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人&ライフ 篠巖さん

2006年06月15日 | コラム
 平成14年3月稲毛中学校校長を最後に定年退職し、4月には鍼灸専門学校へ入学。3年後の17年3月に卒業し今年5月美浜区高浜に治療院を開院した。
 「第二の人生ですね」の問いに「いや、これがスタートです」とにやり。「では今までは」に「ウオーミングアップですよ。ハッハッハッ」と豪快に笑う。千葉大学卒業後教職一筋に定年まで務め上げた。それが何ゆえに「ウオーミングアップ」なのか。「最後まで〝教育とは何か〟の答えが見つかりませんでした」
篠崎先生はどんな「先生」だったのだろう。
「何でも生徒といっしょにやりました」。休み時間は一緒に校庭へ、掃除も一緒にした。職員室の先生の席が温まることは稀だったとか。それでも心がつかめない子どももいた。「たぶん私が原因で不登校だったのではないかと思われる事例がありました」
在職中から東洋医学に目覚め手当たり次第に文献をあたり独自に研究を進めた。
「東洋哲学の中にその答えがあると確信しました」
院名の「天人洞」は「天人一如」から。「洞」は「駆け込み寺的位置付けにしたい」と話す。「治療院は副次的なもの」と言い、院内の3分の1のスペースにはソファやテーブルなど置かれ、憩いの語らいの場として利用できるようになっている。
 「始まったばかりです」と見つめ返してくる瞳の向こうに篠崎先生の目指す理想のゴールが一瞬見えた気がした。治療院のある「いなはまショップ」の天井にいくつものツバメの巣がある。今を盛りに親ツバメたちが子育てに奔走している。鼻先を掠め飛ぶ彼らを見やりながら「ツバメのいるところは栄えるという言い伝えが私の生まれた宇都宮にはあります」
    文 やまもとみどり


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