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人&ライフ 佐野千寿惠さん

2006年03月01日 | コラム
 縁あって千葉市栄町に店を構えて30年。博多娘と会津の旅館の跡取息子が知り合い結婚。旅館の出張所も兼ね、会津の郷土料理を紹介する居酒屋だった。「女将の素質有り」と義母に気に入られ修行にも励むが、時の流れとともに紆余曲折。人生の荒波の中で離婚も経験した。しかし営業は順調で、十数年前には改築、黒を基調とした純和風の洒落た居酒屋に変身。数年前に知り合った現夫が千葉の行政に携わり、また自家農園を持っていたこともあって、その頃から千葉の「食」を追及し始める。
「今でこそこういうお店も何軒か目にするようになりましたが、当時は全然なかったんですよ」。〝千葉の味〟を食させてくれる店がなかった。こだわりの無農薬野菜を使った千葉ならではの料理と地酒が自慢の店だ。
 佐野さんはオーナー兼看板娘、いや女将だ。日曜祭日以外はフル回転で切り盛りする。しかし最近はその他の活動も増えてきた。カルチャースクールの講師を始め、生涯教育施設での講義や全国の食に関するイベントからのお声もかかるように。もっとも教室といっても、教壇に立つ講義ではない。「千寿恵」を会場に開店前の時間や休日を使っての調理実習を兼ねたものだ。当然最後は会食で締めくくる。人気は日増しに高まっているようだ。 
フードコーディネーター、酒菜研究家など多くの肩書きを持つが、最近新しく千葉県そば推進協議会代表というものが加わった。全国麺類文化地域間交流機関の千葉支部だ。毎月1回、麺打ち日本一の講師を招いてのそば打ち講習会も開催している。
 「千葉の食とお酒が取り持ち、様々な枠を越えた交流が生まれます。そのお手伝いができたらと思っています」
    文 やまもとみどり

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