たまには笑える話を(朝日新聞2020-10-20)。
菅首相は安倍首相の下で官房長官として、記録の隠蔽や改竄を問いただす記者らの声に木で鼻をくくったような回答を続けていた。2017年のとある記者会見でのこと。加計学園問題に関する議事録公開に関し、記者がある本からの引用を読み上げた。
「政府があらゆる記録を克明に残すのは当然で、議事録は最も基本的な資料です。その作成を怠ったことは国民への背信行為」
記者がこれを本に記した政治家は誰かわかるかと尋ねたところ、菅氏は「知らない」。だが実はこれは菅氏自身の著書『政治家の覚悟 官僚を動かせ』(2012)の一節だった。東日本大震災後の民主党政権の議事録の保存状態を問題視した文脈でのものだが、あの菅氏が公文書での記録の重要性を力説していたのだ。
同書は菅氏の首相就任後、ネット上で高額で売られていたが、このほど改訂されて文春新書で発売となった。だが「公文書の管理の重要性」を訴える記述のあった章は削除されたという。版元の関係者は、民主党批判よりも追加収録されたインタビューのほうがニーズにかなっていると説明しているようだが、削除されたのが公文書の記録がらみだったことが意味深に思えてならない。
菅首相は安倍首相の下で官房長官として、記録の隠蔽や改竄を問いただす記者らの声に木で鼻をくくったような回答を続けていた。2017年のとある記者会見でのこと。加計学園問題に関する議事録公開に関し、記者がある本からの引用を読み上げた。
「政府があらゆる記録を克明に残すのは当然で、議事録は最も基本的な資料です。その作成を怠ったことは国民への背信行為」
記者がこれを本に記した政治家は誰かわかるかと尋ねたところ、菅氏は「知らない」。だが実はこれは菅氏自身の著書『政治家の覚悟 官僚を動かせ』(2012)の一節だった。東日本大震災後の民主党政権の議事録の保存状態を問題視した文脈でのものだが、あの菅氏が公文書での記録の重要性を力説していたのだ。
同書は菅氏の首相就任後、ネット上で高額で売られていたが、このほど改訂されて文春新書で発売となった。だが「公文書の管理の重要性」を訴える記述のあった章は削除されたという。版元の関係者は、民主党批判よりも追加収録されたインタビューのほうがニーズにかなっていると説明しているようだが、削除されたのが公文書の記録がらみだったことが意味深に思えてならない。