ロビーを抜け
屋外の庭園に出た。(かつて山縣有朋が所持していた名園)
この庭園内の離れた所に高級料亭「K」があった。
歩くこと数分、後ろから着いてくる舞子たちを気にかけながら
料亭の入り口に着いた。
玄関外には年配の下足番が待っており、中へ案内してくれた。
広い玄関の扉(自動扉)が左右に開き、中へ足を踏み入れてまず感動した。
履物を脱いで広いエントランスホールに小上がりすると、
白檀(ビャクダン)の香りか定かではないが、ほのかなかぐわしい香りに身が包まれた。
それまでの喧騒の世界を忘れ、別世界への入り口を予感させる演出だ。(香道の世界)
後ろ手に、おこぼ(厚底の履物)を脱ぐ姿も愛らしい舞子のしぐさをながめ、すでに夢心地になっていた。
(M氏、感謝!)
青畳のすがすがしさが残る広い和室に通され、
M氏と私は座卓をはさみ向かい合って座り、舞子たちはそれぞれの左手に座った。
「Mさん。舞妓さんたち紹介してくださいよ」
「自分で聞きなよ」
「こんにちは、アマルといいます。お名前はなんというのですか?」
私の左手の子は「菊乃(仮名)どす。よろしゅうおたのもうします」
M氏の横の子に目をやると「綾わか(仮名)どす。よろしゅうおたのもうします」
私もにわか仕込みの京都弁で
「私こそ、よろしゅうおたのもうします」
彼女たち少し笑ってくれた。
「Mさん、彼女たちどうされたんですか?」
「今晩、私の客の接待のために京都から呼んだんだよ」
「えッ!京都から出張してもらったんですか?」
「そう。きのうの晩東京に泊まってもらって、さっきHホテルに迎えに行ったんだ」
「本チャンは夜なんで、昼飯終わったらちょっと東京見物にこの子たち連れて行こうと思ってね」
(この子たち引き連れて真昼間に東京見物?目立つだろうなあ~っ!)
「アマル君はまだ芸妓遊びしたことないって言ってたから経験させてあげようかと思ってね。今日は芸妓でなく舞妓だけどね(笑)」
(うわッ、何といい人なんだ。M様、感謝、
感謝、感謝....謝々(シェイシェイ))
ほどなく料理が出てきた。
彼女たちにもわずかに小料理が出たが、あまり食さず
我々のお酌接待が昼のお仕事だった。
(つづく)
屋外の庭園に出た。(かつて山縣有朋が所持していた名園)
この庭園内の離れた所に高級料亭「K」があった。
歩くこと数分、後ろから着いてくる舞子たちを気にかけながら
料亭の入り口に着いた。
玄関外には年配の下足番が待っており、中へ案内してくれた。
広い玄関の扉(自動扉)が左右に開き、中へ足を踏み入れてまず感動した。
履物を脱いで広いエントランスホールに小上がりすると、
白檀(ビャクダン)の香りか定かではないが、ほのかなかぐわしい香りに身が包まれた。
それまでの喧騒の世界を忘れ、別世界への入り口を予感させる演出だ。(香道の世界)
後ろ手に、おこぼ(厚底の履物)を脱ぐ姿も愛らしい舞子のしぐさをながめ、すでに夢心地になっていた。
(M氏、感謝!)
青畳のすがすがしさが残る広い和室に通され、
M氏と私は座卓をはさみ向かい合って座り、舞子たちはそれぞれの左手に座った。
「Mさん。舞妓さんたち紹介してくださいよ」
「自分で聞きなよ」
「こんにちは、アマルといいます。お名前はなんというのですか?」
私の左手の子は「菊乃(仮名)どす。よろしゅうおたのもうします」
M氏の横の子に目をやると「綾わか(仮名)どす。よろしゅうおたのもうします」
私もにわか仕込みの京都弁で
「私こそ、よろしゅうおたのもうします」
彼女たち少し笑ってくれた。
「Mさん、彼女たちどうされたんですか?」
「今晩、私の客の接待のために京都から呼んだんだよ」
「えッ!京都から出張してもらったんですか?」
「そう。きのうの晩東京に泊まってもらって、さっきHホテルに迎えに行ったんだ」
「本チャンは夜なんで、昼飯終わったらちょっと東京見物にこの子たち連れて行こうと思ってね」
(この子たち引き連れて真昼間に東京見物?目立つだろうなあ~っ!)
「アマル君はまだ芸妓遊びしたことないって言ってたから経験させてあげようかと思ってね。今日は芸妓でなく舞妓だけどね(笑)」
(うわッ、何といい人なんだ。M様、感謝、
感謝、感謝....謝々(シェイシェイ))
ほどなく料理が出てきた。
彼女たちにもわずかに小料理が出たが、あまり食さず
我々のお酌接待が昼のお仕事だった。
(つづく)
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