京都 iroiro

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吉田秀和さん98歳でした。

2012-05-28 | artist

22日の朝刊に評論家の吉田秀和さんが亡くなった記事が一面に載っていました。とてもビックリしました。そう言えば3年前の今日は音楽評論家の黒田恭一さんが亡くなっていますね(ネット調べ)。

 そんなに興味もないのにどうしてびっくりかと言いますと・・話は長くなりますが、先だってテレビ番組「小澤征爾さんと語った日々・宮田大25歳」でチェリストの宮田大くんと指揮者の小澤征爾さんのコンサートツアーを追ったドキュメント番組を見ました。曲も私の好きなハイドンのチェロ協奏曲でした。小澤征爾さんは病気の体にむち打ちぎりぎりの体力でこの水戸交響楽団と若きチェリストの演奏会に臨んでおられたようです。

 実は6年前京都コンサートホールで小澤征爾さん指導の音楽家育成セミナーでステージ間近でその指導に当たる彼を見ました。もうそれは何とも言えないオーラを発していたのです。私はその年甥を亡くしその日の韓国女性の歌うフォーレのレクイエム「Pie Jesu」に涙が止まりませんでした。私は今まで指揮者にあれほどのオーラを感じた事がありませんでした。それ以来チャンスがあれば一度小澤征爾さん指揮する演奏会に出会いたいと願っていました。でもそれから暫くたつとご病気である事がテレビで報道されて、私もバタバタと忙しいまま行きたい気持ちはそのままになっていました。

 で、先だってのドキュメント番組、見なければ!と先ず録画の準備をし、見ていたところやはり小澤征爾さんはツアー中体調をくずされ水戸芸術会館の演奏の時にダウンされたようでした。会場は彼の指揮を楽しみにしてこられた方が多く怒りをあらわにする人が声を荒らげ会場は騒然とした雰囲気に・・そこに会場中央から吉田秀和さんが立ち上がり小澤征爾さんの気持ちを皆に代弁し最後に「聞きたい人だけ残って聞いてやって下さい。」と、会場全体をす~っと静かにおさめられたのです。その時私は字幕で彼が98歳である事をしりました。あまりにもかくしゃくとされているのにビックリしました。お姿を見たのは初めてでした。以前は時々NHK-FMでクラシックの番組をもたれていましたね。だから声だけは知っていましたがお姿を見て、ああ、これなら100歳は普通に平気と思ったところだったのに残念です。

そして今朝の訃報の新聞記事です。あの時小澤さんと同じ状態だったのだ。精一杯の力を出し、また会場の皆と同じように小澤征爾さんから活力をもらわんと館長として聞きにこられていたのだ、とかってな解釈をし、新たに関心した次第です。

ご冥福を祈ります。

 

追伸:なぜ吉田秀和さんの事を書いたかと言うと、頭の中に22年前に亡くなった4弦の先生が吉田秀和の書いたシューマンを読んだかね?としょちゅう聞いていたからなんです。未だに読んでいません。何だか難しそうですからね。私向きではありません。そう言えば次の日曜はその先生の命日でした。お墓参りに行かなくちゃ。


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