あんしんたべものくらしネットワークあしの会 ブログ

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いきものはっけん!芦屋川とあそぼう  報告

2009年08月31日 22時21分49秒 | 活動の報告

さる7月19日、芦屋川河川敷にて、日ごろは時計屋のご主人であしの会の古くからの会員さんである“めだかのおっちゃん”こと「芦屋川に魚を増やそう会」の山田勝己さんを講師に環境学習を行いました。子どもづれの2家族、あしの会の世話人さんと総勢13人のささやかな集まりとなりましたが、普段は通りすぎるだけの芦屋川のもつ自然豊かな表情に驚きながら、心地よい川の風に吹かれて、楽しい一日となりました。

●アユがきらめく!街中のオアシス
挨拶をしてまもなく、川がプール状になったところでアユを探しました。「どれどれ?」「おった!」すばやく動くので探すのがたいへんです。昔は芦屋でもアユなどの川魚をとって食べていたそうです。山田さんによりますと、人のくらしと川の存在が近く、糧をえる場にゴミを捨てる意識などなかったとのこと。川べりの遊歩道を歩くと、川の中は草ぼうぼう!で小魚や虫が隠れるところがたくさんあります。隣の上宮川と比べるとよくわかります。アユがすばやく水面にきらめくと、子ども達から歓声が上がりました。それを求めてカワセミもきます。

●山と川と生き物とみんな関わって生きている
上流の山から川を通して運ばれる栄養豊富な土や養分が、海まで運ばれます。駅から歩いて20分ほどで干潮の河口に出ました。砂をスコップでほると、すぐに真っ黒な土(腐葉土)が見えます。この養分を目当てにプランクトンやアサリ等の貝類が繁殖するそうです。「自然ってむだがない」と感じました。
その日の干潮時刻は11時。浜に出るとすぐに大きなカニを子ども達が捕まえます。あざやかな紫色であまりのきれいさにびっくり。
アサリのシーズンは終盤でしたが、粘り強く掘っていくと本命発見!夕飯はおいしいアサリのみそ汁をいただきました。

山田さんは川遊びの名人です。投げた投網(とあみ)にむらがる子ども達。「これなにー?」小さなクサフグやハゼなど、海辺のいきもの達の姿に大興奮!でした。


●いきものたちの復元力―生き物無視の河川造成。人がほんのすこし、見守ること。
山田さんが活動をはじめられた30数年前は、家庭排水から合成洗剤が川に流れ込み、生き物に悪影響をもたらしはじめたころでした。 ふるさとの川のこうした現状に心をいためた山田さんは、その当時からふるさとの芦屋川を、いきもののくらしやすい環境にするために活動してこられました。実際にアユ等小魚が産卵のために遡上しやすいように、数十メートルおきにある堰(せき)にのぼるための魚道や深めのプール式堰堤を作るように役所に粘り強く交渉し、実現されています。その結果、阪神間で有数の、貴重ないきものがたくさんくらせる川になりました。伸びすぎた草を刈ったり、夏場干上がる川の水から上流の貯水池へ魚を運んだり、産卵のため上流からおりて立ち往生しているカニを捕まえて下流へ運んだり、山田さんの地道な活動は、すばらしい成果を挙げています。一度壊れてしまった環境を、人間がねばり強くすこし手を加えることで、驚くほどたくさんの多様ないきものがよみがえります。いきもののもつ復元力!にびっくり!した次第です。

●ひろってもひろってもゴミ、ほかさんといて!温暖化の問題
子どもたちは生き物観察、大人たちは駅から散歩しながらゴミ拾いをしました。きれいな芦屋川のイメージですが、「もーう、ほかさんといて!」とぼやきながらの作業です。気がかりなのは、暮らす環境を守り育てるのもわたしたちで、壊してきたのもやはりわたしたちなのです。浜まで歩く道すがら、みんなで拾ったゴミはすごい量!30分そこそこでポリ袋4個分です。花火やタバコの吸殻、多かったのは水面に浮かぶプラスチックごみです。子ども達にも「魚や鳥がまちがえて食べたら死んでしまうで。たいへんやなー。」と。

浜から少し上がった河川のところどころに、草の生えていないきれいな白い川底が見えています。山田さんいわく、「温暖化で海の塩がここらまであがって来てるんや」ええ!知らない間に海水面が川の方まで上昇してきています。じわりじわりとわたしたちの生活にも気がかりな変化が。白いのは固まった塩で、だから草が生えてないのかなと思いました。心配です。

●石けんのすばらしさと普段使う合成洗剤のこわさ-30数年で爆発的に広がった合成洗剤
海でしばらく遊んだあとは解散し、子ども達ととなりの松林の公園でお話を聞きました。
昔から人は川や自然とかかわりながら日々の糧を得てくらしてきました。家庭排水も安全であったため、川魚等は豊富に獲れたそうです。山田さんがまだ幼いころの川は、いろんな遊び場になり、とてもたのしかったそうです。山田さんが川の環境を守る活動を始められた頃には、合成洗剤が家庭排水から川にはいり、生き物たちに大きなダメージをあたえはじめたころです。強い浸透力をもつ合成洗剤は、生き物の細胞膜を壊し、がんや奇形をもたらします。
水でうすまってもその浸透力がうすまらないのが合成洗剤です。普段のわたしたちのくらしにおいてもハミガキ、汚染された魚介類、合成洗剤で洗った食器などあげられ、飲み水など口から体内に入るだけでなく、洗濯や台所仕事、シャンプー等により、皮膚に直接触れるため、その影響が心配です。
わずか数十年のあいだに合成洗剤が環境やいきものにもたらした影響を思うと、やはりおそろしいと思いました。反面、石けんは5000年の歴史があります。水に溶けて約1日で微生物に分解されます。残念なことに、いまテレビ等で植物成分由来や安心をうたいつつ、テレビで流れているCMなどの洗剤、はみがき、シャンプー類はすべて合成洗剤なのです。石けんは使い続けても体にも安全で、つかった排水も浄化されます。このままだと、確実に次の子ども達に残す自然環境は悪化していきます。話を聞いて内心とてもあせる気持ちの親のわたしたちです。もう一度、少しずつでOKです。あなたのくらしを石けんへシフトしてみませんか。

●子どもの感想―「小さい魚がいてびっくりした。」「魚が見れてよかった。カニもいた。」「おにぎりがおいしかった。」「ふぐにかまれた」

●大人の感想―子どもが楽しめ、自然にしたしみ、大人たちも河川開発工事の歴史等をきくことで勉強になりました。行政に反対するのではなく、ともに協力して開発工事を進める姿勢が勉強になりました。

●かんじたこと、環境をまもることって、むずかしい。「最小限に手をかけて、あとはいきものたちにまかせる」ということが大切です。
近年川は危ないイメージがありますが、遊ぶ前に山田さんや詳しい人に聞いてみる、当日の潮汐をしらべておく、雨の日には無理をしない、こどもには大人が注意する、ごみは持ち帰るなど、基本的なことで安全にあそべると思いました。実際にスコップと網で干潮の河口は、こどもが安全に砂ほりなど、たのしむことができました。川ってほんとに気持ちよいですよ。お財布にもやさしいです。
山田さんのように貴重な活動をされてこられた方は会の中にまだたくさんおられます。
素敵な出会いに感謝しつつ、これからもつながりを大切にして広げていけたらと願っています。
「いきものはっけん芦屋川とあそぼう!第2弾」は秋を予定しています。詳細はおって連絡します。みなさんふるってご参加ください。


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