フィレンツェにはいくつもの美術館がありますが、
2009年4月5日に新たにもう一つ加わります。
1999年から修復のため10年間も閉鎖されており
ようやく再オープンとなる
Museo di Stefano Bardini(バルディーニ美術館)。
Stefano Bardini(ステファノ・バルディーニ)は
イタリア美術収集家として名を馳せました。
1836年にフィレンツェ郊外のPieve(ピエーヴェ)に生まれ、
18歳で絵画習得のためフィレンツェに出向き
Accademia delle Belle Arti
(アカデミア・デッレ・ベッレ・アルテ)に入学、
Bezzuoli(ベッツウオーリ)に師事。
当時芸術家や批評家で賑わっていた
Caffe Michelangioloに入り浸り
マッキアイオーリ派とも親交を深めます。
画家としてはほとんど作品を残しておらず、
現存するものはImpruneta(インプルネータ)の
Villa di Triboli(トリーボリ荘)のフレスコ画のみ。
画家としては成功しなかった彼は、
古物商の世界に入ります。
アンティークを扱うようになると頭角を表し、
一時代を築き上げました。
顧客にはイタリア内外の有名な美術館や
個人収集家が名を連ねるほどにまで有名になります。
存命中に自身もコレクションを続け、
1922年9月に亡くなるときに遺言として
すべてのコレクションをフィレンツェ市に委譲しています。
このときに残されたものが
バルディーニ美術館のベースとなっています。
元々はフィレンツェ市立美術館の一つでしたが
後にPolo Museale Fiorentinoに権利が渡っており、
現在は国立美術館。
収蔵作品は絵画、彫刻、武具、楽器、陶器、
コイン、メダル、家具など多岐に渡り、約3600点。
最も重要な作品の中には、
Tino di Camaino(ティノ・ディ・カマイーノ)の
彫刻作品Carità(慈愛)、
Donatello(ドナテッロ)の
Madonna dei Cordai(コルダイの聖母)、
同じくドナテッロの聖母子像や
Della Robbia(デッラ・ロッビア)の彩色テラコッタ、
Antonio del Pollaiolo(アントニオ・デル・ポッライオーロ)の
San Michele Arcangelo(大天使ミカエル)、
Tintoretto(ティントレット)の
Martirio di una santa(ある聖女の殉教)など
秀作が含まれています。
Pietro Tacca(ピエトロ・タッカ)の作品で
最も有名な作品であるPorcellino(イノシシ像)のオリジナルや
Giambologna(ジャンボローニャ)の
Diavolino(ディアヴォリーノ)のオリジナルも
ここに収蔵されています。
1938年ヒトラーのフィレンツェ訪問時に
使われたとされる7,5メートルの絨毯もここに展示されています。
大作はないものの、
優れた作品を集めた美術館となっているので
フィレンツェ滞在時には足を運んでみることをお勧めします。
Museo Stefano Bardini
開館時間:土曜日、日曜日、月曜日のみ 11:00-17:00
住所:Via dei Renai 37 Firenze