Belle Epoque

美しい空間と、美しい時間

KYOTO ART CENTER

2010-04-04 | Kyoto sneakers since 2008
かつてフランスにあるトゥールという町に住み始めることにしたとき、街は途方もなく広く感じられ、初めて下り立った駅から部屋への道がひたすら遠く思えて、心細かった。
でも、数か月たったら、どこへでも数十分かけて楽しく歩いていけるようになりました。
京都に住み始めた頃も、なにもかもに見なれなくて心もとなかった。
でも、この頃ようやく地理が掴めてきました。
街が広くなく感じられるようになったら、なじんできた証だなあ、とこの体験から思います。


昨日は幸せな場所を見つけました。

京都芸術センター

のなかにある、図書室です。
なんだかんだでしばらく美術に触れておらず、渇望が嵩じていた矢先だったので、蔵書を夢中で引き出し、むさぼるように読みました。

先日、シャンサ氏を知ったついでに、この頃バルテュス一家に興味が向いていました。
もともと昔からバルテュス氏の作品が好きでしたが、背景をよくは知りませんでした。
が、お嬢様の春美さんが意外と自分に年齢近いことを知り、にわかに親近感が勝手に湧いた。
さらに、節子さんがバルテュス氏と出会ったのは京都、ということでしたし。

美しい親子、春美さん→節子夫人の順で足跡を辿っていて、さらに大御所・バルテュス氏をあらためて調べたいと思ってここへはでかけたのですが、
ついでにアンドリュー・ワイエス、
グスタフ・クリムト、
ポール・デルヴォー、
彼らとはちょっと毛色違うけどサム・フランシス。
そして、伊東深水、上村松篁。
アールデコ・ジュエリーのデザイン集。
これらの展覧会の図録であっという間に時間が過ぎていった。
好みの作品たちを堪能できて、なんと幸せだったことか。

ここには、ほかにも舞台芸術のDVD、
哲学書や文芸評論が置いてありました。
明倫小学校を改造してセンターにしてあるため、木の廊下など、校舎の雰囲気がまるまる残り、それだけでノスタルジック。
お隣の部屋であるカフェには人がわんさか来て、元・校庭では今も学生がテニスしたりしていましたが、図書室はほぼ貸切状態。
そんな贅沢、いいのですか!

しばらく通ってしまいそうです。


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