Belle Epoque

美しい空間と、美しい時間

この夏の読書

2010-09-02 | rayonnage...hondana
9月になりましたね。
夏が、終わりました。

わたしには、移動に次ぐ移動の、怒涛の夏でした。
昨日、その締めくくりとなる東京出張を終え、京都に帰りました。それもまた大変濃い4日間でした。
毎日、一分一秒が密なひと時で、たいへんありがたいと思いました。
気がつかないところで自分を守ってくれている強く暖かい心の存在を、かつてないほど感じました。家族、親しい人たち諸々の、人はこんなにも人のことを想うのだという事実に、つい涙したりも。
心の筋肉痛状態で、昨日はだいぶ放心状態。
そんな話は、でもまた別の機会に。


さて、夏あちこちに出向く際、移動時間が多かったので、本を手にする時間も増えました。
ビジネス書だとか・・・は、わたしはまだまだスイスイ読めませんし、実をいうと染み込みもよろしくない。頭が悪いからね、もうその辺は諦め入ってきました。
ので、今回は子供向け物語ややわらかいエッセイ、軽い小説などを主に、リフレッシュを目的として。


『赤毛のアン』シリーズを、3冊。
アンの夢の家』、『炉辺荘のアン』、『アンの友達』。
すべて村岡花子氏の訳です。
これらは大学の時に夢中になって読んだのですが、久々に読み返したくなった。
豊かな主婦生活のお手本だと思います。
また、小さいお子さんの「ねえどうして?」攻撃を試練と感じているママにも、お薦めです。

赤毛のアン、といったら、「ギルバートの頭をぶったたいて、そのあと仲直り」で完結してるんじゃないの、という認識の人も多いですが、違いますよ~。
エリートコースを歩み、好きな仕事を選んだのち、妻となり母となってゆく、その後のアンが、断然、素晴らしい。
夫とずっと恋愛しつつ、家を心地良く切り盛りする、ということについて、ヒントをたくさんもらいました。




それから、
メアリー・ポピンズ』のシリーズ。



不意にバンクス家にやってきたメアリー・ポピンズが不思議な面白いことをたくさん巻き起こし、ある日また不意に旅立ってしまうまでの日々、
さらに、また不意に戻ってきた日々、の、計2冊。
これも、わたしが子供のころはまっていた物語。
イギリス文学は、お茶とお菓子の描写がとってもおいしそうで、それも手伝い魅力的なのよね。。
焼きたてのお菓子、冷たいクリーム、熱いお茶など。。
ハリー・ポッター』シリーズも、そういうわけで大好きであります。
そちらも最近ようやく最終巻を読了し、満足感でいっぱい。




あと、『ココ・シャネル』伝記。
数多く出ていますが、エリザベート・ヴァイスマン氏著のものを今回は。
「時代に挑戦した炎の女」、という副題がついています。
なんていうか・・・、わたしは、バカで気が利かず仕事もできず、という三重苦にして不治の病を抱えていますが、
シャネル女史のようにその真逆っていうのも、またなかなかに辛いのだなと知りました。
では人間の精神を豊かにし、輝かせるために、本当に必要な、大切なことはなんなのだろう?
・・・その答えは、究極には“真の感謝”、なのでありますが、
それを得るために、誰もがいつでも常にスタートラインにいるのだ、という認識を新たにしました。

これは、カライ本でした。





あと、J.B.ポンタリス氏著の『彼女たち』。
フランスではベストセラーになった本だそうです。
絵画の中の女、文学者や哲学者の恋人たち、映画のヒロインなどについて綴られた、軽くほろ苦い散文が心地良い。
この視点はフランス人ならではです、気の向くまま恋を重ねて彷徨う人たち。
泡沫の愛について、訥々と語られており、眠る前にうとうとした目でさらりと行を追うにふさわしい一冊。
表紙になっているボナールは、昔から大好きな画家。
あと、この本、副題がえっちっぽいですが、どぎつさはありません。




ここまでは、京都府立図書館で借りました。平安神宮そば、国立近代美術館の隣にあります。
その近くのサロン・ド・テ『Au temps perdu』は大好きな場所。そこにも欠かさず寄って、かわいらしい菓子を毎度いただき、本とお茶、お店の前に流れる涼しげな小川を眺め、幸せな時間を心に刻むことができました。


以降は、買ったもの。


石咲涼氏著『アンテロープの窓』。
5月の【神楽ファム】以降、noisetteさんのご紹介でお友達になったy/modeさんが、表紙、著者さんの、美しいお写真を撮られています。
被写体風景が、京都の、わたしも大好きな場所であるということで、ぜひ手に入れねば!と思っておりました。
押しの強い人と、いつも他人を受け止める側にいる人、と人間をおおきく2タイプに分類するとしたら後者にあたる、優しい人の心を描写した、さらりとしたストーリーです。



戸塚真弓氏著『私のパリ、ふだん着のパリ』。
なんとなく手に取ったのですが、想像以上の大ヒットでした(レビューでは褒められてないけど)。
ああ、ますますまたパリに行きたくなった。





ほかに、「失敗!」な本もありましたが、総じていい時間を本からもらえた気がします。


あと、この夏の発見なんですが、海辺など暑いところで読むと、全然ページが進まないです・・・。
アンシリーズは、一冊を浜辺で取りかかりましたが、数日かかっても、半分も進まなかった。かなり真剣に読んでいるし、これでも読むスピードはそんなに遅くない方。でも・・・
が、別の一冊、同じくらいの厚さのは、帰りの飛行機の1時間であっという間に読み切ってしまった。
今年は熱中症流行ってますが、ほんとに怖いですね、暑さというやつは・・・。
身を持って知りました。自覚症状のないのがまた、おっかないところです。

まだまだ残暑続きそうです。
夜の睡眠前のひとときを、引き続き読書で潤したいと思います。



photo...夫が海辺で読んでいたのはキケロ。わたしには、本であって本でない感じ。。
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2 コメント

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ありがとうございます☆ (y/mode)
2010-09-11 14:56:05
久しぶりにこちらにお邪魔しましたら、アンテロープの窓もご紹介くださっていて感激しました。この秋の帰省で、芸術センターにご本を持ってお邪魔しないと・・♪

パリの本が非常に気になります!!

(そうそう、ボナールのマルトの入浴の絵、わたしも好きです。愛情が伝わってきますよね)
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キャア! (y/modeさま(mi))
2010-09-20 08:59:22
コメント頂いておりましたのに、お返事おそくなってすみませんでした!!
ほんとに素敵なお写真でした^^
おすすめくださって、ありがとうございます♪

芸術センターに、被写体の確認にも行ってまいりましたよ~^^♪
ほんとに素敵な撮影ですね。

パリの本、生活の香りがしてとても好みでした。食べることや心地良く寛ぐこと、そういう普遍的な幸せに、ぐっと深く届く良い一冊でした。

ボナール氏あたりの画家同士の交流をたどっていくと、ちょっとノスタルジックな古き良き芸術の時代、とでもいうものに触れることができますよね。
個人的には最近、気になる画家や作家の作品に入り込もうとすると、画家バルテュス氏の交友関係にどうあっても触れるのを不思議に思っています。
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