アンドレ稽古場日記

AND ENDLESS稽古場日記

福田 真夕/ミランダ

2009-07-01 | WORLDS
『WORLDS』ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。

『十三夜』でミランダというとても素敵な役をいただきました。
お転婆でやんちゃで口が悪くて元気な女の子、皆から愛されてとても幸せでした。
結末で明かされるナチス・ドイツの時代背景。
ユダヤ人として生きること。
何の罪も無いのに残虐な迫害を受けなければならなかったこと。
今の私の生活では到底考えられないことです。

私が通っていた小学校には「アンネ・フランクのバラ」が咲いていました。図書室にはアンネの写真が飾られ、この頃にユダヤ人がナチスから受けた迫害について学びました。子供であった私にはかなり衝撃的でした。
本に載っていたガス室や劣悪な環境を写した写真などは今でも鮮明に覚えています。

ミランダはきっとアンネのように心豊かで希望を捨てない子だったと思います。

『十三夜』のラスト
最後に兵隊さんが開けてくれた扉。

あの後はたくさんの想像を膨らませることができます。
あの後幸せになったのか、不幸になったのか。

だけど、私が観客として見ていたら、とても美しい終わり方だと感じます。

AND ENDLESS×シェイクスピア
うまく溶け合ってすごい2作品が生まれたと心から感じます。
稽古の初めに原作『テンペスト』を読み合わせしました。
ご覧になった方はわかる通り、長い長いプロスペローの台詞、それに聞き飽きるミランダ。
西田さんは「きっとシェイクスピアは深夜に書いていて、長くなりすぎちゃってツッコミ入れてみるか、みたいな感じで書いたんだ」的なことをおっしゃっていました。その時に思ったのは「なんだ、シェイクスピアも現代の私たちと変わらないじゃん。面白いヤツ!」と恐れ多くも親近感が沸いたのです。これは新しい発見でした。
西田さんの決して物怖じせずいい意味でラフな物事の捉え方にははっとさせられました。



でも、繊細な舞台創り。
正直言ってすごく苦労したこともあったけど、一番苦労してまさにアンの台詞「死ぬ思いで書いている」西田さんだからこそ、アンドレの皆そして『WORLDS』に関わった皆はこの人に着いていくんだな、と思いました。

切り取られたシェイクスピアの美しい言葉、演じる楽しさ…等等今回は多くのことを改めて新鮮に感じれる、とても価値のある幸せな場所でした。

改めてご来場頂いた方々、AND ENDLESSの皆、豪華共演者の皆様、裏でいつも支えて下さったアンドレお馴染みのスタッフ様、『WORLDS』に関わった全ての方々、どうもありがとうございました。

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