アプリコット プリンセス

チューリップ城には
とてもチャーミングなアプリコット姫がおりました

徳川家綱 伊達騒動編 七

2021-11-15 08:53:23 | 漫画


アプリコット
「こんにちは」
「まァー
将軍様はすっかり立派になっちゃったわ」

将軍家綱
「あァ!」
「儂は、お主を待っておった!」
「何で、隠れておったのじゃ!」

アプリコット
「えへへェ」
「かくれんぼ よ」
「見付けてくれないから
出てきちゃったのよ」

将軍家綱
「ああァ・・・・助かる」
「独立性易がおらんようになって
困っておった」
「儂は如何すれば良い!」

アプリコット
「どうしたの?」
「困ってるの?」
「将軍はね、大きな力があるのよ」
「だから、その力を存分に発揮すればいいのよ」

将軍家綱
「じゃがな」
「老中は、儂に大人しくしておれと申すぞ」

アプリコット
「今度も、また、悪戯すればいいじゃない!」
「家臣の皆さんを
困らせてあげましょうよ!」
「楽しいわよ!」

将軍家綱
「そうよのォー」
「面白そうじゃのォー」
「で」
「何をしようか?」

アプリコット
「ねェ」
「甲斐おじさんと、お話し
できないかしら」

将軍家綱
「んんぅ」
「甲斐殿とは会ったことがないぞ」
「将軍との謁見は
簡単ではないからな」

アプリコット
「内緒で会いに行きましょうよ!」

将軍家綱
「内緒でか!」
「甲斐殿の話が聞ければ
事の真相が分かるじゃろうなァ」
「よし、甲斐殿に会いに行こう!」

アプリコット
「えェへへ」
「歴史が変わりそうよ」

将軍家綱
「えェ」
「歴史が変わるのか?」

アプリコット
「そうよ」
「運命が変われば、歴史も変わるのよ」

将軍家綱
「儂には、よう分からん」
「儂が甲斐殿に会えば甲斐殿の運命がかわるのか?」

アプリコット
「そうよ」
「変わるわよ」
「将軍は大きな力があるのよ」
「だけど、黙って、何もしなければ
その力は意味がないわ」
「存分に、力を発揮して
世の中を良い方向に導くのよ」

将軍家綱
「甲斐殿に合うだけじゃぞ」
「ちと、大袈裟じゃのォー」

アプリコット
「えぇへへ」
「それくらいの、気概を持つことが重要なの」
「他人の意見に左右されない強い意志よ」
「他人に依存したり支配されてはだめ」
「将軍の力をもってすれば
自分の信念にもとづいて思うように行動できるわよ」

将軍家綱
「んんぅ」
「面白そうじゃのォー」
「綱吉の奴が
将軍に成りたがっておる理由が分かったぞ」
「儂は、将軍としての自覚が足りなかった」
「儂は、強い将軍となるぞ!」

アプリコット
「ねェ」
「強いのは良いことかも知れないけど
弱い者虐めはダメよ」
「将軍の力は悪者退治に使ってね」

将軍家綱
「そうじゃのォー」
「悪者は何処じゃ❔」

アプリコット
「敢えて悪者を見つける必要はないのよ」
「問題解決をはかることが
大切なのよ」
「問題があれば、その問題を解決すればいいわ」
「敢えて悪人を探さなくてもいいわ」

将軍家綱
「んんぅ」
「儂は、何がしたかったのか?」
「・・・・・・!」
「そうじゃ!」
「謹慎中の堀田上野介を復帰させてやる事」
「そして、強制隠居中の伊達綱宗を開放してやる事」
「真相を解明して事実無根と分かれば
全てを許してやってもよい筈じゃ」

