有吉佐和子という作家の本を読んだのは、これでまだ2冊めなのですが、
その女性観、人間観、美女論には、心底、脱帽!!
ことに、彼女が提示する、
強さって、何か。
の意見には、大賛成。
環境が変わっても、昔も今も、かっこいい人の価値観は変わらないなあ、と、
うれしくなりました。
作者の皮肉で成熟した視点があらわれていて、小気味良い気分にさえなります。
明治から昭和にかけての、「家」を中心とした家族のお話。
守るべき家柄がある名家に生きた女性たちを中心に描かれた、たいへん優美で格式ある世界。
古き良き日本、伝統息づく日本とは、この時代のことだったのだなあと、数々の衣装や道具などの描写にためいきをつきながら、一気に読んでしまいました。
主人公の女性は、生まれ持った美貌と賢さに加え、教養も分別も、お洒落心もふんだんに持ち合わせている、非の打ち所のない女性。
それでいて常に慎ましやかで、明治の教育にふさわしく、「妻たるもの、夫につくし、家につくせ」という教えを忠実に守ります。
政治にも社会情勢にも通じ、大きな家を有能に切り盛りしつつ、それとは知らせず、巧みに夫の出世を助ける優秀な伴侶。
そこにやがて生まれた娘。
彼女は、顔立ちこそ母親に似ているものの、その優雅さは受け継いでいません。
折りしもブームになっていた「女性の解放」運動に熱を入れ、
「お母さんみたいな人が、女性の進出を妨げるのよ!」
と、物静かに夫をたてる母に、真っ向から反抗姿勢。
スローガンを掲げ、男のように勇ましく社会運動に参加するものの、結局身の回りのことにはみんな不器用で、母親の世話になりっぱなし。
でもそんな矛盾には自分で気づかず、反発ばかりを続けるものの、戦争などを経て、挫折を味わうにつれて、次第に勢いはしおれ、謙虚になっていきます。
さらにその彼女の娘は、母親からは伝わらなかった、祖母の体現する女性古来の「道」に惹かれます。
彼女は、誰の世話にもならず自分でも仕事を持ちつつ、女親達の生き方を、静かに学ぼうとする・・・。
明治から昭和にかけて、3人の女性が織り成す、芯の太い物語。
背景に常に流れるのが、その家のそばにある「紀ノ川」。
水、川は、女性のしなやかな強さの暗喩。
として、使われています。
男の強さと、女の強さは違うもの。
女らしくあることが、女の強さにつながる、という意見には、まったくもって大賛成。
それはなにも、媚びるってことではないです。
あえていうなら、包容力、かな。
受身と見えて、その実、すべてを許容する器があること。
それが、女らしさかなと思います。
そのほかにも、豊かな含みがたくさんあって、大変人生のお勉強になるのですが、とりあえず私が感じた一番強い印象は、この、各女性の、性格について。
さて、一番堅固なつよさってなんでしょう?
て感じですね。。
蛇足ながら。
後日まで消化不良で残っているナゾなのですが、
主人公の夫が、娘の結婚相手について妻と話し合うくだりにこんなセリフがあり、、、
「酒が好きでたくさん飲む男なら、女の間違いがない」。
これって、どうなんでしょう??!!
ウラを取りたくて、たまりません・・・!!
その女性観、人間観、美女論には、心底、脱帽!!
ことに、彼女が提示する、
強さって、何か。
の意見には、大賛成。
環境が変わっても、昔も今も、かっこいい人の価値観は変わらないなあ、と、
うれしくなりました。
作者の皮肉で成熟した視点があらわれていて、小気味良い気分にさえなります。
明治から昭和にかけての、「家」を中心とした家族のお話。
守るべき家柄がある名家に生きた女性たちを中心に描かれた、たいへん優美で格式ある世界。
古き良き日本、伝統息づく日本とは、この時代のことだったのだなあと、数々の衣装や道具などの描写にためいきをつきながら、一気に読んでしまいました。
主人公の女性は、生まれ持った美貌と賢さに加え、教養も分別も、お洒落心もふんだんに持ち合わせている、非の打ち所のない女性。
それでいて常に慎ましやかで、明治の教育にふさわしく、「妻たるもの、夫につくし、家につくせ」という教えを忠実に守ります。
政治にも社会情勢にも通じ、大きな家を有能に切り盛りしつつ、それとは知らせず、巧みに夫の出世を助ける優秀な伴侶。
そこにやがて生まれた娘。
彼女は、顔立ちこそ母親に似ているものの、その優雅さは受け継いでいません。
折りしもブームになっていた「女性の解放」運動に熱を入れ、
「お母さんみたいな人が、女性の進出を妨げるのよ!」
と、物静かに夫をたてる母に、真っ向から反抗姿勢。
スローガンを掲げ、男のように勇ましく社会運動に参加するものの、結局身の回りのことにはみんな不器用で、母親の世話になりっぱなし。
でもそんな矛盾には自分で気づかず、反発ばかりを続けるものの、戦争などを経て、挫折を味わうにつれて、次第に勢いはしおれ、謙虚になっていきます。
さらにその彼女の娘は、母親からは伝わらなかった、祖母の体現する女性古来の「道」に惹かれます。
彼女は、誰の世話にもならず自分でも仕事を持ちつつ、女親達の生き方を、静かに学ぼうとする・・・。
明治から昭和にかけて、3人の女性が織り成す、芯の太い物語。
背景に常に流れるのが、その家のそばにある「紀ノ川」。
水、川は、女性のしなやかな強さの暗喩。
として、使われています。
男の強さと、女の強さは違うもの。
女らしくあることが、女の強さにつながる、という意見には、まったくもって大賛成。
それはなにも、媚びるってことではないです。
あえていうなら、包容力、かな。
受身と見えて、その実、すべてを許容する器があること。
それが、女らしさかなと思います。
そのほかにも、豊かな含みがたくさんあって、大変人生のお勉強になるのですが、とりあえず私が感じた一番強い印象は、この、各女性の、性格について。
さて、一番堅固なつよさってなんでしょう?
て感じですね。。
蛇足ながら。
後日まで消化不良で残っているナゾなのですが、
主人公の夫が、娘の結婚相手について妻と話し合うくだりにこんなセリフがあり、、、
「酒が好きでたくさん飲む男なら、女の間違いがない」。
これって、どうなんでしょう??!!
ウラを取りたくて、たまりません・・・!!
酒をたしなむ男の人は他に目を向けないらしい。男の同僚と楽しんで宴をするから ま 女より酒でストレス発散できるし、付き合いも上手ということらしい・・・
んん・・定かではないが・・・・家の父様が
力説してました。
でもお父様もそうおっしゃってましたか~~。
うん理屈はわかりますね!
じゃあやっぱり、これは一般論・・・???
有吉佐和子さんは私も好きな作家のひとりです。
久しぶりに読み返したくなりました。人としての
生き方や、賢さとは?等を考えさせられる作品が
多いですね。
「酒好き」と「女性」の説は…。
どうでしょうね。どちらかと言えば私の中では、
お酒と異性は切り離せない関係のようにも思える
けど、確かに酒で発散しているうちは、家の外の
異性に目を向けず済むのかもしれませんね。
(既婚者の場合)
この記事、興味深く拝見し、
TBさせていただきました。どうもありがとう。
国文科だったにもかかわらず、有吉作品は『悪女について』しか読んでおりませんでした
出会えてよかったすてきな本です!