自衛隊基地周辺や国境離島などの土地の利用を規制する法案を自公政権は衆院内閣委員会で強行採決した(朝日新聞2021-5-28夕刊)。規制が必要なこと自体は多くの野党も認めているのだから、話し合って最善のものにする余地はあったはずだ。なのに話し合いに応じず強行採決にしたことは嘆かわしい。
きっかけは、外国資本が自衛隊基地周辺や国境離島の土地を購入していることへの不安の声だ。そこで、法案には自衛隊や米軍 . . . 本文を読む
数年前からMMT(現代貨幣理論)なるものが注目を浴びている。自国通貨をもつ政府はインフレさえ抑えられれば政府債務があっても問題ないとするもので、日本政府には歓迎されている向きがあるが、経済学の主流派からは批判されていると聞く。だが莫大な政府債務があっても破綻しないという理論はほかにもあるそうだ。
「重要なのは国債の残高より、必要な資金調達ができるだけの国力があるか否かであり、経常収支の黒字がその目 . . . 本文を読む
福島の事故原発では原子炉内で溶けて固まった燃料が熱を放出し続けるので、それを冷やすために使う大量の水に放射性物質が混入し汚染水となる。建屋が壊れているためそこに地下水が流入するのでその量はさらに増える。放射性物質を除去する処理をした汚染水(処理水)でもトリチウムという水によく似た放射性物質は分離できずに残るので軽々に捨てるわけにもいかず、タンクに貯蔵することになるのだが、処理水は毎日約170トンた . . . 本文を読む
いくらきれいごとを言っても政治は力関係がものをいう。辺野古埋め立てや米軍機の超低空飛行など、日本政府の対米従属ぶりはひどいものだが、中国の脅威が増す一方、国力が低下する一方の近年、アメリカの軍事力に頼らざるを得ない日本はどうしても強い態度に出られない。
もちろんアメリカが日本に基地を維持することはアメリカの世界戦略の上で重要なのであって、安保条約は日本がアメリカに守ってもらうばかりの「安保ただのり . . . 本文を読む
安倍政権は株高をアベノミクスのおかげと誇っていたが、その実は日銀などが株の買い支える株価操作のおかげでしかない。
企業の業績がいいから株高になるというのはわかる(その業績がいいというのも、金融政策のおかげでは困るのだが)。
株価は企業の業績(予想)に連動して上下するのが当然であり、「株価が下がってはいけない」という政治的理由で株を買い支えるのは本末転倒だ。投資家は日銀の介入を見越していて、午前中に . . . 本文を読む
世界中でコロナ対策として未曽有の財政支出が行なわれている。巨額の支出はやむをえないが、それにしても日本政府の対策は当を失しているように思える。コロナを名目に関連の薄い事業がはいっていたり、そもそもコロナ前に安倍政権は好景気を宣伝しながら「輪転機をぐるぐる回して日本銀行に無制限にお札を刷ってもらう」異次元緩和頼みのアベノミクス(過去ブログ)をやめようとしなかったのも問題なのだが、今日のところは措いて . . . 本文を読む
旧日本軍の従軍慰安婦が日本政府に慰謝料を求めた韓国での裁判で、ソウル中央地裁が訴えを認める判決を出した。日本側は、国家には外国の裁判権は及ばないという国際法上の原則「主権免除」を理由に訴状を受け取らないなど裁判を拒んでいた。「韓国は非常識だ。国際常識や国際法が全く通用しないと自ら世界に発信しているようなものだ」(外務省幹部)との声に心情的には全く同感だ。だが今回の判決を批判する前提として、裁判でも . . . 本文を読む
トランプ大統領がようやく政権移行への協力を表明した。だが大統領が煽った群衆による議会占拠に対する非難の声に追い込まれてやむなくというものだ。
その後もトランプ氏は「不正選挙」とする根拠のない主張を繰り返してツイッターやフェイスブックのアカウントの一時停止処分を受け、一時停止解除後にも「私に投票してくれた偉大な米国の愛国者たちは、将来にわたって巨大な声をもつ」「大統領就任式には出席しない」などとツイ . . . 本文を読む
私はリベラルを標榜しているが、「反原発」ではない。放っておいても熱を出し続ける(むしろ、冷却が途絶えると福島原発のような事故につながる)原子力は「夢のエネルギー」という感覚がまだちょっとあって、使わないのはもったいない気がする。だがそんな私でも「原発に賛成か反対か」と二択で聞かれれば反対と答えるだろう。政府の長年の原子力政策が無責任で、信用できないと思われるからだ。放射性廃棄物の扱いもはっきりしな . . . 本文を読む
このタイトルでの投稿は以前から考えていたが、与野党がばらまき政策を競う状況を憂えてのことだった。まさか本当に「お金あげます」を公約に掲げる候補者が続出して支持を集めるとは思ってもみなかった。
2020年5月の神奈川県小田原市長選で僅差で初当選した守屋輝彦市長は、選挙公報に「ひとり10万円」と書いたおかげで勝った可能性がある。当選後、国の特別定額給付金のことだったとしたが、国とは別に市独自の給付だと . . . 本文を読む
「桜を見る会」の前日に安倍前首相の後援会が高級ホテルでパーティーを催したが、費用はたったの5000円。安倍氏が不足分を支払った実質的な有権者買収だったのではないかという疑惑がある。森友、加計疑惑とともにこの桜疑惑も忘れられるかと思われたが、このたびホテルが安倍氏側に領収書を出していたことが発覚した。補填した差額は5年で916万円に上るという。検察は、買収疑惑での立件は難しいとみて収支報告書への不記 . . . 本文を読む
予想外の大接戦となった米大統領選は、バイデン氏が勝利宣言をしたが、トランプ大統領はまだ敗北宣言をせず、最高裁まで争う構えを見せている。開票序盤でのトランプ氏のリードが、開票が進むにつれて魔法のように消えたというトランプ氏の不満はわかるが、開票に時間がかかる郵便投票で民主党支持者の郵便投票が多いことははじめからわかっていた。
もちろん不正が行われた証拠があれば対処は必要だが、開票監視員が排除された旨 . . . 本文を読む
日本海の大和堆は日本の排他的経済水域(EEZ)内の好漁場だ。だがこのところ中国漁船の違法操業が急増している。ところが水産庁は、9月末から一部海域への日本漁船の入域を自粛するよう要請しているという(朝日新聞2020-10-21)。安全が確保できない、ということだが、違法な中国漁船を野放しにして日本漁船を締め出すというのはあまりにおかしくないか。(上記リンク先の写真にあるように水産庁の漁業取締船が中国 . . . 本文を読む
たまには笑える話を(朝日新聞2020-10-20)。
菅首相は安倍首相の下で官房長官として、記録の隠蔽や改竄を問いただす記者らの声に木で鼻をくくったような回答を続けていた。2017年のとある記者会見でのこと。加計学園問題に関する議事録公開に関し、記者がある本からの引用を読み上げた。
「政府があらゆる記録を克明に残すのは当然で、議事録は最も基本的な資料です。その作成を怠ったことは国民への背信行為」 . . . 本文を読む
横浜市で、カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致を住民投票にかけるべきだとする署名運動が法律上必要な6万2541筆を上回った。これをもとに住民投票条例制定が請求されれば、地方自治体法により、市長は自分の意見を付けた条例案を市議会に提出する義務がある。市議会では国政でカジノ推進を決めた自民党・公明党が多数を占めるが、いずれも支持者には慎重派も多く、議員は必ずしもIRへの賛否をはっきりさせていないと . . . 本文を読む