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中高年の健康管理「秒刻みの生活が始まる?」

2005年11月02日 | コラム
 時間についてはかなりアバウトだが、これまで大過なくやってこられた。取材や待ち合わせに遅れたこともないし、朝も目覚ましなしでほぼ定刻に起きられる(前夜飲み過ぎなければ)。
 昼はお腹が空けば昼食にするし、夕方は暗くなりかければ晩酌時間と決めている。仕事である雑誌の編集は月単位だし、忙しい仕事といってもせいぜい週単位だ。
そんな生活に狂いが生じてきた。いや狂いではなく、より正確さが求められるようになったというべきなのかもしれない。
 先輩の弁護士が褒章を授与された祝賀会の引き出物として、卓上型の電波時計なるものをもらったのがきっかけだった。
 説明書によると、この時計は全国に二か所(福島と九州)にある標準電波送信所の電波を受信して自動的に誤差を修正するので、常に正確な時刻をデジタル表示出来るのだという。
 そして、標準電波送信所にある原子時計の精度は十万年に一秒しか狂わないという。この精度をそのまま受け継いでいるわけではないだろうが、とにかく正確で、テレビの時報と寸分の狂いもない(テレビもこの電波を利用しているのだから当然だ)。
私があと十年生きるとして(絶対にそんなに長くは生きない!)、一万分の一秒しか狂わない計算だ。
 この時計が来てから、家の柱時計をしょっちゅう調節している。腕時計もかなり正確だと思っていたが、それでも十日に一秒は狂う(進む)ことにきづいた。
この時計によって、出勤のために家を出る時間が規制されるようになった。それまでは六時二十五分頃に家を出て六時三十一分発のバスに乗り荻窪に向かう。
それを二十五分ジャストに家を出ないと気がすまなくなったのだ。バスが走るのは、渋滞で有名な環8で、バスが5分くらい遅れることはしょっちゅうだ。時間きっちりに家を出る必要は毛頭ないのに、すぐ目の前にある時計が、「時間だぞ」と脅迫するのだ。
さらに、困った?ことに、同じような電波時計が、今度はこの原稿を書いている編集室にもやって来ることになった。私が関係している会社の創立70周年の記念品としてもらえるらしい。
 さあ、編集室での時間の使い方がどう変わるのだろうか。時計の脅迫の度合いが仕事にどう影響するのか。
こんなことを考えていたら、『ゾウの時間ネズミの時間』(中公新書)という名著を思い出した。体が大きく数十年生きるゾウも、二年で死んでしまうネズミも一生の間の心拍数は同じだという「心拍数一定の法則」のことで、見かけは長生きするゾウのほうがゆっくり生を満喫しているようだが、生の充実度はどちらも同じだという理論だ。
 時間にアバウトに暮らしていた一日と、秒を見つめながら暮らす一日とでは、充実度は違うのだろうか。
 それとも時計を裏返して机の上に置いておこうか。(ヘルシスト編集部)

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