茂木日誌

茂木の日誌

もちつもたれつ

2017-02-13 22:17:20 | 日誌
次の山形Qの本番は、今月2月26日に酒田での公演が予定されております
準備も順調に進めているところです

演目は
山形交響楽団のフルート奏者小松崎恭子さんをお迎えしてモーツァルトのフルート四重奏曲
幸松肇作曲による弦楽四重奏のための日本民謡第三集
メインのベートーヴェンは、作品59−1「ラズモフスキー第1番」

「ラズモフスキー第1番」は、ベートーヴェンが書いた弦楽四重奏曲の中でもチェロの旋律で始まるという素晴らしい作品(チェロ弾き的に)
ベートーヴェンが書いた他の作品でチェロから始まる楽章は作品18−2の第四楽章などありますが、作品の冒頭がチェロから始まるケースはたしか作品59−1だけ
前奏も無くチェロの悠然としたメロディーから曲が始まるこの作品は、ハイドンの作品20−2を思い出させます

しかし世の中にはご褒美ばかりの世界など存在せず
「ラズモフスキー」において他パートに対し必要とされる奉仕の内容は、それ以前の作品の内容に比べ格段に複雑なものになっています
そしてそれはチェロに限った話ではなく、四つのパートの関わり合いが緻密になった結果なので、メンバー全員が感じることでもあります

この作品を演奏するたび、とにかく思いやりにあふれたアンサンブルを構築してゆく事を作品から要求されます
針の穴に糸を通すような緻密さというよりも、作品全体のフォルムを大きく抱き込めるような懐の大きさを四人で協力して構築する必要性を感じます
四人で協力する事が、とにかく大切

冒頭にチェロのメロディーが配されたのも
「普段から冒頭は伴奏ばかりで音数が少ないから楽チンに考えているのだろうけど、暖気もせずに最初からいきなり旋律を弾かされるのが大変だという事を君も知りなさい」
とベートーヴェン先生からのメッセージか、、、
冒頭で数小節の休を与えられている第1ヴァイオリンの奏者は、少なくとも一度は考えた事でしょう

「汝の隣人を愛しなさい」というベートーヴェン先生からの教えなのです

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