:Aqua mode planning:

nonfiction in fiction

「妄♂想♀L♀O♀O♀O♀O♀P♀!!!!!」#004【2012.11.23】感謝。by:松本隆志

2012-11-25 03:51:25 | 【04】妄♂想♀L♀O♀O♀O♀O♀P♀!!!!!


・むらむら
「あいしてるよ。」の時に続いて、まともな人間の女性を演じてもらう時は出番が少ないね。君がいたから他の人々を誘いやすかったのが多分にある。いずれ企画のもっと初期段階から関わってもらう時があると思うので、今後もよろしく。

・かくぽん
何気に組むのは三年振りでした。打ち上げで楽しそうにしていたのが何より。あの時に同じ席にいたのはみな柏で演劇を始めて日が浅い人々だったので、今後も仲良くしてやってください。

・みっちゃん
稽古場で見せた最初のポーズは控えめじゃなかったけど、個人的には面白くて好きでした。演出家の指示を一方的に待たず自らもアイデアを出せる人が役者には向いています。その想像力を活かせる場を今後も用意します。更に演劇を楽しんでくれれば。

・らすかる
急がしそうだから「綺羅星ダイアログ 第三楽章」以降は機会がないかと思ってたけど、何かと声を掛けているね。いつも返答が早いので助かってるよ。大入り袋を渡せていないから、それはその内に。

・ヤマネ
細かく聞いてないけど何か大変らしいって噂を聞いていて、むらむらからも誘うのは微妙かもと言われていたのだけど、誘いたかったので声を掛けました。タイミングさえ合えば今度はもうちょっとしっかり組める時に呼びたいとも思っているので。

・ももこ
演出家として望んでいた事が出来ていたのであんまりダメ出しがなかった。一回目の上演で走り去って『絶対、返事くださいね!』は、配役する時に想像していたより可愛くやってくれたので満足でした。

・まやちゃん
まさか7年近く経っていたとは。二人で食事をするのが初めてなのは意外だった。今回は演出家としてがっつり組むというよりは、今の自分の周りの人々や環境を見てもらうくらいの感じだったね。いずれまた機会があれば。

・マアム
あの役がなかったら稽古はもうちょっとピリピリしたムードだったかもしれないので、いてくれた事自体が既にかなりの功労でした。そろそろ次のステップに進む役を与えられる様に考慮しています。

・ジェニファー
柏市民活動センターの鬼山さんが本番中に少し撮影してくれてたから、写メ取り忘れたのあんまり気にしなくていいよ。

・ミキティ
突然の車両手配とテーブル保管、助かりました。来月は出演者としてよろしくお願いします。

・きゅっきゅさん
一番最初にむらむらに企画概要を説明した時にすぐスタッフ参加を申し出てくださってありがとうございました。二回目は観てもらえたので、声を掛けそびれてすみません。

・大築くん
負担の多い役どころを遣り遂げてくれて、お陰でこの演目を上演する事が出来たよ。限られた時間の中で言葉足らずの演技指示になった部分も否めないので、次回は腑に落としてしっかり消化出来る指示の下で組む事が出来れば。


他、ぽかぽか市へ参加された方々・当日に観てくださった方々・上演を気に掛けてくださった方々・この文にお目通し頂いた方々に感謝いたします。

「妄♂想♀L♀O♀O♀O♀O♀P♀!!!!!」#003【2012.11.23】本番当日。by:松本隆志

2012-11-25 01:41:22 | 【04】妄♂想♀L♀O♀O♀O♀O♀P♀!!!!!
当日の朝、既に小雨の状態。

03で提示した「ぽかぽか市は11/23(金・祝)に開催されるも、本番寸前に雨が降って上演のみ中止」への懸念を残しながらも、朝9:30に柏駅東口にて集合。上演場所となる歩行者天国を通過、周辺状況を出演者達に説明してから柏中央公民館へ。

10:15頃、稽古開始。
まず荒通し→コミュニケーションの為のゲーム→細かく調整。通常であれば自己紹介やコミュニケーションを最初に行う流れかもしれないけれど、今回に関しては出演者達も当日のみの稽古と分かった上で参加しての今日。緊張感がある内に演目概要を把握させて、打ち解けるのはお互いの役どころを共有したその後で良しと判断。
稽古の進みは割と順調。今思えばこれは理屈よりも感覚の女性が多い座組だったから上手い事いったのかなと。衣装も基本的には本人達に任せて事前に写メを送ってもらうやり方。男性より女性のほうが基本的には場の雰囲気に合わせるのが得意だったりお洒落だから、場違いな行動やダサい格好には敏感ではないかと。




