久々に王毅

扱う記事が多少古いですが、ブランク明けなのでご容赦下さい。リハビリにつき合わせるのもどうかと思いますが。

 駐日大使王毅、中国語で演説 歴史に正確に対応
http://news.sohu.com/20050817/n226705847.shtml

"歴史を忘れず、未来を切り開く"をテーマとした中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争勝利60周年国際学術検討会に参加した王毅。村山元総理のご挨拶付きです。参加者の、「日本、中国及びオーストラリア、ドイツ、韓国など」の"など"はどこですか。大使の要旨は以下の通り。

第二次世界大戦は正義と邪悪の争いであり、希望と絶望の対決であり、平和を愛する各国人民が血を浴びて奮闘した結果、軍国主義とファシズム勢力を倒し、人類の歴史の新紀元を開いた。満州事変から1945年の日本無条件降伏まで、中国人民は勇敢に外敵の侵略と14年の長きに渡って戦い、反ファシズム戦争の東方の主戦場となった。

歴史を正確に扱うことは戦後の国際秩序の礎であり、日本の平和発展の礎である。また中日関係の保持と健康的で安定した発展の礎でもある。

日本国内には、ずっと侵略を否定し美化する勢力がいることを警戒しなければならない。「侵略にはいいところもあった」「裁判は無効だ」「戦犯は無罪」など、日本と隣国の関係改善と発展の大きな障害になっている。

近頃、日本国内で侵略の歴史を認めず、過去の決定を覆そうという軍国主義の声が高くなっている。現首相の小泉が就任以来複数回靖国神社を参拝し、中国及びアジア国家人民の感情を激しく傷つけた。小泉は衆議院を解散し9月11日に総選挙が行われるが、右翼勢力の支持を取り付けるために、小泉は参拝を続けるかもしれない。

とかなんとか。中国語で進めたのに何故か拍手が何度も起こったとか。日本でやるのに中国語でやる必要がどこにあるのか。そもそも王毅、お前は喋れるのが唯一のウリだろうに。何か聞かれるとまずいことでもあるのか。

他の参加者(ドイツの中の人は音から名前を起こしているので違うかも)

姜尚中(韓国。え?):現在の根本的な問題はいわゆるアジア隣国の反日ではなく、日本がアジアから抜け出そうとしてるところにある。アジアはもはや過去のアジアではなく、日本は正確にこの変化を認識していない。

許介林(台湾):日本は明治維新から1945年の敗戦までが略奪戦争の歴史だった。戦後の日本は未だ戦争に対して真剣な反省をしていない。

フィッシャー(ドイツ):日本はドイツと常任理事国入りしたいと願っているが、ドイツの戦後処理は被害国の承認を得ているのに日本はまだだ。「新しい教科書」の出現は歴史を否定する傾向であり、憂慮すべき問題だ。2001年、ドイツは当時の強制労働者に賠償を行ったが日本は一部に賠償をしたものの法律的に行っているわけではない。

ああ、学生に電波を浴びせる興行かと心配しましたが、夏休みでしたね。というか参加したはずの日本人の要旨がありません。

それにしても嘘つきが揃いも揃いました。各国の代表者はそれぞれ各国の立場を代弁してくれています。しかし、ドイツの戦後処理は日本とは違うなど、特に目新しいものではありません。ネタ切れです。注目すべきはやはり王毅の発言です。

"国内で勢力を伸ばす"右翼"の支持を得るため、小泉首相が靖国神社を参拝する、なんて王毅だけではなく中共全体が本気で思っているとしたら。やはり日中関係のキモは靖国問題であると向こうは考えているようです。それだけデリケートな問題なんでしょう。

小泉首相が言ったとされる「(日本人の)心の問題に踏み込んだことを中国は後悔するだろう」。キジも鳴かねば撃たれまいですよ。騒がなきゃ日本が"右傾化"することなんて無かったのに。

参拝やめてくれないと国内がめちゃくちゃになるなんて。

 首相の靖国参拝取りやめ要求=「国内政治情勢、大きく変わる」-中国高官
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050725-00000070-jij-int(たぶんリンク切れ)

