アモルの明窓浄几

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芦屋市長の公選法違反を検審「不起訴相当」とする

2012年10月01日 | まちのこと
昨日(9/30日付)の朝日新聞によると、今年1月に不起訴とした検察の処分を不服として、告発人が検察審査会へ審査を申し立てていた件において、神戸第一検察審査会が「不起訴相当」と議決(議決は12日付)していたことが29日わかったということです。

これは、昨年4月の芦屋市長選において選挙運動費用収支報告書に虚偽記載をしたとして、山中健市長が公職選挙法違反容疑で書類送検され、神戸地検尼崎支部が不起訴(起訴猶予)処分としたことに発しています。

虚偽記載の内容は、先の市長選の後、実際には支払われていない車上運動員4人への報酬225,000円を支払ったとする嘘の収支報告書を記載し、市選挙管理委員会に提出したもので、昨年11月に書類送検され、検察は今年1月に不起訴処分としたものです。

検察審査会は、議決理由について「公職選挙法の趣旨に照らして、悪質ではないと判断した処分は相当」としています。
但し、議決理由の中で、山中市長が過去に芦屋市議選や市長選を経験している点を踏まえて、下記の点を付け加えています。
・正確に記入すべきことを熟知しているはずだが、収支報告書の作成がいい加減だと考える。
・真摯に反省しているかわからず、多くの有権者に対して誠意がない。
・今後、虚偽の記入をしないことを要求する。

記事の内容はおおむねこのようなことですが、皆さんはこれで納得出来ますでしょうか。
私は納得できません。
検察審査会は、付記で「作成はいい加減で、真摯に反省しているかわからない」といっており、山中健市長自らがこの件を認めている(後記参照)のですから、これが公職選挙法違反でないなら、「悪質」を立証しない限り責任をとらずに済むということになります。

告発した男性は、「公職選挙法は悪質性の有無にかかわらず、虚偽記載を禁じていると考えており、審査会の議決は不当だ」と述べているそうです。全くその通りだと私も思います。

更に、山中健市長の行政マンとしての資質が問われています。彼は市議会において「領収書に大体の金額を記入をいたしました。…訂正すればいいと思っておりました」と述べていますが、行政に携わるそれも市長という立場の者が、このように安易に事柄を法を軽く見る態度は、首長として不適格といわざるを得ません。
「報道の大きさにびっくりしている」と、認識の甘さも露呈しています。
「虚偽とか嘘とかと、こういう表現になりますとそこに意図が感じられる…そういうことは毛頭ございません…職務上とか、選挙そのもののこういったことではない」といっていますが、後で訂正すればいいと思って嘘の金額を書くことも虚偽であり、選挙運動費用の収支報告まで含めた行為が選挙であり、公職選挙法違反にあたるのです。

この件については、山中健市長自らが行政のトップとしての立場から、市民に対してあらためて丁寧な説明が必要でしょう。

【 参考 】芦屋市議会(定例会)における山中健市長の発言。
●平成23年6月(定例)第3回
>次に、今回の私の選挙活動収支報告書の件につきましては、報告書の提出期限が迫る中で、車上運動員の金額が確定していませんでしたので、それぞれ自筆の住所、氏名が書かれた、そして捺印されていた金額があいた領収書に大体の金額を記入をいたしました。金額が確定し、お支払いをし、改めて領収書をいただいた段階で次回提出のときに訂正すればいいと思っておりました。
 また、事務員13人の件につきましては、手元にありました領収書を上に倣えで記載をいたしましたもので、選挙に入る前に後援会活動の対価で支払われていた領収書でございました。訂正をし、受理されたところでございます。
 責任はどうかということでございますが、大きな期待を担っての3期目の船出となりましたので、しっかり仕事をして結果を出していくことが何よりの責任の取り方だと思っております。 以上でございます。

●平成23年12月(定例)第5回
>最後に、先般報道されました私の選挙収支報告の件につきましては、告発をされましたから警察で調べて、その書類が検察に送られるというのは、これ一連の流れでありますから、私は特にニュース性はないものと思っておりましたが、報道の大きさにびっくりしているところでございます。
 もとより、ごまかそうとか、うそをつこうとかという気持ちは全くなかった案件でございます。検察庁の判断を待ちたいと思っています。
>それから、今回の収支報告書の件でございますが、虚偽とかうそとかと、こういう表現になりますとそこに意図が感じられるわけでございますが、そういうことは毛頭ございませんでした。また、職務上とか、選挙そのもののこういったことではないということもまた御理解をいただきたいと思いますのと、反省ということ、先ほどは責任ということについて申し上げさせていただきましたけれども、反省ということにつきまして、あえてここで申し上げるようなことではございませんが、今回のことを受けて自分にもっと慎重にしっかりせえという意味も込めて世のため人のためになるようなことを毎日、今、先々週から実践をしているところでございます。

●平成24年3月(定例)第1回
>私の選挙収支報告書の件につきましては、世のため人のためになることを行うことによって、私なりのけじめを果たしているところでございます。


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