トランプ大統領は米軍駐留経費負担の大幅な増額を求めているが、実務担当者による事前協議が始まった(朝日新聞2020-10-16)。日本側は「正式な交渉という位置づけではない」としているが、ずるずるとアメリカ側のペースにのまれて行かないか、心配だ。安倍政権は自動車関連関税の撤廃の約束を勝ち取ったと国内向けに宣伝しているが、その実が疑われている(過去ブログ)。その安倍内閣の方針を踏襲するという菅内閣であ . . . 本文を読む
NHKの朝ドラ「エール」(10月2日放送)のせりふが菅首相へのあてこすりではないかと思えてドキッとした。
「みんなが同じ考えでなくてはならないのかな。そうじゃない人はいらないっていう世の中は、私はいや。」
舞台は第二次大戦中。主人公の妻が、戦争の役に立たない音楽などいらない、非国民だと言われたあとに漏らした言葉だ。念のために言っておくが、べつに脚本家が菅首相を批判するつもりで書いたせりふではない。 . . . 本文を読む
安倍政権が幕を閉じてアベノミクスに関する総括が当ブログも含めあちこちで行なわれているが、「多事奏論」(朝日新聞2020-9-16)が端的にまとめていた。
「輪転機をぐるぐる回して日本銀行に無制限にお札を刷ってもらう」
「建設国債を大量に発行し、日銀に全部買ってもらう」
これがアベノミクスの本質だ。安倍氏自身が、自民党が政権に返り咲いた2012年の総選挙に向けた全国遊説で触れ回ったことだ。「アベノミ . . . 本文を読む
安倍首相が潰瘍性大腸炎を理由に辞任を表明した。第一次安倍政権で1年で政権を投げ出したときも、後日この持病が理由であったと公表された。病気はある意味不可抗力なのだから、「大事な時に体壊す癖」(石垣のりこ氏)という批判はやはりまずい。だが記者会見での首相の様子を見ても一刻一秒を争うようには見えなかったというから、「なぜ今なのか」という疑問は残る。
「桜を見る会」問題で次々に疑惑が持ち上がっていた時、検 . . . 本文を読む
中国が資金力にものを言わせて、アジアやアフリカ、ヨーロッパにまで影響力を広げているが、借金漬けで中国に支配される「債務のわな」に気づいて中国頼みを見直す国も多い(過去ブログ)。今回はチェコだ(朝日新聞2020-9-2)。
投資事業が予定通り進まないなどの理由でチェコでは中国への失望が広がり、プラハ市で北京市や上海市との友好関係を犠牲にしてまで台北市と友好関係を結ぶ動きまである。そんななか、前上院議 . . . 本文を読む
安倍首相が辞意を表明し、最長政権となった安倍政権の総括があちこちで行なわれているが、野村総研の木内登英氏、大和総研の熊谷亮丸氏の見解が私の実感に合う(朝日新聞2020-8-29)。
木内氏は、アベノミクスは「財政規律を緩めたり、市場機能を損ねたりと弊害の方が大きかった」という。金融「異次元緩和」については、金利低下による景気浮揚効果をもったのは2013年に始まって最初の半年程度であり、「その後は、 . . . 本文を読む
神奈川県内の自治体でつくる県基地関係県市連絡協議会(県市協)から退会した。考え方の違いが大きくなったとの理由だが、驚いたことに、横須賀市は日米地位協定を改定する必要はないという立場だという(朝日新聞神奈川版2020-8-26)。
沖縄の米兵が大勢新型コロナに感染しても沖縄県に十分な情報が提供されないなか、米軍基地がある15都道府県で構成する渉外知事会の会長も務める黒岩神奈川県知事は、米軍基地ごとの . . . 本文を読む
トランプ大統領は郵便投票では不正が多発するなどとして今秋の大統領選を延期させようとしているが、そのためにあえて郵便制度を崩壊させようとしているのではないかとの観測があった。米郵政公社(USPS)は郵便の遅配につながる「組織改革」を行なおうとしているのだが、その総裁が大統領と親しいデジョイ氏だからだ。そこまでやるか、と驚いていたが、このたびデジョイ氏は大統領選が終わるまでは「組織改革」を凍結すること . . . 本文を読む
国民民主党が立憲民主党との合流を決めた(朝日新聞2020-8-20)。低迷する国民民主党の支持率から、私は当初から立憲への吸収合併が妥当と主張していた(過去ブログ)が、国民の玉木代表が対等合併にこだわって堂々巡りの議論が繰り返された。今回の合流には、国民の両院議員総会に出席した59人中57人が賛成したというが、玉木代表自身は「私は立憲との新党には加わらない」と明言した。これで新党は150人程度にな . . . 本文を読む
アメリカのトランプ大統領が大統領選の延期を示唆するツイートをし(その権限はないのだが)(BBC 2020-7-31)、自らの支持率が回復するまで延期したいのだろうとの観測を呼んでいる(ABEMA news (YouTube))。他の外国でもコロナで選挙を延期する例があるようだ。
日本はどうか。自公政権はコロナ対策で迷走を続けており、受け皿となる野党さえあればとても選挙を戦える状態ではない。これで来 . . . 本文を読む
自公政権のコロナ対策が迷走を続けている。小さすぎると不評のアベノマスクは、市中にマスクが出回るようになってからやっと届いた。一世帯30万円から土壇場で変更された一人10万円の給付は、オンライン申請で問題が続出し、給付も遅れに遅れた。逆に、人の移動を促す「Go Toトラベル」は前倒して、態勢も整わないうちに、しかも感染者が急増しているさなかに(申し訳とばかりに東京発着を除外して)決行された。世論調査 . . . 本文を読む
教育委員会の人事を通じて右派が「つくる会」系の教科書採択を進めることを懸念していた(過去ブログ)が、横浜市など神奈川での「成果」が、教育委員の人選に留まらない、細かな制度変更を入念に積み重ねてきた結果であったことを知った(朝日新聞横浜版2020-7-25)。
「新しい歴史教科書をつくる会」ができたのは1997年。神奈川県では2000年ごろから県や市町村の教育委員会や議会への請願・陳情や、首長への要 . . . 本文を読む
自民党は個人の自由よりも「お国のため」を重んじる方向の憲法草案を目指しており、安倍首相はこのところ「多数決」にも言及している(KYODO 2020-6-20、asahi.com 2020-6-21)。これまでの安倍政権のやりようを見ていると、数の力で改憲を強行することが危惧される。だが国民の自由を奪うのはそうした右派勢力だけではない。善意の世論に応じた制度改正が、国民を縛る結果になってしまうことも . . . 本文を読む
河野太郎防衛相の主導で陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備計画が中止になった。イージス・アショア2基に要因の教育訓練経費、30年分の維持・運用費を合わせて4500億円程度と見積もられた費用のうち、1787億円はすでにアメリカ側と契約済みで、196億円はすでに支払ったという(朝日新聞2020-6-23、asahi.com)。
だが契約済みのものを発注国の事情で中止にするとなると . . . 本文を読む
トランプ大統領は同盟国に対して大幅な負担増を求めている。日本も他国と比べてすでに突出した額を負担しているにもかかわらず、トランプ大統領はさらなる大幅な負担増を求めている(過去ブログ)。
このたび、トランプ大統領は、「ドイツが金を払うまで」ドイツに駐留する米軍の「多数を退去させる」と述べて、現在約3万4500人とされる在独米軍を2万5000程度に削減すると述べた(朝日新聞2020-6-17)。多分 . . . 本文を読む