最近の芸人のネタは……不謹慎。

　というより、そのネタを乱用している世間があまりにも酷い。場合によっては、「どんだけぇ～」という言葉が他人を馬鹿にするようなニュアンスで使われている気もする。多分、芸人さんが受けを狙ってやってるネタだろうが、そういう意味ではあまり良いものとは思えない。

　たいてい、流行るものというのは世間で使われると酷く劣化する。２ちゃんねるを知らない人間が２ちゃんねる用語を使ったり(wとかは特に意味もわからず使っている人が多い)、あるいはメールなどで顔文字を使ったり(使い過ぎてあまりにも鬱陶しい文章になっている)、考えてみただけでゴマンとある。俺としては、この「流行り」で真似する事が許せない。例えて言えば、パソコンの使い方など予備知識もないままに突然Cの応用プログラムの専門書を購入するような行為を平気でやっているのだ、世間は。(もっとわかりやすく言うと、ペットの世話の仕方は全く知らないのにペットを購入するようなもの)
　悲しいものだが、流行というものは大抵何故かその発端となった人間がすぐに忘れ去られてしまう。そして、その特徴的な行為なり特徴的な商品なりが馬鹿受けし、大ブームを引き起こす。普通に考えておかしいとは思わないのか。誰も思わないのだ。発端となった人間は既に表舞台から姿を消していてもなお、マスコミの宣伝なり噂その他なりで広まり、長期間にわたって影響を及ぼす。要は、皆こぞって踊らされているのだ。
　まだこんなくだらない事で盛り上がるならいいが、この対象が特定の政治家だったりしたらまさにファシズムだ。そういう危険性を秘めている事にも、誰一人気づいていない。そこはさすが日本人、戦前と何一つ変わっちゃいないと揶揄するべきか。
　「流行についていかないと隔たりが出来るから」なんて思う人に言いたい。何も考えず誰かに踊らされ続ける人間と同類でいたいのか、と。それよりは少しでも知識を求め、身につける人間になってほしい。冷静に見つめる目と冷静な思考さえあれば、そんな何処かの企業戦略に踊らされる事がいかに無駄で愚かなのかがよくわかるはずだ。

ではまた。