アプリコット
「そうよ」
「無実のお方が
一生、監禁される事など
有ってはいけないわよ」
「恐ろしく罪深い行為よ」
「すぐに、助けてあげてね!」

将軍家綱
「おおォー」
「儂の力を見せてやる!」
「正義の力を見せてやる!」

アプリコット
「凄いわ!」
「歴史が変わるわよ!」

将軍家綱
「教科書も変わるか!」

アプリコット
「そうよ!」
「きっと、子供たちの好きな
将軍ランキングで一位になれると思うわ!」

将軍家綱
「ところで、今は何位か?」

アプリコット
「残念ね」
「圏外よ」

将軍家綱
「えェーーー」
「挽回するぞォーーー」



アプリコットプリンセス
「甲斐のおじさま♪」
「家綱様からお話がありますよ♪」
「内緒できちゃったのよ♪」

原田宗輔
「あゥ」
「・・・」
「恐れながら、御付きの方は・・・」

将軍家綱
「内緒で会いに来た」
「将軍に謁見となれば
認められんじゃろォーな」
「あ奴忠清は儂を舐めておる」

原田宗輔
ーーーーー畏まるーーーーー

将軍家綱
「んゥ」
「おもてを上げよ」
「其方、式部殿が亡くなった原因を知っておるか?」

原田宗輔
「恐れながら、申し上げます」
「死因は病死との連絡を受けております」

将軍家綱
「左様か」
「では、安芸殿は病死したのじゃな!」

原田宗輔
「恐れながら、安芸殿は健勝で御座います」

将軍家綱
「儂が、このように聞く理由が分かるか!」

原田宗輔
「恐れながら、甲斐は愚鈍で御座います故に
存じ上げません」

将軍家綱
「其方は、安芸殿を切り捨てるつもりであろォー」

原田宗輔
「うグゥ」
「・・・・・・」
「お許し下さい」

将軍家綱
「んんゥ」
「誰から命令を受けた!」

原田宗輔
「はい」
「その前に、恐れながら、お願いが御座います」
「将軍様とは面識が御座いません」
「はたして、話して良い事か否か」
「御無礼を承知しておりますが、
甲斐には、確信が御座いません」

将軍家綱
「儂が偽物と申すか!」

原田宗輔
ーーーーーー畏まるーーーーーー
「ご無礼をお許し下さい」

将軍家綱
「いやいや」
「其方の、疑いは咎めん」
「儂の、衣装は葵紋、剣にも葵紋じゃ」
「後は、儂の顔を良く見ておけ」

原田宗輔
「数々の御無礼を、お許しください」
「まさか、将軍様が直々にお見えなど
考えられません」

将軍家綱
「もうよい」
「儂はな、強制謹慎の伊達綱宗殿に会うために
式部殿に頼んで江戸に連れて来るように
命令しておった」
「すると、式部殿は仙台に帰った途端に
帰らぬ者となった」

