保険料「天引き」スタート 「ひ孫におやつも買えぬ」(

保険料「天引き」スタート　「ひ孫におやつも買えぬ」(産経新聞) - goo ニュース

後期高齢者医療制度の年金からの天引きが１５日始まった。「４・１５ショック」とも呼ばれる中、窓口となる各地の役所には「なぜ天引きなのか」「しっかり説明してほしい」などの苦情や問い合わせが相次ぎ、担当者らが対応に追われた。新保険証が届かなかったり、対象外の人を徴収リストに加えるなどトラブルも多く、天引き額を確認するため金融機関を訪れたお年寄りからは「ひ孫におやつも買ってやれない…」との声も漏れた。

＊＊＊以上一部引用＊＊＊

個人的には天引きという制度には賛成です。
何故なら、給食費にしろ国民保険にしろ未払いが絶えない現状で、安定した徴収方法と言えますから。
しかし、年金問題に解決の糸口すら見えない現状で年金から天引きはかなり問題があります。
それ以前に、後期高齢者医療制度自体に数多くの問題があります。
確かに医療制度が破綻する前に改善が必要です。
しかし、後期高齢者医療制度は改悪と呼べるものです。

そもそも、内容がイマイチ理解できません。
今回のblogを書くにあたり、いろいろ調べているのですが・・・正直訳がわかりません。
とりあえず、分かった問題点を列挙してみます。

・被扶養者であろうが関係なく加入させられる。
・無年金、無収入だろうが関係なく保険料が徴収される。
・低所得者向けの軽減措置があるが、世帯合算となるため本人が無収入でも同一世帯の子供に収入があると軽減措置が受けられないことがある。
・滞納すると保険資格が取り消され、全て自費負担となる。
・保険料が2年後とに見直されるが、高齢者の増加や医療費の高騰により保険料の高騰が予想される。
・医療にかかる機会の多い高齢者を別枠にすることにより、高齢者の負担は高齢者によって補うという本末転倒なものとなっている。
・自治体によっては74歳以下の健康診断は無料だが、後期高齢者医療制度では特例なく1割負担となる。
・検査や治療の報酬が定額となるため、医療の質が低下する恐れが高い。
・診療報酬が定額のため要入院患者でも病院から追い出しが発生する恐れがある。
・65～74歳の障碍者がなぜか75歳以上を対象とした後期高齢者医療制度に組み込まれる。
・一律の制度のため自治体で独自策を講じることが難しい。

そもそも、後期高齢者医療制度に関するリーフレットの配布や説明会は昨年12月から行われ、保険証の配布は3月になってから行われました。
準備期間もなにもあったものではありません。
後期高齢者医療制度は2006年小泉政権時代に可決されましたが、実際に制度がスタートするまで語られることはあまりありませんでした。
当時は郵政民営化一色でしたからね。

今回対象となった方々は戦後の日本復興に尽力された方々です。
戦後の混乱期からここまで復興させる事は大変だったことは容易に想像できます。
その労をねぎらうためにも、安心して老後を送っていただける環境を整備するのが国の勤めなのではないでしょうか？
道路整備の一部を福祉に転用するだけでも、かなり違うと思います。

以前も述べましたが、この国の将来が不安でたまりません。
将来に希望が持てない国ってどうなんでしょうね。
今回のような法案を通す国会議員を選出した有権者にも責任があるのですが、当選してしまえばどんな法案でも通せてしまう制度に疑問を感じずにはいられません。
大きな制度改革を行う際は、事前に国民投票を行うような制度がとれればいいのですが・・・。
そのためには、選挙費用の大幅な削減が必要となるし、そもそも議会制民主主義を否定することに繋がるので難しいところです。

後期高齢者医療制度に関する報道で、あるお年寄りが「生きているのが辛い」とおっしゃられていた言葉が印象に残りました。
こんな発言がでるような国家運営ではいけないと行政側は早く気がついてほしいものです。


国会は立法機関ですが、法案は官僚（行政機関）から出される案件が大半で議員立法は少ないという現状で有権者の意見がどこまで反映されるのでしょうね。
国会議員も族議員が幅を利かせている以上、改革は期待できないし・・・。
ほんと希望ってどこに売ってるのでしょうか？？