【北京25日時事】北京を訪問している戸塚進也静岡県掛川市長(元衆院議員)は25日、中国共産党対外連絡部の李軍第2局長(アジア担当)と会談した。

李局長は小泉純一郎首相の靖国神社参拝について、「小泉首相が参拝すれば、中国国内の政治情勢が大きく変化する可能性がある」と述べ、参拝が行われた場合、中国側の対日姿勢がさらに強硬になる恐れがあることを示唆し、参拝取りやめを強く求めた。戸塚市長が会談後明らかにした

どうなるんだ。ぜひ原文でどう言ったか知りたい。対外連絡部と会談してるって事は、この市長はって、尊敬する人物が胡錦濤だよ。しかも20年来の友人だよ。"アジア諸国"も好きそうだし。

あ、日本の無条件降伏なんて言ってるのもどうかと。日本軍でしょ。

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関係ないけど。

駐日中国大使、6カ国協議の意義強調
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20050816AT2M2200D15082005.html

 中国の王毅駐日大使は15日、首都圏のFM放送局J―WAVEに出演し、北朝鮮の核問題解決を巡る第4回6カ国協議について「難しいが(解決には)これしか道はない」と協議の存在意義を強調した。大使は第1―3回協議で議長を務めた。

3回もやって全然進展が無かった会議の議長はどなたで。自分及び母国の無能を惜しげもなく晒す大使に敬礼。
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中国は日本に勝利した。したんだ

今年は抗日戦争勝利60周年です。中国が日本に勝利した、ということだそうです。

人民日報:中共は全民族団結による抗戦の支柱
http://news.sina.com.cn/c/2005-08-15/05306690747s.shtml

この手の論評は以前にも紹介した気がします。見出しに見覚えがあります。要約すると

「日本の無条件降伏は、この1世紀で中国人民が初めて外敵を打ち破り、中華民族が衰退から発展への重大な転換点となった」
「弱かった中国が最終的に強敵に勝つという奇跡を成し遂げたのは、共産党が全中国人民の意思を代表し、返り血を浴びるような最前線に立って偉大な抗日戦争を指揮したから」

というところになろうかと思います。

各所に中華人民共和国国家の歌詞が散りばめられるなど、非常にイタい文章ではありますが、人民日報なので当たり前。15年戦争をにおわせ、自国内での勝利を誇るだけでは飽き足らず、日本の侵攻を中国で食い止めたなどの新説をばら撒き、最後に「我々の心は一つ。中華民族の輝かしい未来に向かって、前進」で締めるという徹底ぶり。これを書いた人民日報の中の人は、書いている時は気持ちよかったでしょうね。

共産党にも言いたいことはあるでしょうから、トップが延安にいながらどうして支柱になりえたのか(精神的支柱とかかな)、数々の会戦で偉大な勝利を収めながら全体的な戦局は押され気味だったとか、実際に日本軍と戦った国民党の3文字が1回しか出てこないとか、色々突っ込みどころは満載ですが、そこはあえてスルーしてあげましょう。

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ところが、抗日戦争における中国の役割など紙くず同然と言ってのけた人がいます。「日本の敗戦はアメリカの大爆撃と海上封鎖」とし、人民日報=共産党の主張と完全に逆をいくもので、アメリカの参戦が無かったら中国人は早晩亡国の民となっていただろうとまで言っています。

「面倒だから」と彼の主張を要約してくれていますので、それに乗っかります。

 呉康民:中国は日本敗北に多大な貢献
http://hk.news.yahoo.com/050817/12/1foiq.html

1:中国の8年間の抗戦で多くの日本軍を殲滅し、また日本軍をけん制した。日本軍の中国における死傷者は400万人を超え、1941年太平洋戦争が発生した当時日本の総兵力は51個師団だったが38個師団が中国に投入された。中国での投降時には108万で、どこの戦地よりも降伏した数が多かった

2:米軍が太平洋戦争に参戦し、海・空軍が日本軍を殲滅し、最後には原爆を2発投下し、日本を屈服させた

3:ソ連が最後に参戦し、関東軍の精鋭を壊滅させ日本の退路を経った

これだけ読むと1が主要な原因としか思えませんが。原文では「アメリカの力を過大評価しているだけで事実に異なる」と明報の怒る通り、アメリカの貢献を第一にしています。


 蔡子強:中共は日本の敗戦にどのような貢献があるのか
http://hk.news.yahoo.com/050811/12/1fh8z.html

確かに、日本は中国の戦地へ陸軍の兵力を大幅に割いており、南方への戦力投入をある程度は遅らせたかもしれないが、日本の敗戦時に中国にいた200万の陸軍はボロボロになってはおらず、これが日本敗戦の原因になったとは思えない。だから、日本は中国に負けたなんて思っていない、というのが蔡子強教授(香港中文大学政治学)の主張なのです。

