようになる。何をしてほしいのかすら言えなかった認知症の患者が、身体が痛い、トイレに行きたいとおっしゃる。
軽い人たちは、すっかり昔のお父さん、お母さんに戻る。重い方は、自立できる程度になる。
我々、子どものころはドリルは嫌なものと思っていたのですが、認知症の方にやっていただくと目がきらきら輝き、やりたくてやりたくて仕方がないとおっしゃる。学習療法の時間になると、自分で部屋から出てきて学習室の前で待っていらっしゃる。
老人ホームではいろんなアクティビティーがあって、ペットに触れたり、料理を作ったりするというものもある。これらは脳を刺激するが、致命的な欠陥がある。「ぎりぎりの難しさ」のトレーニングができない。だから、悪くなるのを緩やかにする効果はあっても、いろいろな機能を伸ばして良くする効果はない。学びというのは自分ができるぎりぎりの難しさで作動記憶トレーニングができるから、それを生涯学習として楽しまれるというのは脳の健康には明らかにいい。ぎりぎりの難しさを意識してつくり出せばなんでもいい。例えば今、書写などが流行っていますよね。お経を写したり新聞のコラムを書き写したり。ぎりぎりの難しさをつくろうと思ったら、ある程度覚えられるだけ覚えて書き写していく。毎日覚える量を増やしていきながら書き写そうとすると、これはぎりぎりの難しさのトレーニングになる。パソコンを使うと脳は鍛えられない。パソコンは情報処理を補助する装置なんです。いまの時代は、身体も脳もあまり使わないようにして、楽で便利な状態をつくり出している。これにどっぷりつかっていると、老化による機能低下は昔の人よりも明らかに早くなる。こういう便利な時代だからこそ、脳や身体を使うという生活スタイルが必要になってくるのです。
PCは脳が鍛えられない?TVを見ているよりマシだし、使い方によっては脳が猛烈鍛えられると思うが・・・・・しかし、身体が鍛えられないことは確かだ。加齢で身体が弱ることはこの頃実感している。楽しく体を動かす習慣、社会と関わり続ける習慣・・・・・・これが課題だ。