12:15、稽古終了。
役者は全員が客演だから心身ともに無事に各団体へお返しするべきである為、体調には充分に気を払う様に告げる。
稽古を行っていた場所自体は13:00まで利用可能な為、確認の必要がある出演者は12:45まで自主稽古をしてから上演場所へ向かう様、その場の管理を村山に託す。
ぽかぽか市はフリーマーケット出展がメインのイベントである為、自分を含めた数名販売ブースの設置準備を。

13:15、現地で再集合。スタッフ参加の三人と合流。
上演場所で場当たりを開始。ゲスト出演者、要は上演中と察する事無く我々の居場所を往来していく人々が発生するのを先読みして、役者を円形に配置。「この範囲でやってますよ」と伝えるつもりだったものの、それでも強引にあえて割り込むかの様に突っ込んでくる人々が。そうなる事も先読み済みだった為、適度に道を譲って衝突トラブルが起きない様にと役者に伝達。

13:30、他団体のリハ終了待ちの後、雨が小雨から更に強まる。

13:40、柏市民活動センタへーの確認を経て、本番スタート。
たまたま街を歩いていた人々が、傘を差しながら立ち止まったり、店舗の軒先で雨宿りをしながら観劇してくれる。すかさずスタッフを向かわせて、上演演目の説明・物販商品の説明・今後の柏市周辺での上演情報を記したチラシを配布。
CoTiK団員や、柏市民活動センター職員、柏市役所職員の姿も。この街に演劇がある事を誰より感じたかったのが自分であると、この時に再確認していた。




14:00、終演。
雨は更に強くなる。二回目の上演をどうするか検討。
自分としてはこの雨量が続くようであれば役者に無理をさせたくなかったものの、ふと物販ブースのテントの下に上演場所を変更出来ないか思い付いて、柏市民活動センターへ確認。許可が出る。

14:15、上演場所をテント下に変更。演目の修正稽古を行う。



14:40、二回目の上演。
向かいの店舗の広い軒先でご婦人が立ち止まったり、かなりの雨の中で傘を差した男女がテントの正面でしばらく立ち止まったり、すぐ近くのスポーツ店員の青年がスニーカーに紐を通しながら店舗の入り口で立ち見していたり。
男女は途中で離れたものの、『面白いね』と言ってくれたのが聞こえた。演目の内容ではなく、そういった場で上演していた事に対しての感想であろう。それでも今日この場の目撃者となってくれたその意義は大きい。そして店員の青年は、自身から見え辛い角度になった時には体勢を傾けてなお観ようとしてくれていた。

15:00、終演。
管轄している柏市民活動センターを介さずに遣り取りをして不具合になったらと控えるつもりだったものの、青年の元へ店先を騒がせた事を謝罪しに向かった。『大丈夫ですよ』と返してくれた笑顔が社交辞令の一環と分かっていても、救われた想いがした。


上演の成果は概ね良かったと言えるはず。
目的の半分、道行く人に千葉県柏市で上演される演劇を観てもらうという点については達成出来た。後は柏市民活動センターの発行する冊子「かしわんぽ」がより多くの人の手に渡ってくれれば幸い。

別途、残念だった点。
上演中に自転車で突っ込んで来ようとして、舌打ちを鳴らして迂回した人々がいた。あなた達、自転車は車両扱いですよ。歩行者天国のド真中を我がもの顔で走行していた自身の行動をよく思い返して欲しい。幼児との衝突事故などを起こしてしまう前に。

「妄♂想♀L♀O♀O♀O♀O♀P♀!!!!!」#002【2012.11.23】本番まで。by:松本隆志

2012-11-24 17:33:59 | 【04】妄♂想♀L♀O♀O♀O♀O♀P♀!!!!!
「作り手として作りたいものをリスク覚悟で作ってみよう」。

CoTiKでの作品創作は市民が元から持っている力を活かすのを念頭に置いているので、オーバーワークをさせない様にしています。させる時もあるけど、それは後の成長を踏まえて結果的に破綻しない範囲内でのオーバー。かといって妥協点を探すのではなく、役者と演出家との適切な折衷点を探しながら。
しかし自分が代表・制作も兼任して団員の個人事情や運営進行まで鑑みると、肉体的にも精神的にも怪我をさせない様になどと考えてしまう部分がありました。これに関しては貢献度や達成感を下げるのは如何なものかと、今後改めようと既に団内での話し合いを経て指針を改めたのですが。