教科書を改ざんとか言っている人なのでアレですが、明報(おそらくは中共中央も)「事実と異なる」と猛反発するのもうなづけます。戦勝国としての貢献が台無しですから。モスクワでソ連の参戦に賛意を表し、「ウチも頑張ったんだよ」と言ってみても、誰もほめてくれる人がいません。だって勝ってないもん。あ、言っちゃった。

それでも自画自賛し、「抗日戦争勝利60周年記念」を盛大に祝わって、いちいち勝利を確認していなければやっていけない国です。

9月には日本軍の中国における武装解除や満州事変など、記念日が待っています。また衆議院選挙後の靖国参拝や、中共トップの入れ替えも十分ありえる状況です。

そういえば、尖閣諸島の灯台接収は春節直前に行われ、中華民族の大事な休日を目前にしての暴挙で人民の感情は傷つくわ、抗議行動は休みを挟んだのでグダグダになるわで散々でした。"918"に合わせて参拝し、また人民の感情を傷つけてみるのもありかと。十一でも可。

私の文章もグダグダですね。
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ブタを食えない中国人

お久しぶりです。

次回の更新は18日以降の予定でしたが、とある事情で旅行先から帰れなくなりまして、こうして新しいエントリーを書いています。決してやる事がないからじゃないですよ。多分今日の午前中には帰宅できると思います。そうでないと昼からちょっと用事が…はい、私の予定など誰も聞いてませんね。うかつに寝ると乗り遅れるくらい早い出発なので徹夜となっております。テンションがいつもより高めな分、細部にミスが発生するかもしれませんが、元に戻ったときに直します。たぶん。

実は15日に靖国神社に参拝してきました。前回のエントリーで匂わせていたのでやっぱりかと思われるでしょうが、本当に偶然です。15日が1日丸ごと空いたので、「じゃあ参拝してみるか」と突然決めました。私はいつもこの調子なので、自分でも先が読めません。いつもはあんなに混んでいないんでしょうね。鳥肌実らしき人もいましたが、目の錯覚でしょうか。

さて、選挙公約として小泉首相が掲げていた8月15日の参拝はなりませんでした。小泉首相には選挙が終わった秋の例大祭にでも参っていただきましょう。本当は15日に参拝して中国がどの程度キレるか、暴動がどの程度まで広がるか見たかったのですが。残念。

石原閣下や西村議員、金美齢さんなどいわゆる中国の嫌う、"右翼"が来ていましたねえ。金さんと白人が揉めてましたが、アレはなんだったんでしょ。一般人が20万人が訪れたんですって。万単位で大使館やスタジアムを取り囲んでも「一部」と言ってのける国ですから、20万人でも極少数の右翼には変わりないでしょう。人口から言えばたったの0,2%弱ですから。いやー少ない。

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このままだと、ただの日記になりかねないので外交部の反応を。

 孔泉:日本の一部閣僚と国会議員参拝について
http://www.fmprc.gov.cn/chn/xwfw/fyrth/t207234.htm

日本の一部の政客は中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦勝勝利60周年の今年、依然として軍国主義の代表的な人物である、A級戦犯を祀った靖国神社を参拝している。(中略)日本軍国主義の最大の被害国として、日本政府に実際の行動で歴史を正視し、侵略を反省し、二度と被害国人民の感情を傷つけないよう求める。

いつも通りのテンプレート発言です。問題視してるじゃん。もうお忘れかもしれませんが、5月ごろに駐日お笑い大使王毅が首相、外相などのみに限定した参拝を行わないとした、「紳士協定」なるものを口にしてましたね。密約をバラすバカがどこにいる。ここにいる。

本国からのバックアップもなく、吐いて2秒後にばれるような低次元の嘘でしたが、これで王毅は嘘つき大使として確定しました。何のためにした発言なのかいまだに理解できません。国際社会がどうたらお垂れになってますが、嘘つきは支那人の始まり、嫌われますよですよ。あ、もう支那人か。ていうか嫌われてるか。

余談ですが、"支那という隣人"にブログのタイトルを変えようかと一瞬考えました。が、気違いにコメント欄を荒らされたりめんどくさそうなのでやめときます。幸いというべきか、無名だからか強烈な人にはお越しいただいていません。来なくてもいいですけど。

