茜ちゃんのつれづれ草
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ノーベル生理医学賞・発表
山中 伸弥教授・ガードン博士受賞
山中 伸弥 教授 ジョン・ガードン博士
とうとう山中教授がノーベル生理医学賞を受賞されました。ケンブリッジ大学のジョン・ガードンが同時受賞されました。<おめでとうございます>
ノーベル賞の今年最初の発表ですから、素晴らしいです。25年ほど前、このブログでも度々ご紹介しております、利根川 進博士が受賞されて2回目になります。これからもこの分野の受賞が続くと良いですね。
年齢は山中教授が50歳、ガードン博士が79歳でした。日本のノーベル賞受賞者最年少は、「湯川 秀樹-42歳」「田中 耕一-43歳」「江崎 玲於奈-48歳、利根川 進-48歳」・・・・です。
特に田中耕一さんの場合は企業内の研究員でしたから、ビッグ・ニュースになりました。
今週、来週と発表が連続しますので、眼が離せませんね。 ノーベル文学賞の村上 春樹さんも有力だとか! (^-^)
今回は受賞者のエピソードが話題を誘いました。キーワードは<落ちこぼれ>・・・とは言っても、一般常識的なレベルは遥かに超えていたことは確かですが、山中教授は整形外科の手術が上手くなく、この方向は挫折したそうです。
「ジャマナカ」 が仇名だった。
臨床よりも基礎研究の方向に進路を変え、その後の幾たびの苦難を乗り越えられて、大きなチャンスを掴みました。本日はこの話。
「授賞理由となったiPS細胞(新型万能細胞)の研究を飛躍させた原動力は、研究の重要性を粘り強くアピールする山中教授自身の「プレゼンテーションの力」。
自分で作成した個性的なイラストが、約3億円(5年分)という巨額の研究費を獲得するきっかけとなった。
山中教授は2003年8月、iPS細胞の基礎研究に手応えを感じ、国の大型研究費を申請した。 しかし、当時は本人の強い自負とは裏腹に、iPS細胞研究はまだ模索の段階だった。
そこで、研究費配分の審査では、世界的に研究が先行していたES細胞(胚性幹細胞)の問題点を イラストにまとめ、「ES細胞に代わる新たな細胞を作る必要がある」と訴えた」
「審査担当だった岸本忠三・元大阪大学長は「イラストを使った説明には(説得する)迫力があった。(iPS細胞は)できるわけがないとは思ったが、『百に一つも当たればいい。こういう人から何か出てくるかもしれん。 よし、応援したれ』という気になった」と高く評価した 」
医学や医療関係の方であれば、岸本忠三という方は良くご存知のはず。この方は元大阪大学学長で、世界的な免疫学権威だった方です。一般的な著書も書かれて居ります。 山中さんは運が良かったんですね。iPS細胞研究は免疫学と密接に結びついております。
岸本忠三
他人の細胞からiPS細胞を作り出しても、他人の細胞ですから必ず免疫の拒否反応が出てきます。また、当初は癌化しやすいという難点も発生しました。そのような関係から、審査担当者が岸田忠三氏であった事が、大変なラッキーになったということになります。
この辺りから山中教授の運勢が急カーブで上昇し始めたのでした。まさに神様か仏様の力が作用した感じですね。持続力を維持して努力した結果でしょう。
<自伝が出版されるそうです>・・・宣伝ではありません!
ブログを書いている途中で、ノーベル化学賞の受賞者が発表になりました。
<スウェーデン王立科学アカデミーは10日、今年のノーベル化学賞を、米デューク大のロバート・レフコヴィッツ教授(69)と米スタンフォード大のブライアン・コビルカ教授(57)の2人に贈ると発表した。授賞理由は「Gたんぱく質共役受容体の研究」。
細胞が環境からの刺激を受け取るときのセンサーの役割をする受容体の主要なグループの遺伝子と機能を解明した>
<アドレナリンなどのホルモンの刺激を受けた細胞は、その情報をどう処理しているのか。また、口や鼻の細胞は臭いや味をどのように把握しているのか。受賞が決まった2人は、細胞の表面を覆う膜にある「Gたんぱく質共役型受容体」の働きや構造を明らかにし、細胞の内外で情報を伝達する仕組みを突き止めた>
これから来週も発表が続いていきます。
<バクテリオ・ファージの増殖>-002
先回は「ウイルス」について書いてみました。生物でもないし、無生物でもないどちらともいえない不思議な物質? しかし、ウイルスが物質と一線を画している唯一の最大の特徴があります。
<ウイルス>は自己複製能力持っている。
ウイルスはたんぱく質の甲殻の中に、DNAあるいはRNAという核酸という単一の分子を持っている。
DNAとかRNA などは、金属をはじめ一般的に物質と呼ばれている無機物の中には存在しておりません。しかし、遺伝子を持ち、生物の代謝系を利用して増殖するウイルスは生物と関連があることは明らかでしよう。現在でもハッキリとした定義付けがありません。
ウイルス・・・・A・・ 今日の分子生物学・医学では動植物に感染するもの
B・・ 細菌に感染するウイルス・・・・バクテリオ・ファージ
バクテリオ・ファージ・・・ウイルスが「細菌」の表面に取り付いた様子
下の図はT4ファージと呼ばれるウイルスの概念図です。まるで、宇宙船のような、あるいはそっくりな形をしています。これが大腸菌のような細菌の表面に取り付いて、自分の甲殻の中に入っているDNAを注入するのです。
この後実に生命体のような動きをします。宿主細胞である大腸菌のDNAに自らのDNAを食い込ませて、その細胞質のなかで自分と同じ部品を作らせ、ついには自分と全く同じものを完成させ、最後には細胞を食い破って外に出て行きます。大腸菌はこれで破壊されてしまいます。まるでエイリアンさながらです。
東京工業大学大学提供
バクテリオ・ファージの概略図
このような行動をみますと、自己複製するから、紛れもなくウイルスは生命体なのですが・・・・・この件については学問的には「微生物学」の中の<ウイルス学>に属します。
次回は、もう少し細かく見てみましょう。
お願い
奄美諸島方面は先般来の台風の直撃を連続して受けて、大きな災害が出ております。現在応急修理の真っ最中ですので、多くの時間がこれに取られてしまいがちです。ブログが遅れがちになりますので、暫くの間よろしくお願いします。
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