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名も無きねこに

タクシーと青の時代

2021-09-30 22:38:35 | わたし

イカは5階に住んでいる。作品を下まで運んで上に戻るのは辛かった。

イカはラッピングが済んでいないものの対応で、運ぶのはわたしと奥さんで、

あとから手伝いに男女二名が加わった。

 

荷物を積み終わり、イカ宅から沼津まで車二台、別ルートで出発した。

わたしは手伝いに来た女性の車に便乗して、行きがけに伊勢原の倉庫によって絵を一点持ち出した。

以前選評会に参加していたお陰で、倉庫まで道案内が出来た。

沼津に向かう車中では山登りの話題で盛り上がった。

 

目的地の美術館は市営の割りに小さな建物で、裏の搬入口のようなものがなく、

正面入り口から作品群を運び入れた。

作品を全部運びおろして、車を出してくれた女性ともう一方の男性は帰っていった。

 

その日は全部開梱するだけで閉館時間になったので引き上げてホテルに向かった。

行ってみたホテルは1階の表に面した窓一面に、

ラブライブというのかアニメの女の子があしらわれていた。

聞けば、沼津を舞台にしていたらしい。

 

それは置いておいて、部屋は奇麗で快適。

早速喜んで冷水シャワーを浴び、汗とよごれを落とした。

 

人心地ついたところで二人で夕食に出かけた。

美術館の学芸員さんに美味しくて安いと聞いていた「魚がし屋」という寿司店に向かう。

店についてみると、店頭に置かれた台に鯵のお寿司のパックが半額で幾つも置かれている。

これを逃す手はないと、イカと二人で買い込み、近くのベンチで食べた。

 

散歩がてら商店街をうろついてホテルに帰ると22:00近く、いい加減寝る時間だ。

今日はこれまで、と大人しく床に就いた。

 

今朝、起きたのは八時ごろ。わたしはぐっすり眠ったけれど、イカは4時間しか眠れなかったらしい。

1階の食堂で朝の定食を食べた。魚の練り物、もやしのお浸し?、もう一品よく思い出せない小鉢と、

いわしの蒲焼がだされ、ご飯とお味噌汁はお替り自由だった。

うれしいことに、緑茶、紅茶、コーヒー、ジュースなど飲み放題で、

最近やたら喉の乾く私はお茶を3、4杯飲んだ。

 

美術館に到着する時刻をイカが忘れていて、ホテルを出る時間が遅れたので、

止むを得ずタクシーを拾った。

イカはタクシーの運転手さんに美術館までやってくれと頼みつつ、宣伝も忘れずチラシを渡す。

すると運転手さんはピカソが好きで、青の時代の複製を家に飾ってあるのだとか言い出し、

イカと二人でピカソ談義で盛り上がっていた。

タクシーを降りて、あの人はきっと見に来てくれるよとわたしとイカで話した。

 

館内に入ってみると、学芸員さんが既に作品を壁に掛けてくれていた。

なので今日の作業は150号のフレームを組んで、絵を貼り付けるのが主だった。

貼り付けはイカと学芸員さんが担当していて、

わたしはボツになった作品を絵が傷まないようにファイルに収めろと命じられた。

さらに年代順に分けろと追加指示が出たので、年代は書いてあるのか聞いてみたら、

そんなのは作風を見て判断しろといわれた。

長年弟子を務めているわけでもなく、手弁当で手伝っているので、その言い方には少し腹が立った。

 

17:00の閉館時間となり、今日の作業も終わった。

学芸員さんは親切にもわたしたちを沼津駅まで送ってくれた。

イカは宿泊費を半分負担するから、もう一日居られないかとわたしに聞くのだけれども、

さすがに台風が近付いていて、明日電車が動かなくなると更にもう一泊することになるので、

悪いけれど今日引き上げることにした。

 

沼津駅を18:44に立ち、沼津から小田原までJRだったけれども、車内がガラガラなのに驚いた。

一方小田急は満員に近かった。

何とか自宅の最寄り駅に着いたのが21:00ごろ。

食事をしたくても、どの店もテイクアウトしかやっていない。

やむなくマックでハンバーガーとコーラを買い込んで雨に打たれながら帰宅した。

Ms.Flabby が迎えに出てこないか期待して帰ってきたけれども、彼女はお出かけ中だった。残念。

 

イカの個展には兄と二人で見に行く予定になっている。

それと搬出の手伝いも当てにされている。交通費で懐が寒い。

コメント
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