一方、:Aqua mode planning:は個人活動を行う為の名義。あくまで自分のやりたい事が優先なので、アグレッシブな意味で無責任になれる。

当初思い浮かべた演目は、自分とCoTiK副代表・村山香菜との二人芝居。
「ロミオとジュリエット」に、現代に通ずる必要以上に具体的な注釈をふんだんに盛り込みながら駆け抜ける様に進行させるというもの。タイトルこそ有名でありながら詳細に内容を知られていない演目を租借して届けようという意図と、CoTiK旗揚げ演目へのオマージュもありました。
村山を誘ったのはCoTiK以前からの演劇経験者であり、ある時期から演劇熱が更に高まっていた様子だったのと、稽古を進めるに当たって意思疎通が早い相手と思えたから。

自分自身は役者に必要である継続的な自主鍛錬が間に合っていない身で舞台に立ちたくないなど、いくつかの要因が重なって近年は役者メインでの活動を控えていましたが、能力を把握した上で適した素材として出演する分には具合がいい。役者としての意思で出演したいというよりは、演出家としての判断からでした。
先述したように大きな声と動きを想定していたので、仮に演技で身体的ダメージを負っても自分なら構わないという判断もあり。それだけ大きな声と動きでの演技をしたかったのです。

しかし、これに村山からのノーが出ます。

「稽古進行を考慮すると既に疎通の適う少数人数」と「路上パフォーマンスで目立つにはとりあえず大人数」の二つの可能性があると告げたところ、後者を希望されて『せっかくならたくさんの人とやりたい』と返されました。
人との触れ合いを好むタイプだし、あとまぁ生理的に『なんか違うな』と思ったんでしょう。女性の直感というのは、大抵の場合は当たっているものです。自分が実は嫌われていて『二人きりは嫌だ』という意思表示ではなかったと思います。思っておきたいです。

やりたい事をやるというのは、何としても二人芝居でなければならないという意味ではないし、好き勝手をやるにも早く仲間を引き込んだほうがいい。自分の為だけの企画よりも、共同体として関わる人々のいる企画に展開させたほうが頓挫させてはならないという覚悟を背負える。
無責任になれるというのは、市民の身を案じる代表職ではないからという話であって、企画自体の遂行には責任が必要。

この流れから、大人数でありながら限られた時間の稽古で成立する演目へシフトしていきます。「主人公が台詞の大半を発話する→男が妄想を垂れ流す→周囲の女性を品定めして、たくさんの女性がイメージとして登場する」という連想から「妄♂想♀L♀O♀O♀O♀O♀O♀P♀!!!!!」を構想。
主人公以外ほぼ台詞がないので、時間が取れずに演劇活動が出来なくなっている人・演劇活動の蓄積が少なく経験をさせたい人・しばらく組めずに時間が経過している人、拘束が少ないからこそ声を掛けられる人々を召集。全体稽古は本番当日に一度だけ行う意図へと移行。

こうなると既に自分が出演と演出を兼任するのは有り得ない選択。模倣演技の上手い演出助手に代役を頼める状態であればまだしも、自身で役者として完璧にこなしながら多人数の演出を同時に行うのは困難です。
これによって割と早い段階で思い浮かんだ桃氏に出演を依頼して快諾を受けた時点で、自分の中では一つの山を越えた気持ちに。続いて女性キャストへの打診を開始、優先順位を書き出して電話とメールの総力戦。タイミングが合わず見合わせになる人々も多く、劇中の失恋を自分が何度も疑似体験する事となりました。

かくして出演者が決定。
台本が出来て稽古を開始してから更に竹内が合流。女性キャストの人数に合わせたタイトルの♀マークも増加。彼女には台本に存在しない追加の役を与えたので、本番を観た方だけが知れるオマケ的な存在。
桃氏と週一回の稽古を行い、その中で露久保が一度参加、別の日に村山・ヤマネも一度。

本番に向けた準備を進める中、ただただ心配されたのは当日の天候。雨天の場合、ぽかぽか市は延期。

01.雨天にならず問題なく11/23(金・祝)に上演。
02.雨天にて延期で11/25(日)に上演。
03.ぽかぽか市は11/23(金・祝)に開催されるも、本番寸前に雨が降って上演のみ中止。

以上、三つの可能性がありました。

そんな中、一週間前の天気予報で千葉県柏市は、他の日に雨マークが全くないにも関わらずピンポイントで23日(金・祝)が「曇りのち雨」。降水確率40%。それが数日前に更に70%に上がって、降るとされる時間帯がぽかぽか市の9時~15時に。
開催延期の場合には前日までに連絡が入る事になっていて、上記全ての可能性を想定しながら先行きを思い描いていました。

