Belle Epoque

美しい空間と、美しい時間

『僕の妻はシャルロット・ゲンズブール』

2004-11-06 | cinema... eiga
借りたい映画が全部貸し出し中で、しかたなく選んだ一本、だったけど、
観てみると、意外と面白かった!
何もかもが絶妙な、味のある映画でした重さを心地よい軽さに変える、とってもフランス的な作品。

スポーツ記者のイヴァンの妻は、有名な女優のシャルロット。
実際は映画監督であるイヴァン・アタルがそのまま主人公に扮し、監督もつとめ、
妻シャルロットも、もちろんそのまま出演。
きっと実話なんだろうな・・・と思われる、腹立たしくも笑えるエピソードがたくさんで、
女優を妻に持つって、双方大変なんだろうな~~と、感じました。
娼婦扱いされたり(これがいちばん多い)、さらしものみたいになったり、プライバシーもないし・・・。

これが、シャルロットみたいに、通好みの色気を持つ、控えめな雰囲気の女優だから、映画が品良く出来上がっているけれど、
たとえばもっといかにもなボディ系セクシー女優!だったら、もっと生々しい作品になっていたでしょう。。

母親ジェーン・バーキンをもして、
「シャルロットは、母親から見てもミステリアスなの。普通の子どもは親を選べないけれど、彼女の場合、彼女が親を選んでくれたんじゃないかって思えるわ」
と評され、
また、『なまいきシャルロット』の監督は、
「カメラテストで驚いた。レンズを通してみただけで、何もしなくても、彼女はいるだけで存在感を大きく放つ」
と少女の頃から、特別な存在だったシャルロット。
美人ではないけれど、目を捉えずにはおかない魅力が、確かに彼女にはあります。
それはいったい、何?どこから来るの?
と、つい目をこらしてしまう。
それが、見ごたえ1、ですね。

見ごたえ2、は、ある夫婦の苦労とすれ違いのどたばたコメディってだけでなく、どことなく、共働きの夫婦がきっと直面するであろう問題を普遍的に描いているところ。
私にはまだ具体的にわかるものではないけれど、たとえば、家事の分担の問題・配偶者の仕事への理解・嫉妬。
ケンカするポイントならほんとに盛りだくさん。
映画の中ではあと、夫の姉夫婦の出産を通じて、宗教的価値観の相違、という問題も登場してきます。
フランスならではだとは思うけれど、これもきっと、身近な問題として感じる人はどこにでもいるんじゃないかと思います。

もっと敷衍させれば、夫婦に限らず、人と人との関係はすべて、お互いの価値観の相違を理解し、歩み寄ることにすべてのポイントがある、
と、この作品は言っているような。
絶対、理解は不可能だと思えるような、平行線をたどる論議も、
ちょっと相手への歩み寄りを図ったことから、急に事態が好転したりします。
映画の中では、妻の仕事を理解しようと、スポーツ狂で芸術オンチの夫が、急にこっそり劇団の研修に参加してみたりするところが、ほほえましくて良かった・・・。
相手の立場になってみないと、わからないこともありますものね。
そして、彼自身も、新しい環境に刺激を受け、視界が広がっていきます。

ささやかな、リアリティあるハッピーエンドを迎える映画です。
でもそのささやかさは、たくさんの愛情と、たくさんの思いやりからつむぎ出されて、
結晶みたいに、きらきらと輝いているのです。


あっ。
余談ですが、リュディビーヌ・サニエ(『スイミング・プール』)出てますよ
ちょっとだけだけど、カワイイ♪ファンはぜひ
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2 コメント

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こんにちは☆ (manamizw)
2004-11-08 16:15:23
こんにちは☆先日は『スイミング・プール』、TBだけ貼り逃げしてごめんなさい!以後気をつけます。

この映画、わたしもあんまり興味なかったんだけど、

見た人の評判は結構いいですね。

わたしも今度見てみようと思いました。



すごく読み応えのあるblogですね。

また遊びにきまあす!
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Unknown (mi)
2004-11-10 00:10:28
おいでくださってありがとうございます~

そうそうかなりいいんですよ。

シャルロットと結婚するまで、知らなかった監督ですが、すっごくいい感じ。

映画を見た後で知ると、やっぱりという気がしますが、自分も俳優だったらしいですね。

映画界のウラ話が、さもありなん、で、楽しかったです!



こちらこそ、素敵なページを知ることが出来てウレシイです~。

たくさん参考になります
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