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ローマ人の物語・30巻

2008年12月02日 | 
ローマ人の物語 30 (30) (新潮文庫 し 12-80)
塩野 七生
新潮社

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賢帝マルクス・アウレリウスの戦い。
久々に本格的な戦乱の世に突入です。
パルティア戦役、北アフリカのマウリタニアの一掃、蛮族の侵入、
カシウスの反乱、長いゲルマニア戦役などなど、
40代後半になってからのマルクスはあっちこっちで戦いまくり。

病苦をかかえていた皇帝マルクスは将軍と息子コモドゥスを呼び
すでに共同皇帝にしていたコモドゥスを助け、パクス・ロマーナを遂行する、
ゲルマニア制覇することを遺言として亡くなった。

なぜ不遜の息子コモドゥスを賢帝マルクスが跡継ぎにしたのか?
コモドゥスは映画グラディエーターのあのひどい皇帝です。
賢帝マルクスが不遜の息子を後継者にできず、
ラッセル・クロウ扮するマクシムスを皇帝にしようとした寸前に
コモドゥスに殺害されるんだけど、これはあくまでフィクション。

コモドゥスが記録抹殺刑になるほどの愚帝だったからで、
あの賢帝マルクスがおばかのコモドゥスを息子だからって
跡継ぎにするわけない!とこういったフィクションが生まれるのです。

実際の話は、姉ルチッラによるコモドゥス暗殺計画が発覚してから
コモドゥスは猜疑心の虜になり、暴君になってしまう。
彼が信頼していた元奴隷の召使による耳打ちで
近衛軍団長官と家族を殺害。義兄、妻を殺害。
結局コモドゥスは愛人に殺され、元老院により記録抹殺刑が確定し
ローマ史から消えることとなった。

20歳そこそこでローマ皇帝になっちゃったおばかな若者は
信頼していた姉に殺されそうになって、疑心暗鬼を生じ
めちゃくちゃやって、最後はローマ市民と元老院により抹殺されたそうです。

日本もそうだけど、政治にジュニアは必要なし!


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