東北へ旅に行っていた知人が帰ってきて、珍しいものが手に入ったから見に来いと連絡してきた。
ソファーに座ると、コーヒーか紅茶かを訊ねられた。
紅茶と言うと、種類を訊ねられる。アールグレイ。ミルク入り。ミルクはなんだと訊ねられる。何があるんだと聞き返すと、蒜山ジャージー牛乳と、明治乳業の「おいしい牛乳」、大山「白バラ牛乳」だという。「白バラ牛乳」を頼む。
テーブルの上に、薄紫の風呂敷で包まれた箱のようなものが出てきた。どうもこの大袈裟さが知人の持ち味なんだが・・。
風呂敷をはらりとほどくと、桐の箱が出てきた。箱を開けると、石が入っている。
「これをこいつで」と言って彼は小さな鉱物ハンマーを取り出してきた。
「割るんだよ」と言って、石の隅の方をハンマーで叩いた。小さなかけらがコロンと転がる。
セミの鳴き声がする。一分間ほど続いた。
「ほら。楽しめるだろう」
「これ、ひょっとしてあのお寺で?」
「そうそう。夏も終わりになると、しっかり染み入っているから」
良い東北土産ではある。
ソファーに座ると、コーヒーか紅茶かを訊ねられた。
紅茶と言うと、種類を訊ねられる。アールグレイ。ミルク入り。ミルクはなんだと訊ねられる。何があるんだと聞き返すと、蒜山ジャージー牛乳と、明治乳業の「おいしい牛乳」、大山「白バラ牛乳」だという。「白バラ牛乳」を頼む。
テーブルの上に、薄紫の風呂敷で包まれた箱のようなものが出てきた。どうもこの大袈裟さが知人の持ち味なんだが・・。
風呂敷をはらりとほどくと、桐の箱が出てきた。箱を開けると、石が入っている。
「これをこいつで」と言って彼は小さな鉱物ハンマーを取り出してきた。
「割るんだよ」と言って、石の隅の方をハンマーで叩いた。小さなかけらがコロンと転がる。
セミの鳴き声がする。一分間ほど続いた。
「ほら。楽しめるだろう」
「これ、ひょっとしてあのお寺で?」
「そうそう。夏も終わりになると、しっかり染み入っているから」
良い東北土産ではある。
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