Belle Epoque

美しい空間と、美しい時間

YOROI

2008-10-25 | Kyoto sneakers since 2008
西陣の、Yoroi作家さんのお宅にお邪魔しました。



「鎧」
というといかめしい印象が大変強いですが、そして普段の暮らしには使わないので、文化的に縁のない地区であれば目にする機会自体ないものでしょう。
実際自分は、はるか昔の弟の端午の節句以来、身近に鎧を見た記憶がありませんでした。

職人技というのは男らしい精神と切っても切れない世界のようですが、この度お邪魔したお宅の作家さんは、たおやかな女性です。
旦那様のご趣味を一緒に楽しむ過程で鎧の魅力にはまり、ご自分でも作り始められ、資生堂ギャラリーのご担当者にアドバイスを頂いたのがきっかけで、綺麗な糸を使った優美で華やかなYoroi作りにどんどんご自身の世界を広げていかれたとのこと。
今では、個展の予定が引きも切らず。テレビにも度々取り上げられ、ちょうどわたしが伺った日は雑誌のページに使う写真のチェックをされていました。

鎧廼舎(よろいのや)「うさぎ塾」
Yoroi作家、卯月阿子さん


が、その方です。
一緒に綺麗な本をめくりながら「こういうイメージにしたくて」と話されるそのページたちの色彩の、優雅で華やかで高貴なこと。
写真の向こうに流れる布の色の、感触のやわらかさ。
鎧にまつわる、堅く泥臭く血なまぐさいイメージはどこにもありません。
それが卯月阿子さんの「鎧の世界」なのです。

堅い部分がメインではなく、いかめしい部分を引き立てる華やかな紐飾りと刺繍と紋章の美しさ、彼女の美意識はそこにあるのでした。
お洋服を楽しく作られる感覚で、鎧が生まれていく。

そして、その優美な作風が注目を浴び、上賀茂神社での鎧着初式(よろいきぞめしき)というイベントを開催するにも至ったとのこと。
今年は11月16日、上賀茂神社(賀茂別雷神社)で、生徒さんと作られた「都よろい」の展示行列が行なわれるとのことです。
中に着る着物、靴、その他の小物もかわいらしかった。

近所なので、出向いてみようと思います。


photo...卯月家にて。

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