アモルの明窓浄几

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耐震診断と耐震補強について-9

2009年03月11日 | すまいのこと
第9回「4.耐震補強のポイント 4-1.地震に耐えるには、強い壁(耐力壁)が必要」

第9回の今回からは、第4章「耐震補強のポイント」に移ります。
耐震診断の結果、安全性が低いと判定された場合に、安全性を高めるためには何処をどのように補強するのかをポイントを絞って説明します。

第7回において、耐震補強の優先順位を申し上げましたが、地盤を除いた基礎及び木造軸組等の上部構造の補強ヶ所を四回に分けて説明して行きますが、技術的な事よりもどのような処を補強すれば地震等に強い建物になるのかを理解して頂ければと思います。

今回の第9回目は、「4-1.地震に耐えるには、強い壁(耐力壁)が必要」について説明します。
先ず、下記の「図表-16」をご覧下さい。


↑ 「図表-16」:耐震補強のポイント その1

上記の「図表-16」の写真をご覧頂くとよくわかると思いますが、窓や出入口等の開口部が大きかったり、多くあったりすると耐力壁が不足して、地震時に建物が傾斜したり崩壊したりします。

従って、地震などの横からの力に対しては、壁を強くして安全性を高めるようにします。
壁を強くする方法は、①壁の量(壁長さ)を増やすこと、②壁の強度(壁強さ倍率)を増すこと及び③バランスのよい壁配置にすることです。

一般耐震診断法において上部構造の評点は、その住宅の「保有する耐力」を「必要耐力」で除した値で表します。
此処での「保有する耐力」は、上記の三要素と劣化度で決まりますから、評点を上げるには、耐力壁は重要な部位と云えます。尚、「必要耐力」は、第3回で述べたように悪い地盤においては、1.5倍にする事になっています。

「図表-16」の筋違新設による補強は、壁の強度(壁強さ倍率)を高めます。
筋違の他、構造用合板等による補強もよく利用されています。
従って、壁の補強と劣化対策が耐震補強工事の基本と云えます。


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