Belle Epoque

美しい空間と、美しい時間

インプット&アウトプット

2009-03-18 | rayonnage...hondana
中谷巌氏・著『資本主義はなぜ自壊したのか』(集英社)を先日、お世話になった上司に薦めていただき、読み終わりました。
資本主義・崩壊
のキーワードでいろいろ本が出ているこの頃、いろんな視点が大変勉強になりました。
また正直、読んですぐ立て板に水のように「わかったー!」とはいえなかったあたりに大いに課題がありましたので、今後の指標になりました。ありがとうございました!

「これ、読んだらいいよ」
と尊敬する人から本を薦めていただくのは大変ありがたい、うれしいことです。
幸い、本はあちこちで手に入ります。
この人が読む本を読みたい!と、思ったら即かなう環境にあり、とても恵まれていると感じています。

にもかかわらず、じつは最近、自ら進んでは「何を読んでいいのか」、途方にくれている時期を迎えておりました。
感動と刺激が欲しくて本を読みたいのに、自分の知識欲と理解力にぴったりくる本と出会えず、自分をふがいなく思っていました。
小説や雑誌やエッセイや料理の本などはまた別のお話で、そういったものは相変わらず楽しく読んでおりますが、そういうのじゃない『新しい何か』を見つけたいともどかしく感じていました。

求める知的レベルが高すぎて、実力がついていってない、という状態に陥っていたんですね。

それで、昨日、識者に
「何を読むべきか、よくわからない」
とつい洩らしましたところ、いつもながら衝撃的に素晴らしい答えをいただきました。

「アウトプットを出せない(仕入計上できない)なら、本を読んではだめ。」

別の言い方をすると、
「インプットした知識を生かしてまったく新しい創造を生み出すことができないのは、ただ無駄にためてるだけ。排泄物と同じで、循環できないのはかえって体に悪い。」
ということで、これにはハッとしました。
そう、力の循環に貢献できてないのは、無駄でしかありません。実力に見合ってないことしても、身にならないのです。

さらに、
「それなら、酸素を吸ったほうが健康にいい
という代替案もいただきました。

酸素なら、確かに循環するし具体的に有意義。
「知識をためすぎた人間はあまり健康じゃないんだ。がんになったり感染症になったり免疫力を自ら破壊して死んでいく。歴代多くの天才・秀才たちの例にならう通り。知識は、幸せに生きるために特に必要なものじゃないんだよ。」
というくっきりした説明が、新しい明るい刺激でした。

では幸せに生きるために必要なものとは、・・・それは、ほんとにシンプルなもので、忘れがちなもの。

しかし話がそれるので、それはまた別の機会に。



インプットするのは、きちんとアウトプットするため。

そういう“血肉となる知識”を仕入れることは大きな・そして本当の快楽、それはわたしにも実感できます。
手段があって目的に到達するのではなく、
目的に応じて、適正な手段を選ぶ。
それが気持ちの良い生き方だったと思い出しました。
本も、――ほかのことにも色々言えそうですが、目的を確立した時に必要なものだけがおのずと手に入る仕組みになってますよね。
ここしばらくなんだか釈然としなかった霞が、さらっと晴れていくのを感じました。

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