相変わらず、この秋は読書三昧が続いておりますが。
いろいろ読んでいて気になった事を今日はちょっと書いてみようかな~と思います。
今、好きな作家さんを挙げろと言われたら、まず一番に名前を挙げたいのは
川上弘美さん。
江國香織さんもどちらかと言えば好きだけど、新作が出ると、読みたい!と思うのは、川上さん。
でも作家さんとの出会いって不思議で、川上さんも江國さんも、30歳前後の頃にも何冊か読んだはずなのに、その頃は特別「好き」という感情はなく、なんとなく読んで終わっていました。
でも、最近また読んでみたら、川上さんの小説はどれもこれも面白くて。まっすぐに心に入って来ました。(独特の不思議シリーズも含めて。)
やっぱり、書かれている女性達が今の自分の年代に近いせいでしょうか?
そして、タイトルに掲げた、
中年世代の恋愛小説ですが。
好むと好まざるとに関わらず、30代後半~40代後半あたりまでは、中年と呼ばれる年代ですよね。
その年代の恋というと、どうしてもどちらか、或いは双方に家庭がある確立がとても高いもので。上に画像を載せた3冊も、全て「不倫」(と一くくりに言ってしまうには抵抗がややありますが)と呼ばれてしまう状況の恋愛がらみのお話しでした。
「夜の公園」
これは、新作として発売後スグに本屋さんに走り購入してしまいました。
でも今までの川上さんの小説とは少し感じが違っていると感じました。
主人公のリリが、自分の心にまっすぐで、逃げないで生きていく姿は好感が持てたものの、実際の状況からは少し無理があるというか、現実味にかけるような気がして。
共感にはいたりませんでした。
でも登場人物それぞれの立場からの構成が面白かったかな。
「スイートリトルライズ」
msさんのブログで拝見して、読みたいと思って図書館に行ったけれどみつからず、結局私も文庫本を買ってしまいました。
これもまた不思議な夫婦関係で。
ただ、江國さんのお話しは、登場人物の誰をも擁護していないというか、公平なのが読みやすかったですね。それぞれの人物に対しての感じ方は人によって違うでしょうし。決着をつけない終わり方も独特でした。
ただ、どの関係も(具体的には3ないし4組の)、長くは続かない危うさを持っているな~と言うのが私の感想。
本当の心と心の繋がりではないように思えました。
「ウエハースの椅子」
これは、図書館で借りて来ました。
3冊の中では唯一、主人公は独身で、相手に家庭がある、というパターン。
一見すると、理想的な恋人関係の二人に見えるのに。
その不自然な関係を自分なりに自然体で受け止めようとしながらも、心の底では罪悪感に苛まれ、このままではいけないと思い、悩み、それでも恋人に向かう心に苦しむ画家である女性。
これも決着はつかず、で終わります。
この3冊の中では一番悲しかったかも。
この3冊の他にも、読む本読む本、こんな状況がらみが多かったような気がします。
別に、それを選んで読んだわけではないんだけど・・・。
結局、最初に書いたように、この年代の恋愛を書こうとしたら、どうしてもそうなってしまうという事なんでしょうね。
パターンはいろいろではあるけれど。
男性作家が書いたモノも読んだけれど、やはり女性作家の作品の方が理解しやすかったです。男性側の目線で書かれたものは、どうしても「ツッコミ」入れたくなる部分が多くて
でも女性作家の作品を読んでいると、やっぱり男性の方が「ずるいな」と思ってしまう事も多いですね。意図しているのではないのでしょうが、女性からの目線で書かれているからそうなるのかな。
前に書いた、林真理子さんの
秋の森の奇跡はこれはちょっとまた違っていたけど。
(これは、男性も女性も、どちらにも共感できないお話しでした。)
モチロン、こんなのばかりではなく、いろいろ読んではいましたよ。誤解のないようにね
でもこうして、心に「もやもや」が残るお話よりも、「ほんわか」が残るような、
『センセイの鞄』みたいなお話しが一番好きデス。
何回読んでも、じんわりしちゃう、大人の童話のような小説です。
なんか、随分と長く書いてしまいました(^^ゞ
長い長い独り言、と思って下さいマセ。