天国に歌う

２３日はＢＡＳＳＯでのライブでしたが、ライブの前に大切な大切なお別れがひとつありました。

伯父のお葬式でした。

うちの親戚は「フーテンの寅さん」の浪花バージョンみたいな男が多いのですが、
その中にあって異彩を放つジェントルマンでした。

日曜日でもＹシャツにネクタイ。
毎朝４時に起きて読書をし、同じ喫茶店の同じ席でコーヒーを飲んでから出勤。
お酒も飲まない、煙草も吸わない。
甘い物が大好きで、ショートケーキや善哉が好物でした。
若い頃は野球をしていたそうです。
俊敏にキャッチボールをする姿を見て、イメージとのギャップに驚いたこともあります。
歌が大好きでした。
なんと若い頃に田端芳雄さんの楽屋に押しかけ弟子入りを志願したこともあるそうです。
お芝居、映画、ドラマ、時代劇も大好きでした。

だから僕が画面の片隅に映るだけでも大喜びをしてくれました。
僕が出る舞台には必ず足を運んでくれました。

他にもいっぱい。

息子のようして見守り育ててくれた恩人です。

優しい伯父さんでした。


色んなスケジュールが重なる中で、
さらに各方面の皆様にご理解を頂き、
しっかりとお見送りをすることが出来ました。

そして、その夜、僕はライブハウスで歌いました。
レクイエムと呼ぶにはあまりにもお粗末な歌です。
でも、これからも歌うだけだし、これからも演じるだけです。

これから、すべてのステージを伯父さんに捧げよう…なんて勝手に思っている放蕩の甥です。


ねえ、僕らをどこかに連れて行ってくれないかい
昔の記憶 未来の果て どちらでもいいよ
幸せだけ 幸せだけの国へ
飛んで行けないの？
（『天国まで』より）


ありがうございました、ありがとう。
幸せでした、幸せです。

強く明るく生きてゆきます。