今夜は眠れないので、最近思っていることを記そう。
「書く」ということは、セックスするのに似ているということについて。
写真とビデオとルポを全部やるようになって、尚更「書く」ことの難しさを実感するようになった。
もともと本を読まない人だから、文章はどちらかといえば苦手な方。ニュース記者をしていた時も、取材や撮影や編集に比べて、記事を書くのは一番下手だった。
東京に出てきた3年前から文章と真面目に向き合うようになり、小説も最後まで読めるようになった。それくらい最近のことだから、もともと頭に入っているボキャブラリーが少なく、文章表現の技もほとんど知らない。
ただ、その道のプロにいわせれば、音楽をやっていた人には独特のリズム感があるらしい。
つまり私は、鼻歌をうたうように、なんとなく心地よい旋律に合わせて言葉を連ねているだけ。あとはハッタリで無理矢理単語をねじ込んでいるに過ぎない。
でも、そんな私でもチョビチョビと成長はしているらしい。
それは昔書いた文章を読むとよく分かる。
…えらいマスターベーションやなぁ。
いやはや今にも、ァン、ァンと気色悪い吐息まで聞こえてきそうで恥ずかしくなる。
文章を書くのに慣れてない人は、概してコレ。
自慰行為が過ぎる。
他人の行為もよく見て、ある程度の経験を積んでくると、徐々に回りが見えてくる。
自分が気持ちよくなるより、相手を気持ちよくさせるにはどうしたらいいか。
まぁ、そのためにはテクニックも少しは必要でしょう。
でもテクニシャンの行為は、……想像しただけでもちょっと怖い。
だったら才能? つまり、ブツ?
いやぁ、でかけりゃいいってもんじゃありませんよ。
そしたら、愛情?
そうですねぇ、誠実さは必要です。何より、必要。
だけど見せかけの愛情はすぐにバレる。長続きしない。
文章も同じく、中途半端な気持ちでは魂が入っていないのがバレてしまう。
つまり優れた物書きは、きっと体力と精神力が凄まじいんだろうな。
そして燃え盛る激しい情熱を内に秘めているに違いない。
私の場合、写真やビデオの仕事が続くと、文章はしばらくご無沙汰になる。
するとどう、その間に、すっかり忘れてしまうのですよ。書き方を。
まさにセカンドバージン。
久しぶりに書かねばならなくなると、痛いのなんのって。
だからやっぱり、慣れというのも必要ですね。
適度に刺激しておかないと、感度も上がらない。
他にも似ている部分はいろいろあるのだけれど、今夜はこの辺にしておこう。
わたし、マスベしてませんでしたか?
皆さんは大丈夫?
…まぁ、こっそりやってる分には構いませんけど。それも練習、練習。
ほとばしる情熱は、どんな形であれ、とにかく外に出してあげた方がいい。
これ、あくまで表現意欲のことですからね。