梅州鉱山事故:人災でした

10日ほど放置していました、広東省梅州の鉱山事故です。

 広東省:採掘権の乱発を認める
http://hk.news.yahoo.com/050815/12/1flo1.html
 広東安全監督局「興寧炭鉱事故を検討」
http://www.thebeijingnews.com/news/2005/0816/05@001503.html

既に死体が2体発見されているこの大事故ですが、15日に広東省安全生産監督管理局が、大興炭鉱(1ヶ月で2度事故を起こした鉱山の持ち主)が安全生産の許可証を受け取れなければ生産停止となり、中央の出した目標達成をできないだろうと考え、正式な採掘許可を受けないまま発掘させていたことを認めました。

「法的観念が薄かった」(by陳建輝局長)

のはいつもの事ですが、この局長もクビですね。さようなら。しかし、これだけではないようで。

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違法に鉱山経営を続けるにはそれなりの協力者が必要です。7月にも1度事故があって死者が出ましたが、採掘を続けられていたのもこの協力者のおかげ。安全生産許可証を出したのも採掘に必要な爆薬を融通したのも、協力者のお陰。これは生産停止すると地元を支える税収がストップし、地域発展に影響を与える、などといった心配からではありません。

同鉱山の使途不明金が約15億元に達しており、月収数千元の警官が2900万元もの財産を所持してるといいます。また、65人の株主の半数近くが地元公安、財政、安全管理などの公務員やその家族親戚が名を連ねていたとも。一部は中央や広東省の捜査の手が及ぶ前に逃げました。

(リンク:

曾雲高という炭鉱の董事長は、農民の出で中卒。そこから懸命に働き警官を経て炭鉱のオーナーになった。数百万元もの寄付もした。までならサクセスストーリーでした。

興寧市人大代表に選出され、梅州の人大代表にも推薦された経歴から、15億元もの使途不明金は警官のように彼らの懐に入るか、賄賂として使われていたと推測されます。

お金持ちが捕まるとその自宅を拝見するのは中国も同じのようで、3階建て12部屋の豪邸が紹介されています。他にも数軒別荘があるとか。現在自宅で監視を受ける董事長は、そのうち別の別荘に入る訳ですが。

年産60~80万トン、2000名の労働者と億単位の資産を抱える鉱山の董事長です。彼は興寧経済発展の貢献者として、表彰もされた地方豪族です。これでは何度生産停止命令を受けてもすぐに復帰できたのも無理からぬこと。典型的な土皇帝(地方豪族)ですねえ。

(リンク:

そのツケがこれ↓

広東鉱山事故:水を抜き取るのに600日 工員の生存絶望
http://news.sohu.com/20050819/n226722100.shtml

でもね、1人20万元だから余裕。123人で2460万元だから。記者にばれたっていいんだし。

 記者?数百名 河南へ「口止め料」受け取りに
http://news.qq.com/a/20050819/001080.htm

全国クラスのメディアを名乗ると500元から1000元、省クラスなら500元を限度に、市クラスなら200元だそうです。480人が殺到したとか。

この事故の後では、吉林で発生した16人が生き埋めになった事故など霞みますねえ。
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