不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Michelangelo in moda

2004-09-23 12:48:56 | アート・文化
「1504年9月22日、
染物職人組合(信心会)の組合長より
ミケランジェロ・ブオナロッティ殿へ
同信心会教会付属の大部屋の
貸し出し許可が出される」

この文章、たいしたことないのですが、
こんな文書が今頃(500年経って)見つかったのです。

文書自体はずっとこの染物組合の信心会が
保管していたものらしいのですが、
度重なる引っ越しの際に重くなり、
ある日とうとう売り飛ばしたらしい。
で、変遷を経て、
フィレンツェで美術史の教鞭をとりながら
古美術品の収集を続けていたイギリス人・ホーン氏が
どこぞやの競売で落札。
現在のホーン美術館のある建物の
1階部分に保管していたらしいのですが
1966年のアルノ洪水の時に浸水。
紛失の難を逃れた古文書の山は乾かされて
1974年になって
当時のホーン財団会長の要望で
美術史研究家にその研究調査の依頼が出され
初めてこの文書を含んだ
約800冊の古文書ノートが日の目を見ることに。

それから月日は流れ。
500年前の文書に
なにか大事なことが記載されていると発覚。

1504年9月22日付の文書。
ということで
記念すべき500年後の2004年9月22日に
ホーン美術館にて
この調査結果の会見が開かれました。
某スローフーダー兼美術史研究家の友人が
この会見に招待されていたのですが、
のっぴきならない用事で出席できないので、
代わりにいってこいということになり。

あまり大きな会見ではなかったけれど、
3人の研究者筋の方からの説明。

最初の二人の話はとても面白かった。
一人目はこの文書自体に触れて事実の確認、
二人目は建築家で建築的側面から
その「貸し出された部屋」の説明。
で、三人目はたぶんきっと偉い人だろうけど、
非常に聞きづらい口調であるのと
その上、発表途中でこのおじさま
興奮のあまりマイクを握り締め
そのスイッチを切ってしまったので、全く聞こえず…。
その時点で会見に出席していたほとんどの人が
彼の演説に興味を失ったのは言うまでもなく
マイクのスイッチが切れているのではという
美術館館長の指摘に会場はどよめき、
後ろのほうではブーイングも。
マイクのスイッチが入れられても
会場が熱くなりすぎていて集中できないし…。
ということで悪いけれど、
3人目のおじさまの話は
ほとんど聞いておりませんでした、私。

続く



最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おやびんの代理人として行ったのですね。 (kiyomina)
2004-09-23 16:28:10
おやびんの代理人として行ったのですね。
すっごいなぁ。
返信する
>kiyominaさん (albero4)
2004-09-24 14:32:41
>kiyominaさん
おやびんの代理が
務まっているのかどうかは
よくわからないけど(笑)。
色々面白い経験です。
返信する

コメントを投稿