そして22日(木)14:32に柏市民活動センターから留守電への吹き込み。
『明日、決行です』。

「妄♂想♀L♀O♀O♀O♀O♀P♀!!!!!」#001【2012.11.23】再始動。by:松本隆志

2012-11-24 15:11:55 | 【04】妄♂想♀L♀O♀O♀O♀O♀P♀!!!!!
松本です。

:Aqua mode planning:としての活動が途絶えたままだったので、このブログで日記を書くのは5年振りになります。

新たな意気込みで挑むべく、団体名の改称と共に別ブログの立ち上げも考えていたのですが、結局は「再始動」という形に落ち着けました。初心に立ち返る事も時には必要だけど、その度に過去を白紙に戻していては先に進めない。過去から続く次の一歩の為の活動でありたいと思ったから、再始動を選びました。

そもそもの動き出しは再始動の為ではなく、都合が良かったと言うほうが正しいです。

自分はMrs.fictions所属と共に、現住する千葉県柏市にて柏市民劇場CoTiK代表職に就いています。個人ブログで触れる事がありますが、千葉県柏市は演劇文化の発達した地では決してありません。
何よりも愛して生業としていたい分野が、自身の生活圏内での灯火を終えようとしている。それを横目にしていられないという気持ちと、今までに出会って演劇の世界にいる自分を生かしてくれた人々への感謝を還元する意識で代表を続けています。

上演の為に今回参加したイベントは「柏市民活動フリーマーケットぽかぽか市」というもの。

柏駅東口に、平たく言えば市役所の分館である柏市民活動センターがあり、そこに登録をしている市民団体が参加。CoTiKも旗揚げ当初から登録してお世話になっています。このイベントの中にパフォーマンス枠がある為、今回の上演に至りました。ただ、CoTiK名義の登録なので、本来であればCoTiKそのものが上演を行うのが通常の在り方。
今年のCoTiKは旗揚げ5周年という事で、公演・イベント・ワークショップなど毎月企画を継続中。流れからすればこのぽかぽか市に参加しても良かったのですが、間を置かずに演目創作を続けて不充分な準備のままで披露するのを良しとする訳にはいかず。

とはいえ、往来の多い駅前の歩行者天国で開催される行政イベントに演劇の参加がないのは痛手。

他に演劇団体の参加は皆無なので、市民にも行政にも「柏市に演劇がある」というアピールが出来なくなる。この状態では演劇を初めとした文化振興への意識が下がる一方。下がるならまだしも、そもそも意識自体が存在しないのが現状でしょう。現に事業仕分けで芸術文化は死ねと言わんばかりの仕分けられっぷりがありましたが、それを知る人が世にどれだけいる事か。


不況という言葉自体に臆病になって目の前の生活を如何に潤すかが命題になってしまって、心の豊かさを得る為の娯楽を不要なものと位置付けているのが今の日本。
他の国は日本より収入が少なく生活水準が下であっても、如何に有意義な人生を全うするかの意識の中に絵画や音楽や演劇を楽しむ文化があります。適度に働いて、個人としての時間も大切にしているのです。それこそイギリスを手本にした日本の議会が、シェイクスピアが大きく功労してイギリスで発展した演劇を殺そうとしているのは何という皮肉。

これは自分が普段よく言っている話なのですが、日本人はちょっとずれた感覚で勤勉になりすぎた気がします。戦後の復興の為に一生懸命に働いた方々は、確実にその一役を買った戦士達。高度経済成長は確実に彼らのお陰。
しかしいつまでも同じ水準で成長出来る訳もなく、なのにその後にも残ってしまったのが「でもまだたくさん働くべきなんだ」の意思。その中で生まれた流れを端的に言えば「真面目にたくさん働くのが立派な社会人→忙しいほうが偉い→過労死」。

結果、現在では精神疾患を煩う人々が爆発的に増えています。年間自殺者が3万人超。30代までの死因第一位が男女共に自殺。こんな国、地球上に日本しかないんです。自殺の理由は様々だから一概に括れないけど、生きられない理由が「この社会で生活出来ない」という割合はかつてよりも増えている気がしてなりません。
他、行旅死亡人が年間3万5000人以上。行旅死亡人とは「葬るべき人が特定出来ず行政によって火葬された末、無縁仏となった故人」。つまりホームレスの逝去や、孤立死して身内と連絡が取れなかった人々。相手に迷惑を掛けたくないとか自分が恥ずかしいとか他人と関わりたくないとか、誰にも助けを求められずに亡くなるのが行旅死亡人。世間体やプライドが強迫観念になってしまった国が、今の日本だと自分は思っています。

