Vers la lumière 光ある方へ・・・

AtelierGrace発、ステンドグラスと教会のブログ。

雪渡り①②

2023-02-06 13:00:33 | パネル
新年の諸々の用事が終わってから、宮沢賢治の「雪渡り」を作り始めました。生活に支障が出るほど降るのは困りますが、昨年花巻で雪が降り始めた時、この清浄な光景をずっと残しておきたいと思ったからです。

「雪渡り」は、確か小学校4年の国語の教科書に掲載されていました。長文ということもあってか、1時間朗読を聞いただけで終わったのですが、その前に国語で習った「ごんぎつね」のラストがあまりに悲しかったので、同じ狐が出てくる話だったらこっちの方がいいやと思った事と、朗読の方の声が何とも個性的だったのでよく覚えています(誰だったんだろう?)。





四郎がおどろいて尋ねました。
「そいぢゃきつねが人をだますなんて偽かしら。」
紺三郎が熱心に云ひました。
「偽ですとも。けだし最もひどい偽です。」
(宮沢賢治『雪渡り』)

雪渡り①。物語冒頭部分。四郎とかん子が、子狐の紺三郎に出会うシーン。手持ちの中に、雪山を表現するのに良いガラスがありました。写真だと見えにくいのですが、四郎の着物には絣、かん子の着物と頭巾には花模様をダマ(透かし)で入れてあります。2人の表情が硬いのは、まだ狐を完全に信用していないから…。

最近作業中によくYoutubeで賢治作品の朗読を聴いています。一度読んだ話を今度は音声で聴くと、また新たな発見があったり理解が深まります。実は改めて「雪渡り」の朗読を聴いてみたら、紺三郎は白ギツネだと言っていてあっちゃ〜神の御使い的なイメージもあったのかな?まぁ、白だと雪に埋もれてしまうし普通に黄色系で描いてる絵本も沢山あるようだからいいか



すると子狐紺三郎が云いました。
「鹿の子もよびましょうか。鹿の子はそりゃ笛がうまいんですよ。」
 四郎とかん子とは手を叩いてよろこびました。そこで三人は一緒に叫びました。
「堅雪かんこ、凍み雪しんこ、鹿の子ぁ嫁ぃほしいほしい。」
 すると向うで、
「北風ぴいぴい風三郎、西風どうどう又三郎」と細いいい声がしました。
(宮沢賢治『雪渡り』)

雪渡り②。四郎、かん子、紺三郎が鹿の子を呼ぶシーン。昔清里へ行った時、朝林の中を一人で散歩していたら何頭かの鹿に遭遇したのを思い出します。両側の木の焦げ茶のガラスはギリギリでしたが何とか足りました。

あと2枚、今度は夜の光景を作って最後は行灯に仕立てたいと思います。


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