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こんなことに気をつけよう 中高年の健康管理

2006年08月11日 | コラム
 インドを旅してきた。といってもニューデリーと、ジャイプール、アグラ、ベナレスを七日間で回る、いわば初心者向けのツアーだから、インドについては何も書くことができない。ただツアーのメンバーの中に面白い人がいた。
 会社を定年退職したばかりの夫と妻の二人組で、これから海外旅行をすることを楽しみにしているという。
 その夫の方だが、ツアーの間に供される食事にほとんど手をつけない。聞いてみると、食食べ物に好き嫌いはないが、香辛料が苦手で、とくにカレー風味と香菜の匂いがいやだという。カレー風味が嫌いなのに、何でインド旅行に来る気になったのか理解に苦しむが、もっとおかしかったのは奥さんの方だった。その奥さんは水に敏感で、海外で飲む水はたとえ、ペットボトル入りのミネラルウォーターでも現地産のものは胃が受けつけないという。そこで、この夫婦は日本で買ってきたミネラルウォーターやウーロン茶のペットボトルを三十本スーツケースに詰め込んで運んできたという。三十本といえば、一㍑詰めのペットボトルでも三十㌔になる。
 その奥さんが大変なことになった。バスで観光地を回る途中、持参してきた水がなくなってしまい、車中で配られたペットボトルを一口飲んでしまったのだ。
 この日のインドは気温こそ三十七℃と、日本とそれほど変わらない暑さだったが、湿度が高く、猛烈に汗をかく。どうしても喉が渇くので、仕方なしに禁断の現地産ミネラルウォーターを飲んでしまったらしい。
 すると、ものの数分もしないうちに、おなかが痛いといい出した。そして、この水がいけなったというのだ。現地産といっても、現地の生水や水道水を飲んだわけでもなく、仮にその水が何らかの病原菌に汚染されていたとしても数分で腹痛を起こすほど強烈な細菌などいるはずはない。
 次は一人でツアーに参加した若い女性のことだ。ベナレスで有名なガンジス河の沐浴を見物しているうちに、自分も川に入ってみたいといい出し、バスタオルを腰に巻いてスラックスをはきかえると川に入った。
 驚くべきはその勇気だ。衆人環視の中でスラックスをはきかえる勇気ではなく、牛と犬の死骸が目の前を流れている川の中に入る勇気である。これも後で聞いたところ、川は胸までの深さしかなかったが、潜った際に鼻から水が入り、たっぷり聖なる川水を飲んでしまったという。しかし、彼女はおなかを壊すでもなく、そのままツアーを楽しんでいたが、再び調子を崩したのが先の奥さんで、川の水を飲んでしまったという話を聞いただけで、また下痢が再開し、ツアーの残り三分の一はバスの中でぐったりしていた。消化管というのは非常に神経質なものなのだ。(この後、保健所より、ツアー客の中から赤痢患者が発生したので検便をしてほしいという連絡があった。ただし、誰が発症したのかは不明である)。(鏑木長夫)




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