Belle Epoque

美しい空間と、美しい時間

『マダム・クロード 愛の法則』

2006-06-17 | rayonnage...hondana
~副題 【パリ高級娼婦館女主人の告白】。


先日友達から借りました。
伊藤緋紗子さんの別の本に、この著作についての引用が載っていたため、抜粋は目にしていましたが、本物?を読むのは初めてです。

淡々と描かれるクロード女史の人生の軌跡。
気になるのはやはり、「世界最古の職」を、彼女がいかにして高みに持ち上げたかというところ。
その教養を、彼女はいかにして身につけたのでしょう。
いろいろあるみたいですが、わたしが気になるキーワードは、ガブリエル・シャネルと同じく、"少女期の教育は、修道院で"。
規律正しい生活、自律する精神、
ということが、華やかな世界で成功したこの二人の女性の共通項であることを考えると、なにかそこにヒントがあるような気がしてしまいます。
そう、とにかく「暮らしがきちんとしている」ことが、最高の女たる最大の条件であるみたいです。

紹介されていることの主だったところは、

常にキレイに靴を磨く、
歯を磨く、
全身の肌と髪を美しく保つ、
姿勢、柔軟な筋肉、
仕種、
知性と、自覚、・・・

など当たり前のことですが、根底にあるのは、《規律》《自律》《清潔》の精神といっていいですよね。。

職業としての娼婦を目指すことを良しとするわけではありませんが、
〈娼婦の片鱗〉を持つ女性が、男女どちらから見ても魅惑的な存在であることは確か。
そして、優れた娼婦の基本が、堅固な身持ちを教える修道院で重んじられる《規律》《自律》《清潔》であるなんて、面白いパラドックスではないですか。
そういえば、片岡義男さんの描く理想の女性たちも、きりっと端正な佇まいにそろって片付け魔、そして、全部片付けた後に、密やかに、今度はそれを思うさま自らが乱れて乱す、という「癖」を持っていますよね・・・

たとえば聖と魔、影と光、大胆さと慎み深さ。
この紙一重に迫るところに、魅力の本質があったりするのでしょうか。
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2 コメント

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あらためて読み返し・・ (noisette)
2006-06-18 13:12:35
miさまのおっしゃりたかったコトが、良く分かりました。

「きちんと」していること。→それがヒトの価値を高める。

その基盤は、厳格なまでの教育をする修道院で教わったモノ。

やっと自分の中で消化できました(*´∇`*)



いつでもきちんとしていたいですね。

もちろん、それが身についた上での「崩し」も身につけたいです。

アンナ・カリーナがタバコをくわえる姿みたいなイメージ・・

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いいですねー (noisetteさま(mi))
2006-06-18 17:14:44
>アンナ・カリーナがタバコをくわえる姿みたいなイメージ・・



この譬え!!

滲み出る清楚さがないと、外側もそうは見えませんよね。

自分とは対極な彼女。

私は清楚さを見習いたいです!

・・・で、この本を読むと、にわかにお掃除に立ちたくなるのでした(^▽^;)
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