手つき

以前から、Diorのパウダリー・ファンデが気になっていたので、先日、待ち合わせの前の空き時間に、カウンターに寄ってみました。
店頭サンプルに触れてみて、うわー・・・粒子細かい！ステキ。とわくわく思っていたところへ、BAさんがやってきて、お試しをすすめてくれたので、喜んで鏡の前の席へ。

メイクアップ商品は、手になどつけてみても、感触は掴めません。実際は顔にのせるものだし。
カウンターの席につけば、クレンジング、スキンケア品の数々、メイクアップ商品の数々も同時に見られる・試せるので、新しい商品に出会えそうな、こんな時間が大好き。

で、いつものように、簡単な部分クレンジングからお願いしたのですが・・・
BAさんの手つき！気になる。
あるまじきかな、頬の下方に向けて、しかも強くこするのです。
かの佐伯チズ先生の、かつての在籍を誇るブランドなのに、その肌理論の無視加減は、いったいどうしたことですか

頬は、どんな時も引き上げながら扱うのが、基本ではないの？
と、ぐりぐり頬を押し下げられながら、不安と憤りを感じ、彼女の顔を見ると、うーん、やはり。
彼女の頬も、けっこう垂れている。
いつも自分でもこんなケアしてるんだ・・・だからだ・・・
と納得してしまうような、結果が見事に表れていたのでした。

いかに「リフトアップ化粧品」を使っていても、最終的には手つきが大きな決め手となって効果に繋がると思います。
何を使うか、の前に、どう使うか、がとても大事ですよね。

同じような例、別のところでも見ました。

化粧室の鏡の隣に立った女性。
いつも見かける人で、肌感にかげりは見られるものの、服やメイクにいろんな努力が感じられて、がんばる人が好きな私としては、悪くない、という印象でした。
ところが・・・
メイク直し中、「シュッ、シュッ」と大きな音が聞こえて、なんだ？と思ってちらっと見ると、彼女、パウダリーファンデのスポンジを、力任せに顔にこすり付けて、ファンデの重ね塗りをしているのでした。

その音から察するに、めちゃ、力強い・・・しかも、乾いたスポンジをそんな風に乱暴にこすり付けたら、絶対、肌、ダメージ大きい！
なにしろ、肌が引っ張られて、表情まで変わっちゃってる。
隣で見ていて、「ひー」と思ってしまうくらいに、恐ろしい化粧直しでした。

肌たるませたいの？あなた！
これが親しい人だったら、即、愛の叱責を飛ばしていたでしょう。
勿論しなかったけど。。
しかしそれで、彼女の頬やまぶたの、シワやたるみの原因が見えた気がしました。
手つき、手つき！！
顔の表情が変わるくらいに引っ張ったら、どんな高級化粧品の効果も、一瞬にして水の泡。
第一、そんな乱暴に塗ったら、ノリだって良くないから、どんどん塗って、どんどん悪循環に肌は傷ついてしまうのではないでしょうか。

でも、そういう手つき、意外と本人は意識していないものなんですよね。
かくいう私も、肌がかさかさな時期、実はケアがうわの空で、肌の扱いが乱暴だった心当たりがあるのです。
自分の肌だから、かえって刺激を与えているのに気付かない。
しかも、強くこすればこするほど、クレンジングにしろメイクにしろ、「付き」が悪いので、余計な刺激を重ねることになる。

クレンジングも、メイクも、肌のきめひとつひとつを意識して、そおっと、そおっと、が基本。
ほんとに、それにつきます。
実感として、その方が、落とすのも塗るのも、肌への効果が高いのです。
そして、当然ながら、方向は上に・・・。

私は美しい人を観るのが、とても好きなのです。
そんな訳ですので、無意識美容の方がもし、いらしたら、どうぞ見直し、よろしくお願いします！！