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葵から菊へ&東京の戦争遺跡を歩く会The Tokyo War Memorial Walkers

外交・政治・戦跡・鉄道・家族・絵画etc.

日比谷松本楼と孫中山

2008年05月22日 | 日本と中国

昨日は東京高裁で南京虐殺生存者「夏淑琴」さん名誉毀損裁判の判決(見事に勝訴)がありましたので傍聴に行きました。(詳細はこのwebサイトhttp://jijitu.gaou.net/をご参照ください。)

裁判傍聴に来ていた「国民学校一年生の会」事務局長の高岡岑郷さんが翌日から、同会のツアーで南京大虐殺祈念館を訪問することになっていると聞きましたので日比谷松本楼にご案内しました。

中国の国父と尊敬されている孫文(号は中山)と松本楼は深い繋がりがあり、玄関ロビーには孫文夫人の宋慶齢が弾いたピアノも展示されています。それは孫文が指導した辛亥革命を支援するために現在の価値に換算すると2兆円という多額の資金援助をした梅屋庄吉の孫が社長夫人だったからです。(詳細は日比谷松本楼のwebサイト「梅屋庄吉と孫文」をご参照ください。)http://www.matsumotoro.co.jp/

松本楼に行きましたところ、10年ぶりに来日した胡錦涛中国国家主席と福田康夫総理の夕食会が開かれた時の、記念写真などが載っているパンフレットが配布されていました。027 026_2 024_3

さらに高岡さんを日比谷交差点角にある日比谷マリンビルと三信ビル(現在解体しビル工事中)を案内しました。このビルの一角は明治時代には中山孝麿侯爵の屋敷がありました。

二回目の亡命中だった孫文は支援者の平山周とこの屋敷の前を通ってから、京橋の旅館に着きました。宿帳に偽名を書く段になってハタと考えました。そこで今ここに来るときに通ってきた屋敷の表札「中山」を思い出し「中山樵」と偽名を書きました。中国に帰国してから号を「中山」とし「孫中山」と呼ばれるようになりました。【参考文献】車田譲治著・国父孫文と梅屋庄吉

孫文は新宿区百人町にあった梅屋庄吉の屋敷で宋慶齢と結婚式を挙げました。管理人がそれらの足跡を調査したり、ツアーガイド(多文化たんけん隊清国留学生の足跡を歩く)をしている関連から、日本中国友好協会新宿支部は日比谷松本楼宴会場でフランス料理を食べながら梅屋庄吉の孫となる新居副社長の記念講演を開催したこともあります。

都立中央図書館に中山邸について照会したときの回答文をアップします。

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長谷川順一様

 中山侯爵邸の所在地がわかる文献か地図の所蔵について(回答)

メールでお寄せいただいたご質問(受理番号:E17-0182)について以下のように回答いたします。

1 中山侯爵邸の所在地がわかる文献について

ご質問の頃の中山侯爵は中山孝麿で住所は、「東京市麹町区有楽町一丁目三番地」です。(資料1-2)

  明治40年調査の地図によると「有楽町1丁目3番地」は日比谷公園の向かいになります。(資料3)

 また現在の住所では「有楽町1丁目4番、5番、8番」辺りになるかと思われます。(資料4)

なお、中山孝麿の住所は明治43年には「赤坂区青山南町一ノ一」に変わっています。(資料5)

 なお、孫文が中山の名を使うきっかけになったのが明治30年だとあったのでその当時の資料を調査しました。
 (資料6)

調査資料 (【 】内は当館請求記号です。)

1 『華族鑑』 青山長格編輯 二書房 1894 【R/2885/3007/894】六丁 「中山孝麿」の項 

2 『日本紳士録 3版,明治28年度』 交詢社出版局編 ぎょうせい 1896年11月【2813/N688/N2-3】 p.402 

3 『古地図・現代図で歩く明治大正東京散歩』人文社編・刊 2003.10 (古地図ライブラリー ; 別冊) 【DT/290.3/5059/2003】 p.14-15

4 『千代田区』 ゼンリン 2003.8 (ゼンリン住宅地図)【DRT/290.3/5022/2003-1】 図39

5 『明治大正昭和東京人名録上巻』 日本図書センタ-  1989.10 【RT/0・280/3002/1】 p.373

6 『孫文と日本』 沼野誠介著 キャロム 1993.3 【2892/ソ1/302】 p.77-782 中山侯爵邸の所在地がわかる地図について

 当館所蔵の当時の麹町区の地図には中山邸の記載はありませんでした。

 主な調査資料

・『東京十五区分麹町区 : 明治三十七年(一九〇四年)』 人文社 [19--]
【T/290.3/5025/6-1】

・『東京市麹町区全図: 明治40年1月調査』 東京郵便局編 大倉書店 1907.3【DT/34・29/5】

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