:Aqua mode planning:

nonfiction in fiction

「妄♂想♀L♀O♀O♀O♀O♀P♀!!!!!」#002【2012.11.23】本番まで。by:松本隆志

2012-11-24 17:33:59 | 【04】妄♂想♀L♀O♀O♀O♀O♀P♀!!!!!
「作り手として作りたいものをリスク覚悟で作ってみよう」。

CoTiKでの作品創作は市民が元から持っている力を活かすのを念頭に置いているので、オーバーワークをさせない様にしています。させる時もあるけど、それは後の成長を踏まえて結果的に破綻しない範囲内でのオーバー。かといって妥協点を探すのではなく、役者と演出家との適切な折衷点を探しながら。
しかし自分が代表・制作も兼任して団員の個人事情や運営進行まで鑑みると、肉体的にも精神的にも怪我をさせない様になどと考えてしまう部分がありました。これに関しては貢献度や達成感を下げるのは如何なものかと、今後改めようと既に団内での話し合いを経て指針を改めたのですが。

一方、:Aqua mode planning:は個人活動を行う為の名義。あくまで自分のやりたい事が優先なので、アグレッシブな意味で無責任になれる。

当初思い浮かべた演目は、自分とCoTiK副代表・村山香菜との二人芝居。
「ロミオとジュリエット」に、現代に通ずる必要以上に具体的な注釈をふんだんに盛り込みながら駆け抜ける様に進行させるというもの。タイトルこそ有名でありながら詳細に内容を知られていない演目を租借して届けようという意図と、CoTiK旗揚げ演目へのオマージュもありました。
村山を誘ったのはCoTiK以前からの演劇経験者であり、ある時期から演劇熱が更に高まっていた様子だったのと、稽古を進めるに当たって意思疎通が早い相手と思えたから。

自分自身は役者に必要である継続的な自主鍛錬が間に合っていない身で舞台に立ちたくないなど、いくつかの要因が重なって近年は役者メインでの活動を控えていましたが、能力を把握した上で適した素材として出演する分には具合がいい。役者としての意思で出演したいというよりは、演出家としての判断からでした。
先述したように大きな声と動きを想定していたので、仮に演技で身体的ダメージを負っても自分なら構わないという判断もあり。それだけ大きな声と動きでの演技をしたかったのです。

しかし、これに村山からのノーが出ます。

「稽古進行を考慮すると既に疎通の適う少数人数」と「路上パフォーマンスで目立つにはとりあえず大人数」の二つの可能性があると告げたところ、後者を希望されて『せっかくならたくさんの人とやりたい』と返されました。
人との触れ合いを好むタイプだし、あとまぁ生理的に『なんか違うな』と思ったんでしょう。女性の直感というのは、大抵の場合は当たっているものです。自分が実は嫌われていて『二人きりは嫌だ』という意思表示ではなかったと思います。思っておきたいです。

やりたい事をやるというのは、何としても二人芝居でなければならないという意味ではないし、好き勝手をやるにも早く仲間を引き込んだほうがいい。自分の為だけの企画よりも、共同体として関わる人々のいる企画に展開させたほうが頓挫させてはならないという覚悟を背負える。
無責任になれるというのは、市民の身を案じる代表職ではないからという話であって、企画自体の遂行には責任が必要。

この流れから、大人数でありながら限られた時間の稽古で成立する演目へシフトしていきます。「主人公が台詞の大半を発話する→男が妄想を垂れ流す→周囲の女性を品定めして、たくさんの女性がイメージとして登場する」という連想から「妄♂想♀L♀O♀O♀O♀O♀O♀P♀!!!!!」を構想。
主人公以外ほぼ台詞がないので、時間が取れずに演劇活動が出来なくなっている人・演劇活動の蓄積が少なく経験をさせたい人・しばらく組めずに時間が経過している人、拘束が少ないからこそ声を掛けられる人々を召集。全体稽古は本番当日に一度だけ行う意図へと移行。

こうなると既に自分が出演と演出を兼任するのは有り得ない選択。模倣演技の上手い演出助手に代役を頼める状態であればまだしも、自身で役者として完璧にこなしながら多人数の演出を同時に行うのは困難です。
これによって割と早い段階で思い浮かんだ桃氏に出演を依頼して快諾を受けた時点で、自分の中では一つの山を越えた気持ちに。続いて女性キャストへの打診を開始、優先順位を書き出して電話とメールの総力戦。タイミングが合わず見合わせになる人々も多く、劇中の失恋を自分が何度も疑似体験する事となりました。

かくして出演者が決定。
台本が出来て稽古を開始してから更に竹内が合流。女性キャストの人数に合わせたタイトルの♀マークも増加。彼女には台本に存在しない追加の役を与えたので、本番を観た方だけが知れるオマケ的な存在。
桃氏と週一回の稽古を行い、その中で露久保が一度参加、別の日に村山・ヤマネも一度。

本番に向けた準備を進める中、ただただ心配されたのは当日の天候。雨天の場合、ぽかぽか市は延期。

01.雨天にならず問題なく11/23(金・祝)に上演。
02.雨天にて延期で11/25(日)に上演。
03.ぽかぽか市は11/23(金・祝)に開催されるも、本番寸前に雨が降って上演のみ中止。

以上、三つの可能性がありました。

そんな中、一週間前の天気予報で千葉県柏市は、他の日に雨マークが全くないにも関わらずピンポイントで23日(金・祝)が「曇りのち雨」。降水確率40%。それが数日前に更に70%に上がって、降るとされる時間帯がぽかぽか市の9時~15時に。
開催延期の場合には前日までに連絡が入る事になっていて、上記全ての可能性を想定しながら先行きを思い描いていました。

そして22日(木)14:32に柏市民活動センターから留守電への吹き込み。
『明日、決行です』。


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