原田宗輔
「・・・・・・」
「式部殿は病死と聞いております」

将軍家綱
「今、一度聞く」
「其方、安芸殿を切り捨てるつもりか?」

原田宗輔
「いいえ」
「安芸殿は、大老様の審議を受けまする」
「だれも、安芸殿に危害を加える者は御座いません」

将軍家綱
「よし」
「では、兵部、安芸、そして奉行が集まり大老邸にて審議を受けよ!」

原田宗輔
「はい」
「公平なる裁きとなりますように
大老様にお願い奉る次第」

将軍家綱
「大老は、安芸殿の願い申し立てを無視すると言っておらんか?」

原田宗輔
「あうゥ」
「その様な事は無いと・・・・」

将軍家綱
「大老は、安芸殿をねじ伏せよと申してはおらんか?」

原田宗輔
「・・・・・・」
「決して、そのような事は御座いません」

将軍家綱
「大老ではないか?」
「では」
「他の誰かが、其方を脅しておるのか?」

原田宗輔
「・・・・・」
「甲斐は如何したらよいので御座いましょうか?」

将軍家綱
「儂を信じるか!」

原田宗輔
「はい」
「将軍様に従います」
「甲斐にご命令下さいませ!」

将軍家綱
「よし」
「其方は、地獄の一丁目から
抜け出したぞ!」
「其方は、勇気を持って
儂に従い」
「正義を貫け!」
「よいな!」

原田宗輔
「はい」
「甲斐は生まれ変わりました」

将軍家綱
「おおゥ」
「其方、顔色が良くなったぞ!」






大老(酒井忠清)
「甲斐!」
「如何申すつもりじゃ!」
「幕府を罵倒するつもりか!」
「これは、許しがたい暴挙じゃ!」

原田宗輔
「はい」
「儂は、今までの間違いを正し
公正な評定を志す所存に御座います」

大老(酒井忠清)
「では、何か!」
「貴様!」
「今まで、虚偽の供述を
しておったと申すか!」

原田宗輔
「はい」
「全て、虚偽に御座います」

大老(酒井忠清)
「むむむゥ」
「馬鹿にしおってからに」
「おい」
「この者を連れ出し
即刻、首を刎ねよ!」

伊達宗重
「あいや」
「それは、お待ち下さいませ!」
「今回の、それがしの願い申し入れが
済んでからにして頂きたい!」

原田宗輔
「恐れながら」
「儂の首を刎ねれば
証拠隠滅に為りますぞ!」

「安芸殿の願い申し入れを
判決してからでも
遅くはありません!」

大老(酒井忠清)
「何を!」
「勝手な口実、いいぐさじゃ!」
「ほれ、早く、こ奴の首を刎ねよ!」

伊達宗重
「恐れながら」
「大老様は、何故故に
急いで証人の首を刎ねたいのですか?」
「証人不在となっては
審議が出来ません!」

原田宗輔
「安芸殿の申す通り
儂の首を刎ねるのは
後にして下され」

大老(酒井忠清)
「いや」
「為らん!」
「もう、審議は無いぞ!」
「幕府への罵倒は許しがたい!」
「この様な、暴挙を許しておけば
他の諸藩も幕府に盾突く事になり兼ねない」
「もう、審議は無い!」