演劇の世界に足を踏み入れた第一歩は、自分がやりたいからという個人的欲求からでしたが、これまで続ける中で自分の人生や社会や演劇について考えを散々と巡らせました。その中で、創作の段階でも披露の段階でも他人とひたすらに遣り取りを重ねて完成させていく芸術である演劇への可能性を、何度となく再確認する機会を得たのです。
仲間と稽古をして本番中も共に結実させて、それをお客様に届ける。それはきっと他の芸術も同じ。表現であるからには一方的に発散するだけではなく、相手にどう受け取らせるかの意思表示があってこそ。それこそが遣り取りであり、分かり合いであり、時には反発。どれにせよ、双方向の人間同士の遣り取り。

この文化をなくしたほうが良い理由は何処にもない。ある程度の素養がないと観方や学び方が分からないなどと言われる事もありますが、人間が何をするのかを見るのが演劇の基本。人間社会に生きているのだから、誰だって人間の行動は絶えず目にしているのです。演劇は対話と同じくらいのもの。物語性とか作品構造とかを見抜く為の娯楽だと思うから難しくなってしまうのであって、観た本人が自身で何を思ったか感じてくれればそれで充分に届く芸術なのです。

それと同時に、こう記す自分だって人の演目を観て「いや、それにしてもアイツのは物語が出来てないし、作品構造もあったもんじゃねーわ。くそつまんねぇ」って思う時だって勿論ありますよ。演劇をやっている人間を全肯定して欲しいなんて気持ちではないです。
演劇の在り方、創作した物が他者へ与える影響について、それどころか自身が行う小さな輪の中以外を一切知ろうともせずに『うへへー、自分さえ楽しければいいじゃん。我々がやっている事を理解出来ないのはセンスが合わない残念な奴らだぜー』って感じの人もいますから。これもまた演劇という分野に限った事ではないのでしょうが。

どうか皆さんがより良い作品や表現者と幸せな出会いを果たしてくださる事を切に願います。


脱線したかもしれませんが、大切な脱線だったのでご容赦を。
以下、何故:Aqua mode planning:でぽかぽか市に参加したのかの続き。

イベントに参加して目立つ場所で演劇が行われているのを、道行く人々に観て頂く。この時点でまず『あ、この街では演劇をやる団体がいるんだ』と知ってもらえる。
そしてこの様子は、後に市民活動センターが編集する広報誌に写真付きで掲載される。これに載るという事は行政イベントの中で演劇が上演された証明。千葉県柏市が演劇を認めているという事。どれだけの人が目を通すかは分からずとも、自分達の近隣に主観的に発信しているだけより、客観的な記事でより遠い人々の目に届く可能性がある。このチャンスをみすみす逃す訳には行かなかったのです。

しかしながらCoTiKで参加するには創作時間が足りず。無理矢理スケジュールを組めば不可能ではないものの、その遣り方に巻き込んで団員の市民生活に支障を与えたら、それはもう市民劇場の域を超えてしまっている。この企画の為に学校や会社を休ませて社会活動にマイナスを出してしまっては、それこそ社会的に相容れない文化になってしまいます。

尚且つCoTiKで行うには作風としての限界も感じていました。路上でのパフォーマンスとなれば、何かをしているらしいと遠目にも分かって気に掛けてもらえる様に、発声も動きも大きめにしたほうがいい。ちょっとした小道具を使って目立つ手法もあったけど、純粋に人間の肉体だけで街のド真ん中で演劇をしたかった。
そうなると普段はその人間力が魅力の高年齢層にも若年齢層にも負担が大きすぎる。肉体的に問題なくても普段と違う作風がタイプ的に合わない人もいる。何より、人の往来の中で上演するからにはどんなハプニングがあるかも分からない。そんな環境に団員を誘い込むのは代表として自分の中でNGだった。

だったらいっそ自分で誘いたい人々に声を掛けて、尚且つ市民劇場の代表を兼任する演出家ではなく、作り手として作りたいものをリスク覚悟で作ってみようとなったのが再始動の切っ掛け。この時点で、10月初頭でした。

:Aqua mode planning:をこれから新たに柏市民活動センターの登録団体にすれば新規の扱いになってしまうし、後にCoTiKとの使い分けが面倒になる。
その為、今回に関してはCoTiKで応募して参加枠を確保した上で、CoTiKが招致した団体の扱いで:Aqua mode planning:にて上演。

つまりは「柏市民劇場CoTiK Presents :Aqua mode planning:」が今回の厳密な参加団体名義でした。