"中国"の方が検索しやすそうですし。アクセス解析なる便利なものは使ってませんので、皆さんがここまでどうやってたどり着くかは全くの謎です。最近ではマイネザッへというブログを購読するようになりましたが、どうやって見つけたんだっけ。先月のことも忘れる年齢になりました。

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我ながらグダグダです。

ちょっと目を離すと色々事態が進行してオチオチ旅行にも出かけられません。ブタは深圳当局が河南産の豚肉を回収した件で問題になっています。御家人さんが詳しくやってますので丸投げするとして、香港人も流石に国境を越えた、いや本当は国境はないんだけど隣接する深圳での騒動に反応したのか、豚自体の購入をやめるか、もしくは外国産の豚を購入してこの事態を乗り切ろうとしています。

いいですね、香港人は「食べない」「買わない」という選択肢もありますから。選べないのは発生源の資陽市民でした。香港もほとんどを大陸に頼っているので、このまま続けばどうなるかわかりません。観光客の足は遠のきそうです。

という訳で、出発の時間が来ました。これからもよろしくお願いします。
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次の更新は18日以降です

今から遠出します。恐らく18日までは更新できません。

ちょっとだけ小話を。

2001年の8月13日に小泉首相が参拝したことを全く知らないまま、南京捏造ランドを見て、某地方都市へ向かう途中の私は、食堂車で男に話しかけられました。「どう思うか」と。不勉強だった私はどうも思いませんでしたが、面倒なので「小泉にはよく言っておく」とだけ答えておきました。

この手の話題を振られるのは面倒なんですよ。なんで旅行中にそんな話をせにゃいかんのでしょうね。場所が悪い?ごもっとも。

それでは皆さん、失礼します。
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モグリだ、ヤミ炭鉱だ

広東省梅州市興寧の鉱山事故の被害者が、123人に上方修正されました。やはり外地人が過半数を超えています。(リンク)。また、梅州市長と、梅州が直轄する興寧市の市長が、闇炭鉱を野放しにしていたとして職務を解かれました(リンク)。

興寧市長は先月の事故の際に「鉱山のエラい人は逃げたが、政府はまだここにある。絶対に2度目は起こさない」とカッコよく語っていたばかりの大事故でした。

こいつらが鉱山のエラい人と共にイケニエとなるんですね。現在65名の炭鉱職員が逃亡中。早く出頭しないと知らないよー、法的手段取っちゃうよーという当局の恫喝付きです。

今から山西省の炭鉱事故を振ろうとしているんですが、その山西でもモグリ炭鉱における死亡事故が7月30日、31日に起こっています。

30日に汾西県で2人が溺死。31日には原平市で一酸化炭素中毒が原因で亡くなった6人と合計で8人が死亡。すでに原平市政府と遺族の間で少なくとも20万元の賠償金が支払われています。お、ここでも相場適用。

で、山西省の話。8日に福建省福州でバスが爆破され、1人が死亡した事件について、昨日のエントリーで少しだけ触れましたが、同じ8日に山西省で連続して爆発事件が発生していました。自爆テロ風味ではありませんが。

午後2時。汾西県の炭鉱付近で爆発し、10人以上が死亡という通報がありました。実際は1人が軽傷を負っただけとのこと。この暑さで、発破用の火薬が自然発火したんでしょうか。

午後5時。同じ汾西県の別の炭鉱で爆発が起こります。地元の郷政府は「状況は不明」と記者の電話取材に応えています。

そして2時間後の午後7時。汾西県、またです。闇炭鉱が爆発したそうで、「200箱という大量の爆薬が爆発した。いっぱい死んでる。早く来い」という電話によるタレコミが入りました。しかし現場には「道路事情」でたどり着けませんでした。住民が事件に対しなぜか口を閉ざしており、真相は分からないまま。

しかし、汾西県は7月25日にも炭鉱が爆発して7人が死んでおり、「隠蔽される前に」と、前回の事故で家族を亡くした遺族がタレこんだんでしょうか。闇炭鉱ですから、事件が起こっても闇から闇へ、なんてのはザラなんでしょうね。8人が死亡した事故も汾西県でのもの。山西晩報の記者は「引き続き追っかける」としていますが。汾西県、何があるんでしょうか。
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