シリウスの環

時事問題を弄るblogと化してしまいましたw
初めの主旨から大変革・・・。

タイタニック沈没、早まった理由は「弱い鋲」説(

2008-04-17 02:52:44 | ニュース
タイタニック沈没、早まった理由は「弱い鋲」説(朝日新聞) - goo ニュース
英豪華客船タイタニック号が96年前、北大西洋上で氷山に衝突してから短時間で沈んだのは、鉄板同士などを結ぶ鋲(びょう)の品質が悪かったためだったとの研究結果を米国立標準技術研究所(NIST)の金属学者らがまとめ、出版した。船の製作を急いだ造船会社が低品質の鉄材を注文していたというが、当の造船会社側は否定している。沈没の日付に合わせ、米紙ニューヨーク・タイムズが15日付で報じた。

***以上一部引用***

タイタニック号に使用されていた鋲の品質が粗悪なものだったというのは数ヶ月前に海外の番組で実証していたような気が・・・。
かなり今更感があります。
タイタニック号が短時間で沈没した原因は、鋲の強度だけでなく複数の要因に起因します。
事故とは、1つの要因だけで発生することはなく、常に複数の要因が重なって起こります。

さて、タイタニック号は世界最大の客船として有名ですが、同型船の2番艦で当時は1番艦である「オリンピック号」が世界最大客船と認識されていたようです。

オリンピック型客船
1番艦:オリンピック
2番艦:タイタニック
3番艦:ブリタニック

上記3隻のうち、円満に引退できたのはオリンピック号だけで他の2隻は氷山への衝突(タイタニック号)や触雷(ブリタニック号)により沈没しています。

タイタニック号の沈没シーンで、船尾を高く掲げた後に沈没したシーンが有名ですが、実際にはせいぜい10°持ち上がった時点で船体が裂けたという説もあります。
これは船体構造が脆弱だったことに起因します。
脆弱と言っても当時の法で定められた以上の強度はあったのですが、巨大な船体を支えるには不足していました。
基本的にオリンピック型客船3隻は、同じ設計図で建造されましたがオリンピック号の公試で発見された問題点をタイタニック号で改修されたりしたため、3隻には構造を含めて差異があります。

オリンピック号とタイタニック号の大きな違いはプロムナード(遊歩道)の構造でしょう。
 オリンピック号:海に対しオープン(開放)構造
 タイタニック号:窓を設けた壁
この変更は表向きは北大西洋の強風から乗客を守るためとされましたが、実際は船体強度を上げるための補強と言われています。
船体強度に余裕がなかった原因は、オリンピック型客船は当時最大だった船舶の1.5倍近い大きさだったため全てが手探りだったことがあります。

オリンピック型客船は、水密区画が設けられ容易に沈没しない構造になっていました。
しかし、タイタニック号の氷山衝突の差異は船体に90mにわたる傷が生じたため一気に複数の区画が浸水し、想定より遥かに短時間で沈没となりました。

氷山に衝突した原因は不明ですが、他船の度重なる氷山に関する警告の通信を傍受したにも関わらず、月も出ていない深夜に22ノットという高速運行していたことが事故に繋がったことは明白です。
生還した乗組員(ライトラー2等航海士)や同じく生還したホワイト・スター・ライン社(オリンピック型客船の所有会社)イズメイ社長がアメリカの調査委員会に対し真相を話さなかったために、真相は不明のままです。

ライトラー証言「氷山があるという認識はなかった」
 →通信記録によりライトラーが氷山を認識していた

イズメイ証言「社長とはいえ乗客であり、船の運航に関与していない」
 →「スミス船長に高速で航行するよう指示をしていた」と他の乗客の証言

会社の責任を回避し、あくまでも事故だったというのが証言のスタンスでした。
このタイタニック号の事故の影響は非常に大きいものでした。
この事故を機に「海上における人命の安全のための国際会議」が開催されるなどし、船舶・航海の安全確保の取り組みが行われました。
1500人を超える尊い犠牲の上に今日の船舶の安全があると言っても過言ではありません。

今後、同種の事故がないように祈るばかりです・・・。



もっと書こうと思ったのですが、キリがないのでこの辺で・・・w

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