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中高年の健康管理「楽だった鼻から入れる胃カメラ」

2006年03月16日 | コラム
私に若い時から唯一まとわりついているのが十二指腸潰瘍という持病で、数年に一度は潰瘍が悪化し、ひどく痛むことがあった。
この痛みは生半可なものではなく、いちど痛み出すと一週間くらい続く。これは胃から過剰に分泌される胃酸によって十二指腸の粘膜が傷つくことから始まるのだが、H2ブロッカーという胃酸の分泌を抑える薬剤を使っているため、ここ数年は痛みを感じていない。
すると現金なもので、胃の検査も数年受けていないことに気づいた。胃がん検診はレントゲン検査しか受けていないのだ。しかし、胃カメラを飲む時の苦しさを考えると、受けたくない。
胃カメラによる苦しさには個人差があり、まったく感じない人もいれば、「おぇ、おぇ」を何回も繰り返す人がいるという。私は後者なのだろう。そんなある日、鼻から入れるため嘔吐感がまったくない経鼻内視鏡というものが開発されて、すでに実用化されているという話を聞き、いちど受けてみようかなと思っていたら、なんと私が通っている自宅近くの医院でやっているという。早速、予約をし、二週間後の先月二十四日に受けてきた。
まず事前の説明によると、この胃カメラのファイバーは直径が5・9ミリと、従来のファイバーの半分くらいの直径しかない。さらに、このファイバーを鼻から入れるため、舌根部に触れないので嘔吐感がほとんどないという。口からファイバーを入れるとどうしても舌根部に触れるため嘔吐反射が起きてしまうが、これならその心配がない。
施術は軽い麻酔薬を鼻に噴霧することから始まる。
液状のものとゼリー状のもの二種類を鼻腔内に噴霧するのだが、この時はプールにいきなり飛び込んで鼻から水を吸ってしまったようなちょっと嫌な感じがする。続いて胃カメラのファイバーと同じ直径の柔らかいファイバーを通してみる。まれに鼻中隔湾曲などでファイバーが通りにくい人がいるからだという(その場合は、この胃カメラを口から入れる)が、私の場合はすっと入った。
本番、ファイバーはテスト用と違い、やや硬いので、鼻の奥に触れた時はかなり違和感があるが痛みというほどでもない。さらにファイバーが奥に進み、喉を通過する時には再び違和感があるが、嘔吐感はまったくない。内部の様子はそのままテレビモニターに映し出される。
なによりいいのは、口が自由なため、医師と会話が出来ることだ。やや困ったのは胃を膨らませるための発泡剤のガスが腸を通過し、オナラが出ることだが、医師は我慢せずに自由にやってください、という。
所要時間は約二十分。生検(胃の組織を一部切り取って検査すること)の結果は二週間後でないとわからないが、検査自体は非常に楽だった。
胃カメラだけは絶対に嫌だという先入観をお持ちの方は、かかりつけ医師に相談してみたらいかが。
(ヘルシスト編集部 鏑木長夫)


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