原田宗輔
「では、仙台藩は如何なりますか?」

伊達宗重
「大老様」
「儂の願い届は・・・」

大老(酒井忠清)
「知った事か!」
「甲斐を残し」
「其方方は、もう仙台に帰れ!」
「後で、沙汰を下す!」

原田宗輔
「儂は、脅されておりました」
「しかし」
「もう、失うものは無くなりました」
「全てを打ち明けます」

大老(酒井忠清)
「おい、早くせよ!」
「甲斐を残し」
「其方達は退室せよ!」
「立ち去らぬならば
切り捨てるぞ!」

伊達宗重
「大老様」
「願い届を御受け取り願います」

原田宗輔
「儂からも、お願い申す」

大老(酒井忠清)
「知らん!」
「何度も同じ事を申すな!」
「今回の審議不履行の責任は
甲斐にある」
「従って、甲斐は打ち首」
「一家も又同罪とする」

原田宗輔
「大老!」
「儂は、秘密を握っておりますぞ!」

大老(酒井忠清)
「おい」
「早く、こ奴らを追い出せ!」

原田宗輔
「何を慌てておりまか?」
「老中(板倉重矩)邸では長期間の審議が
大老邸では出来ぬと申される」

大老(酒井忠清)
「んんゥゥ」
「無礼者!」
「甲斐をひっ捕らえろ!」
「牢にぶち込めておけ!」

原田宗輔
「儂は、逃げも隠れもせん」
「牢屋に参ろう」

大老(酒井忠清)
「早く、そ奴を連れて行け!」

原田宗輔
「アッ」
「申し忘れておりました」

大老(酒井忠清)
「喧しい!」
「早く連れて行け!」

原田宗輔
「いえいえ」
「実は」
「甲斐は、昨日、将軍様にお会いしました」

大老(酒井忠清)
「うゥ」
「又、嘘を申すか!」

原田宗輔
「いいえ」
「儂も、最初は疑っておったが」
「正しく、将軍様で御座った」
「この審議に参加すると申されたぞ」

大老(酒井忠清)
「ううゥ」
「左様か・・・・」
「其方、上様と合って
何を話した?」

原田宗輔
「それに関しては、将軍様から沙汰が御座いましょう」

大老(酒井忠清)
「うェ」
「儂は、気分が悪くなった」
「悪いが、退室する」
「其方達も、早く立ち去れ!」

原田宗輔
「儂は如何致しましょうか?」

大老(酒井忠清)
「お前も、一緒に立ち去れ!」

原田宗輔
「何と?」
「左様で?」

「では、大老様、失礼致す」



将軍家綱
「あれあれ」
「協議は終わっちゃったの?」

酒井忠清
「はい」
「一件落着致しました」

将軍家綱
「では、儂が承認せねばならんな」

酒井忠清
「いえ」
「協議は無事に終了しましたので
上様の承認も不要に御座います」

将軍家綱
「ほォー」
「では、安芸殿の願い申し入れを受理致したのじゃな!」

酒井忠清
「上様」
「もう、解決済みで御座いますゆえ
受理も、承認も不要で御座る」

将軍家綱
「老中板倉重矩邸での長期間の協議で
兵部の悪行は明らかじゃ!」
「さて、兵部の沙汰は如何した?」

酒井忠清
「はい」
「老中と協議して決定致す所存」

将軍家綱
「兵部殿は土佐藩主の山内豊昌預かりとなると聞いたぞ」

酒井忠清
「はい」
「老中と協議の上で・・・」

将軍家綱
「もう、よい」
「あのな」
「兵部殿は儂が召し抱える!」

酒井忠清
「えェ」
「それは、為りませんぞ!」
「宗勝を上様に仕えさせる事など
有り得ません!」

将軍家綱
「左様か」
「では」
「其方が召し抱え、一家を預かれ!」

酒井忠清
「それは、お許し下さい」
「それでは、我ら酒井家が
天下の笑いものになってしまいます」

将軍家綱
「んんゥ」
「何故笑われるか分からん」
「其方の嫡男は忠清の娘と婚姻関係じゃ
其方と兵部は親戚ではないか?」
「一緒に暮らせ!む」

酒井忠清
「上様・・・」
「それだけは、何卒、お許し下さいませ」

将軍家綱
「左様か」
「しかしな、儂の結婚も老中で協議して決めたのじゃぞ
其方達はすでに親戚、
それも、この婚姻は其方の希望で成り立ったのだ」
「儂の結婚は其方が決めてくれたのじゃ
だからな、恩返しがしたい」
「其方たちの親戚関係をより親密にする為に
一緒に暮らせ!

酒井忠清
「うえさまァ・・・」
「ほんとうに、おゆるしください。。。。」
「儂は、宗勝殿と一緒に暮らすのは嫌じゃ・・・」
「泣けてきますぞ・・」

将軍家綱
「ほォー」
「涙が出るほど、嬉しいか!」
「儂は、良い事をした」
「人に感謝されるは、嬉しい事じゃ」
「あッははは」

酒井忠清
「んんゥェ」
「うえさま・・・」
「もうしわけ、ありませんが
わしは、きもちが悪くなりもうした」
「病気かもしれませんので
退席をゆるされたい・・・」

将軍家綱
「退席など出来んぞ
此処は、其方の家じゃ
病気なのに家から出ては為らんぞ」
「儂が看病してやる」

酒井忠清
「ふェー」
「うえさま・・・」
「まだ、なにかございますか・・?」

将軍家綱
「ああ、そうじゃ」
「あのな、綱吉の奴が将軍の真似事を
やりたがっておるから」
「少しの間だけ
替え玉にしようと思っておる」

「その間。其方が面倒を見よ!」

酒井忠清
「ええええェーーーー」
「無理」
「若様は無理」
「無理、無理」

将軍家綱
「儂は、暫く旅に出る」
「その間、綱吉が臨時の将軍となる」
「其方は、綱吉を補佐するのじゃ!」

酒井忠清
「・・・・・」
「いっそ」
「儂に、切腹を仰せつけ下され・・・」

将軍家綱
「何を弱気な事を申される」
「其方は、天下の大老様じゃ」
「綱吉など蹴散らしてやれ!」

酒井忠清
「あのォー」
「若様は、儂の言うことは
一切聞きませんよ」
「僕はね
若様の忠実な犬なの」
「ワンワンと泣くよ」

将軍家綱
「おおォ」
「その心意気じゃ」
「犬の事き忠臣となり
綱吉に仕えよ!」

酒井忠清
「・・・・・」
「嫌じゃ!」

将軍家綱
「嫌でもな、これは運命じゃ」
「運命には逆らえん」
「観念するのじゃ」

酒井忠清
「・・・・・」
「うえさま・・・」
「何処に旅をなさるので・・・ございますか?」

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